早期に始めたことで、 学部の高度な授業にもついていくことができたと思います
新田 真之介さん
慶應義塾大学法学部法律学科 4年在学中
■合格校
東京大学法科大学院 (既修)
慶應義塾大学法科大学院 (既修)
早稲田大学法科大学院 (既修・稲門法曹会奨学生)
中央大学法科大学院 (既修)
■適性試験
大学入試センター:70点
■学部成績
GPA:3.85
■伊藤塾受講講座 (リンク先は2010年開講のものです。)
入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、 慶應・中央ロースクール突破小教室、 東京大学ロースクール入試・完全解析講義
私は高校時代まで理系の研究職を目指していましたが、 自分は話すことや論理的に説得することに向いていると気づき、 法律という観点から科学技術の発展に貢献したいと考え、 法律家を目指すようになりました。 私は法律学科に進学することを決めたときから、 司法試験・法科大学院を考えていたため、 伊藤塾には大学1年入学前の春 (2月) に本科生として東京校伊藤塾長のライブクラスに入りました。 大学入学前の春休みの時間のあるうちに、 比較的時間をかけて体系マスターを受講し、 早期に憲法・民法・刑法の全体像をつかんでおいたことで、 学部の高度な授業にも、 何かと忙しい大学1年の始めからスムーズについていくことができたと思います。 4月以降に始めた場合も夏ごろにはカリキュラムは同じになりますが、 後で始めればそれだけ追いつくために週のコマ数 (受講ペース) が速くなることから、 復習が追いつかなくなるのではないかと思ったこと、 また、 自分の怠け癖を知っており伊藤塾の受講料を自分のアルバイト代で払うと決めていたことから、 早い段階で受講を開始しました。
(1) 適性試験対策について
適性試験については、 旧司法試験や法律科目の勉強が中心であったため、 あまり時間はかけられませんでしたし、 かけるべきではないとも思っていました。 そこで、 本科生の講座に含まれていた伊藤塾の適性試験対策講座をインターネットで法律科目の勉強の合間などに少しずつ受講していきました。 この講座で、 要領よく解法や適性試験独特の考え方などを吸収することができたと思います。
適性試験に漠然とした不安のある方は、 是非まず過去問を解いてみることをお勧めします。 私は、 飛び級受験も視野に入れていたため、 大学3年次に大学入試センターの適性試験を 「模試のつもりで」 受験してみました。 この時にまずまずの点数 (83点) をとれたことから、 ひとまず法律科目に比重をおいてよさそうだ、 また読解・表現よりも推論・分析の方が苦手だということを把握でき、 その後の勉強の指針を立てることができました。
(2) 法律科目試験対策について
<1> 基礎的な法知識・法理論の修得について
皆さんおっしゃるとおり、 基礎マスターが法律科目の基礎力の修得にとって最も重要であることに間違いはなく、 基礎がしっかり身についていれば、 どの法科大学院でも受かるのだと思います。 しかし、 その 「基礎を身につける」 というのが、 意外にできる人が多くないというのも事実だと思います。
私は、 基礎マスターの講義を、 科目により2回から3回インターネット講義を利用して聴き直し、 その後は一度理解した後は自分で読む方が繰り返せるスピードが速いですから、 テキストのマーク箇所や書き込みを中心に読んでいくという復習をしていました。 基礎マスターテキストと 「試験対策講座」 (弘文堂) は最後まで使っており、 試験本番の前夜などは素早く基礎マスターテキスト全科目を見直し、 気持ちを落ち着けていました。
インプット面に関して、 はじめは単語カードに書いたりまとめノートを作ったりしていましたが、 それを作成する時間がもったいないことや作成しただけで満足してしまうことから、 途中からは 「復習問答集」 と 「論証パターン集」 を使っていました。 このとき、 全ての教材を持ち歩くのは重いので、 毎日出かける前に少しだけとって (問答集なら5枚分程度、 論証パターンなら20枚程度)、 単語カードのリングにとじて持ち歩いていました。 これなら電車の中や講義の合間などにも見られるし、 毎日続けることでかなりのインプットになったと思います。
<2> 実践段階の学習について
実戦段階では、 論文マスターとコンプリート論文答練を受講しました。 論文マスターで使用する 「問題研究」 は、 (行政法を除く6科目については) 十分な問題量があり、 これさえやれば一通りの論点を網羅することができるようになっているため、 特に他の市販の問題集などをやる必要はありませんでした。 ただ、 本当に量が多く感じる時があるので、 小分けにして少しずつ解いていくという根気が必要です。 自分は恥ずかしながら私立法科大学院までに全科目の 「問題研究」 をしっかり解き直すことができず、 実際慶應の下三法の論文は全く手応えがなかったので、 私立が全て終わってから東大までの約2ヶ月間の始めの1ヶ月で残していた下三法の 「問題研究」 の解き直しをしました。
また、 コンプリート論文答練は、 法科大学院向けの比較的長い問題文が多かったので、 事案の評価やあてはめなどの現場で考える練習になりました。 また、 近年の重要判例などをベースに問題が作られているので、 コンプリート論文答練の解説冊子は、 試験の直前3日間などに何をやればいいかわからないとき、 試験当日の休み時間に数問ずつみて全科目をおさらいしておきたい時などに見直していました。
(3) パーソナル・ステートメント、 面接対策について
パーソナル・ステートメントは、 慶應・早稲田が最も書く分量が多く、 用意する書類も多いので、 まずはこのうちで出願が早かった早稲田のステートメントから書き始めました。 なお、 成績証明書や推薦状など、 早めに揃えるべきものがありますので、 注意しておくといいと思います。 ステートメント作成の際には、 伊藤塾の本科生の講座に含まれていた 「パーソナル・ステートメント対策講座」 を聴き、 最低限の合格要件と、 書く方向性が外れないように、 また 「聞かれている問いに答える」 よう強く意識しました。 その上で、 付属の添削に提出し、 改善点を指摘していただいたものをさらに推敲して、 最終的なものに仕上げました。 ステートメントを書いてみてはじめて、 自分がいかに 「自分が目指す法曹像」 について具体的に考えたことがないかを痛感し、 勉強の合間に 「明日の法律家講座」 の興味のある回を視聴したり、 インターネットで弁護士業界について調べたりしました。 伊藤塾の添削では、 始めは厳しい評価をいただきましたが、 コメントをもとに何度も書き直して、 周りの先輩などにも見ていただいた後で、 最後の3回目に提出した添削では、 A評価をいただいたので、 自信をもって出願することができました。 中央大学については分量が短いので、 早稲田と慶應のものを基に削るようにしました。
面接対策については、 「面接対策講座」 の講義を聴いて、 用意しておいたほうがいいと思った 「よく聞かれる項目」 については、 ワードなどにまとめておき、 早稲田と中央の面接試験当日に持っていくようにしました。 また、 早稲田の面接の前日に大学の先輩 (ロースクール生) に模擬面接をやっていただき、 一度練習しておいたことで、 あまり緊張することなく本番でも答えられたと思います。 早稲田の面接では、 過去の問題とは傾向が異なる準備時間なしの即興ディベート風の問答形式に変わっていたのですが、 一般常識や最近新聞で見たことのある情報をフルに駆使して自分の頭で考えたことを伝えるようにしました。
私は入学当初から法科大学院も視野に学習していたので、 学部成績については大学1年の始めから意識して、 授業はなるべく出席していました。 やはり試験直前に他人からもらったノートで勉強するより、 日ごろから出席して自分でノートをとっておいたほうが、 効率よく楽に良い評価が得られると思います。 実際、 私は適性試験も英語のスコアもあまり振るわなかったのですが、 最後は学部成績に助けられたように思います。
法律以外の教養や語学については負担の少ない、 高評価のとりやすい科目等をなるべく履修するようにしていました。 また、 法律科目については、 司法試験や法科大学院の試験科目と被る六法科目になるべく近い科目を履修し、 司法試験の勉強と大学の授業を別々に考えず、 なるべく近づけて勉強するように意識していました。 例えば、 大学の刑法の授業で今学期は各論の財産罪をやっていたとしたら、 その日の授業に、 指定の基本書とともに、 基礎マスターテキスト刑法第二分冊の財産罪の部分を切り取って小さめのバインダーに綴じて持って行き、 授業で両者を一緒に参照しながら話を聴くようにしました。 そうすることで、 ともすれば今何の話をしているかわからなくなってしまう難解な大学の授業も、 「教授は今、 基礎マスターでやったこの論点のこの説への批判についてずっと詳しく話しているんだな」 というようにわかるので、 道に迷うことなく講義を聴くことができ (いわば地図のようなもの)、 授業を聴きながら基礎マスターテキストの復習もできました。 また、 基本書に基礎マスターのページ数、 論点番号とランクをメモしておくことで、 期末試験前の復習も効率的に行うことができました。 この点、 基礎マスターテキストは、 ルーズリーフのようになっており、 細かく分割して持ち歩けるだけでなく、 大学の授業や答練などでわかりやすいレジュメなどをもらったときに、 穴をあけて一緒にとじることができ、 情報の一元化に非常に便利でした。
伊藤塾の教材は、 コンパクトにまとまっており、 その科目の入門段階やスピーディーに復習したいときによいですし、 大学の授業や基本書は、 より詳しく深く応用的な論点などを知るのによいので、 両者の利点をそれぞれ活かしながら勉強することが、 学部成績も重要な法科大学院入試を乗り切る上では効率的ではないかと思います。 ただしこれは法学部の方についての話ですが。
大学1年次から伊藤塾に通っていたので、 オープンスクール等をネットを利用して勉強の息抜きに聴いていました。 そのことによって、 各大学院の設備や授業の特徴、 合格率、 学生への熱意や面倒見のよさなどについては少しずつ情報を入れることができました。 最終的には、 新司法試験の合格者や様々な先輩の話などから総合的に考えて、 志望校を決めました。 3年次に慶應を飛び級 (未修) で受けることも考えていましたが、 私の大学では中退になってしまうこと、 東京大学等の国立大学を受ける機会を失うのは惜しいこと、 4年次まで旧司法試験を受けて既修で入るほうが法律の勉強という点においてはいいと思えたことなどから、 3年次の飛び級受験は見送ることにしました。
大学4年になってから、 5月6月頃は、 旧司法試験の択一、 大学入試センターと日弁連の適性試験、 TOEFL(R)、 TOEIC(R)、 法学既修者試験、 各大学院のステートメントなどの書類作成などにかなり時間をとられ、 論文対策、 とくに下三法の勉強がかなり遅れてしまいました。 結局計画していた下三法の 「問題研究」 の復習は私立入試までに間に合わず、 ただでさえ時間が足りない慶應義塾大学の下三法の論文の出来は散々でした。
そこで、 私立が終わってから国立まではひたすら下三法の 「問題研究」 と論証パターンを復習していました。 「今月末までに全ての 「問題研究」 を終えるには、 一日何問やればよい」 というふうに期限を決めて計算し、 そのノルマを毎日達成するために、 Aランクの問題は構成だけでなく実際に答案も書く、 Bランクは構成だけ、 Cランクや一行問題は少し考えてすぐ答えを読むだけ、 というふうにメリハリをつけていました。
個別の法科大学院の対策としては、 直前期に各大学院の過去問を解いてみるとともに、 伊藤塾の小教室を利用しました。 まず、 「慶應・中央ロースクール突破小教室」 (山崎ふみ講師) では、 論文だけでなく、 短答や面接で気をつけることなども知ることができ、 また学校ごとに違う問題用紙や時間配分などの不安も解消することができました。 そして、 私立が全て終わった後、 「東京大学ロースクール入試完全解析講義」 (森真一郎講師) を受講したのですが、 これはまさに目から鱗の講義でした。 東京大学法科大学院だけでなく新司法試験も視野にいれた講義なので、 全科目の論文マスターの復習が一通り終わったくらいの段階で、 たとえ東京大学法科大学院を受験しない方でも受講してみることをおすすめします。 私はそれまでなんとなく論証を 「覚えよう」 としていたのですが、 この講義では基本事項 (趣旨・定義など) からの三段論法とは本当はどのように 「考えれば」 よいのかということを、 実践的に学ぶことができました。 また、 答案例も、 講師答案と、 合格者答案と不合格者答案が載っていて、 「合格者でもこの論点は半数くらいの人が書いていない」 「この論点は合格者はほぼ全員が書いている」 など、 合否のわかれ目をうかがい知ることができ、 大変参考になりました。 東大の試験当日の問題用紙が配られている間や試験開始のチャイムを待っている間は、 一番緊張するので、 森講師のおっしゃっていた 「配点表を意識する」 「まわりがどれくらい書くかを考える」 などの言葉を心の中で復唱して気持ちを落ち着かせ、 試験中もそれを意識しながら答案構成しました。
基礎マスター段階では東京校ライブクラスに通学受講だったので、 講義中浮かんだ疑問は休み時間にクラスマネージャーの方に質問するようにしていました。 また、 ときどき講義後に伊藤塾長に質問しに行くこともありました。 これはどちらかというと疑問点の解消という意味以上に 「モチベーションアップ」 に大いに役立ちました。
本科生の講座がすべて終了してからは、 自宅から近い御茶ノ水校で答練を受けたり自習室を利用したりしていました。 御茶ノ水校のアットホームな雰囲気はとても好きでした。 また、 ロースクールコンサルタントの方の個別相談を、 本科生の講座がすべて終了した時と、 適性試験後に志望校を悩んでいた時の2回利用させていただきました。 旧司法試験の結果が振るわなかったことなどで自信を失って志望校のレベルを下げようかと考えていたときなど、 時に厳しく、 有益なアドバイスをしていただけたことに、 本当に感謝しています。
法科大学院入試を受ける年は、 毎週何かしらの試験もしくは締め切りがある感じで、 スケジュールと体調の管理は非常に重要だと感じました。 余談ですが特に今年は受験時期に新型インフルエンザ問題などもあったので、 睡眠時間や、 手洗いうがい、 マスクの着用などを徹底するようにしていました。 スケジュール管理については、 私は見開き1ページで1週間の予定が横長に上から月火水・・・と並んでいる手帳を使っていました。 そして、 見開きの左側は、 その日の試験や出願などのスケジュールを書き、 右側にはその日の勉強の計画を書くようにしました。 そして、 勉強の計画についても、 朝・昼・夜と大まかに仕切り、 それぞれの枠に、 例えば 「昼・完全マスター刑訴聴き直し7~9」 「夜・刑訴問研18~27」 のように、 その日のノルマを書き、 それをやり終えたら横線で消すようにしていました。 もちろん計画はずれますのであまり先の計画は立てず、 一週間ごと、 問題番号やページ数などの細かいノルマは前日に立てるようにしていました。
法科大学院の授業はかなりハードで、 遊びやアルバイトなどをする時間もあまりないと聞きます。 そこで、 入学までの時間、 入試の間我慢していた遊びやアルバイトをするとともに、 今まで使ってきた教材を用いて苦手をなくすよう再度基礎を徹底させていきたいと思います。 また、 これまで気になっていた基本書や判例集のうち大学院でも使いそうなものを時間のある今のうちに通読してみることも考えています。
今回、 私が合格できたのは、 勉強をやり続けたことだと思います。 入試までの道のりは長いですので、 誘惑に負けてモチベーションが下がったり、 まわりの友達が旧司法試験で良い結果を出して劣等感でいっぱいになったり、 病気になってペースを乱したり、 様々なことがありましたが、 立ち止まりながらも、 周りの人々の支えもあってなんとかリタイアだけはせずに前に進み続けることができました。
また、 「私立の入試が終わったあとの夏休みに、 つい遊びすぎて力を落としてしまう受験生が少なからずいる」 ということを先輩から聞いていたので、 私立が終わったあとも、 息抜きはほどほどにしてすぐに国立に頭を切り替えて勉強を開始したことも国立の結果に影響したと思います。
最後に、 これまで支えてくれたまわりの方々、 本当に感謝しています。 まだスタートラインのさらに手前に立っただけですが、 法科大学院でしっかりと学んで、 自分の目指す法曹像に近づけるようがんばります。
(2009年12月・記)
TOEFLandTOEICareregisteredtrademarksofEducationalTestingService(ETS).
ThispublicationisnotendorsedorapprovedbyETS.
