論文マスターで“論理的に文章を組み立てる力を修得。これはあらゆる学問に応用できる力でした
H.Wさん (21歳)
慶應義塾大学法学部政治学科 4年在学中
■合格校
慶應義塾大学法科大学院(既修・全額免除学生)
■適性試験
大学入試センター:71点
■学部成績
GPA:3.6
■伊藤塾受講講座 (リンク先は2010年開講のものです。)
入門講座本科生+リーガルトレーニング、全国公開択一答練、論文直前答練
私が法曹を目指したきっかけは、学部1年次に政治学科で学んだ科目のうちで最も法律学が印象に残り、かつ弁護士という職業に対し強い憧れを持っていたからでした。また、司法試験合格を目指すことは、大学生活のうちで何か財産になるものを残したいと思う自分にとって最適な目標であったということもあり、大学2年の春に法曹になることを決意しました。もっとも、いざ勉強を始めるといっても政治学科である私にとって法律を学ぶ機会はほぼ皆無でした。そこで、受験指導校の検討を始めたところ、ちょうど同時期に友人が伊藤塾に入塾したことや、説明会での伊藤塾長の話し方が非常に聴きやすかったことから伊藤塾への入塾を決めました。
(1) 適性試験対策について
私は旧司法試験を受験していたため、適性試験は論文試験対策と重なる時期にありました。したがって、適性試験に割く時間があまりなかったことから、基本的には過去問を解くという勉強方法しか採ることができませんでした。その結果、日弁連で芳しくない点数を取ってしまった私は、大学入試センターについては伊藤塾の模試を1回分だけ受講しました。また、とりわけ私は推論分析に苦手意識を持っていたため、適性試験対策講座基礎編の推論分析については受講しました。この講座は問題演習が中心であって、頭の体操には非常に有益でした。適性試験に苦手意識がある場合には、適性試験模試などしっかりとした対策をすべきである、というのが私の実感です。
(2) 法律科目試験対策について
<1> 基礎的な法知識・法理論の修得について
入塾した1年目、私の周りには早くから伊藤塾に通っている友人がいなかったので、基礎マスター時は伊藤塾長や合格体験記に掲載されている司法試験合格者の先輩方のおっしゃる勉強方法をひたすら繰り返すだけでした。具体的には、塾長の講義を受け、その復習の際には、塾長がA又はB+にランク付けした点について、定義カードを作り、加えてそれらを暗記できるように手で書くことを繰り返しました。集中力のない私はただテキストを読んでいるだけでは眠くなったりしてしまうので、手を動かすことでそれを克服しようという趣旨でした。私はこの時期1回の講義につき1回しか復習をしていませんでした。しかし、今考えると、この時期に何度も復習をすることで基礎的知識を定着させ、塾長が言うように旧司法試験択一試験の過去問を並行して解いておくべきであったと感じています。というのも、基礎知識がなければそもそも答案も書けませんし、択一の勉強を通じては知識の修得だけでなく、誤った理解を正すことができたと個人的には感じられたからです。塾長の「余裕があれば」とおっしゃっている指示にも従っておけば、間違いないと思います。
<2> 実践段階の学習について
私は、旧司法試験に向けた勉強がそのまま法科大学院の入学試験にも役立つと考えていたため、法科大学院対策というよりも主として旧司法試験に向けた勉強を行ってきました。まず、択一対策としては、学部3年の12月から1月にかけて条文・判例マスターを受講し、2月ごろからはひたすら旧司法試験択一試験の過去問を解きました。それと並行して、憲法と民法については、まずは基礎マスターの「入門講義テキスト」の復習を何度かこなし、知識が定着してきたなと感じた頃から「情報シート」に切り替えました。刑法については、入門講義テキスト」を繰り返し復習しました。また、全国公開択一答練を受講し、合格推定点にとどかない自分の非力さを痛感することで、勉強に対するモチベーションも維持することができました。
次に論文対策についてですが、私は基礎マスター時には、基礎マスター対応ゼミおよびリーガルトレーニングの論文答練を欠かさず受講しました。これらは、論文の答案とはどういったものなのかを知る上でとても有益でした。論文マスター時(学部3年12月まで)は、講義の予習として答案構成を検討し、復習としてはできるかぎり「問題研究」の答案例のキーワード部分と答案の流れを暗記していました。暗記をすると自然と論証が身につく上、ベーシック論文答練においては良い点数が取れてしまうので、勉強が無駄になってはいないという励みにもなりました。また、論文マスター対応ゼミを受講することで、答案を書く機会をさらに確保し、書くことで湧いてくる疑問については、ゼミ長に質問することで解決していました。訴訟法については、呉講師の商訴完全マスターを受講し、「試験対策講座」(弘文堂)を繰り返し復習し、「問題研究」もしくは「論証パターン集」のいずれかで自分に合った論証を覚えることに専念していました。
個別の法科大学院試験の対策について、特別に行ったことといえば、直近5年分の過去問を解くぐらいで、短答式試験については旧司法試験択一試験の勉強方法を繰り返し、論文式試験についてもそれまで通りの勉強を繰り返しただけでした。つまり、旧司法試験の勉強がそのまま法科大学院入試対策になり、それは伊藤塾の教材だけで十二分であったということです。
私は、政治学科に所属していたので、学部の試験において法律学科目を除いては、法律の知識はほぼ役に立つことはなかったように思います。しかし、論文マスターを受講し、論理的に答案を組み立てていくということは政治学科におけるあらゆる論述式の試験で役に立ったと感じています。つまり、論理的な文章はどのような学問でも要求されているということです。現に、私は論文マスターを受講し始めた3年次の成績はそれまでに比べて高いものとなりました。ですから、私にとっては、伊藤塾の授業が「試験期間の障害」というわけではなく、むしろ利益あるものだったわけです。
志望校の選択については、第一に新司法試験の合格率をみて判断しました。また、慶應は学部から通っているので、慣れ親しんだキャンパスでまた勉強に励むことができるという点も、志望校選択のポイントとなりました。また、司法試験に合格した後の就職という観点も、私は重要なポイントだと考えていました。
直前期はやはり過去問演習に尽きると思います。また、論証についてできるだけ穴がないように、「論証パターン集」や「問題研究」で確認をしていました。
試験当日は、栄養ドリンクを毎回飲んでいました。効果の有無は不明ですが、自分の気持ちとしては、飲んだ以上は試験ができるはずだと勝手に思い込むことができたので、私にとっては飲むことそれ自体に意味がありました。また、試験前はお気に入りの音楽を聴いて集中力を高めていました。
私は自宅で学習することが苦手なので、基本的には学校で勉強をしていました。もっとも、唯一自宅学習を行う時間がありました。それがインターネット講義で講義を受講する時間です。何らかの理由で通学できなかったとき、もう一度聴き直したい箇所があったとき、あるいは時間がないから2倍速で聴きたいときなどにこの制度を利用させてもらいました。自分のペースで学習を進めることができるという点が、フォロー制度最大の利点であると思います。
私の学習スケジュールはほぼ伊藤塾のカリキュラムに則っていました。その理由は、法律学の勉強方法などまったく知らない私にとっては、やはり受験指導を何年にもわたって行ってきた伊藤塾が、その経験に照らし構成したカリキュラムに従うことが最善の方法であったと考えたからです。
私は、現時点で最後の旧司法試験を受験するかで迷っています。仮に旧司法試験を受けるのであれば、今まで繰り返してきた勉強方法をさらに徹底していきたいと考えています。旧司法試験は受けず新司法試験に絞ると決めた場合には、まず下四法の短答対策を行い、法科大学院入学前に短答式に合格できるレベルにまでもっていきたいと考えています。さらに、余裕があれば、行政法の論文の勉強を進めて来年から専門科目を除いた科目については、新司法試験対策の論文答練を受講できるようなレベルにまで達することができればと考えています。
司法試験に合格したわけでもない私が合格体験記を書くなど真に恐縮ですが、これから勉強を始める方の参考になれば幸いです。とりわけ、法律学科ではない方たちにとって、法科大学院入試に関しては、学部の専攻など大して関係がないということを知ってもらえればと思います。
(2009年11月・記)
