短期的、 中期的に目標を決めて勉強することが大事だと思います
中島 裕一さん (22歳)
大阪大学法学部 4年在学中
■合格校
神戸大学法科大学院 (既修)
■適性試験
大学入試センター:86点
日弁連:243点
■伊藤塾受講講座 (リンク先は2010年開講のものです。)
入門講座本科生
法科大学院への入学を目標として勉強しようという方は、 大学入学時から準備を始め、 他の進路は全く考えないという方が大半です。 しかし私は就職活動と進学という二つの進路の間で悩み続け、 法科大学院進学を志したのは大学3年の3月末のことでした。 就職活動を続ける中で、 自分の本当に為したいこと、 なりたいものが法曹であると気付いたからです。 それまで法律の勉強といえば学部の授業、 テスト勉強だけであった私にとって、 試験日まで8ヶ月という非常に短い期間で合格しようという試みは周りから見れば無謀で、 失笑を買うものでした。 しかし、 計画的な勉強と志があれば、 合格は十分可能であり、 「今から勉強を始めても間に合わない」 と諦めかけている方の参考になればと思い、 この度合格体験記を執筆することに致しました。 伊藤塾の講義、 テキストを活用してどのように勉強し、 合格したかをできるだけ具体的に書くように心がけました。 少しでも参考になれば幸いです。
(1) 適性試験対策について
学部成績があまり良くなかった私にとって、 適性試験の対策は特に重要なものでした。 どうやって対策するか、 法律科目の勉強とのバランスはどれくらいがよいのかなどが気になるところだと思います。 私は、 適性試験対策は1ヶ月間、 1日3時間ほど割いて勉強しました。 適性試験は大きく分けて論理系と読解系に分かれていますが、 対策が必要なのは前半の論理系の問題です。 何かしら覚えていないと解けないという問題はほとんどないので、 練習問題の多いテキストを1冊買い、 時間を計ってひたすら演習することが一番の対策だと考えます。 時間を計ることと、 間違えた部分を確認する作業を怠らなければ、 1ヶ月もあれば論理の問題は9割近く正解するようになります。 適性試験は頭の良さを測る試験と言われることが多いですが、 そのようなことは全くないので、 きっちり対策しておくことをおすすめします。
(2) 法律科目試験対策について
膨大な範囲の法律科目をいかに勉強するか。 短い期間で最大の効果を出すには、 計画的、 段階的な学習が必要になると思います。 具体的には、 1.法理論を理解する段階2.必要な語句を覚える段階3.答案の書き方を身につける段階と、 この3つの段階を意識して私は学習スケジュールを立てました。それぞれどのような勉強をしたかについて記載していきます。
答案を書くためには語句の暗記も大切ですが、 まず何よりも科目ごとの特性や制度を大きな流れで理解しておくことが重要です。そうすることで、 趣旨に沿った答案が書けたり、 効果的な批判を加えながら答案を作成していけるからです。 そのような法理論の理解において大きな手助けとなったのが、 基礎マスターの講義と、 そのテキストです。文章を読んでなんとなく理解するのと違い、 基礎マスターの講義では一つひとつの制度についてかなりの時間を割き、 具体例を交えながらわかりやすく丁寧に説明してもらえます。
さらに講義の中で覚えるべき内容の優先順位もはっきり示してくれるので、 無駄のない勉強ができると思います。 講義を聴き、 テキストに優先順位や覚えるべきことを書き込み、 さらにそれを読み直して覚えるという作業が、 法律科目対策の第一歩になります。
各科目のおおまかな制度が理解できたら、 次にそれを答案に書けるよう、 暗記の段階に入ります。 ここに言う暗記は、 なんとなく書けるというものでなく、 「行為能力=単独で確定的に有効な意思表示をすることができる能力」 といった正確な定義を覚える作業です。 もちろんこういった定義は、 専門書を読み比べて自分で作ることも大切ですが、 基礎マスターのテキストでは専門書の言い回しを忠実に記載していましたので、 法科大学院の試験対策にあたってはそちらを暗記すれば十分対応できます。 私はこの暗記段階では、 基礎マスターの講義でメモした部分と、 テキスト中の論証を何度もノートに書き写すという作業をして必要な事項を暗記しました。
最後に、 答案の書き方を身につける段階では、 基礎マスター答練のテキストと、 リーガルライティングという講座を利用しました。 理論を理解し、 必要な語句を覚えても、 普通はいきなり答案を書くことは不可能です。 私も最初は書き出しが浮かばずに何10分も無為に過ごすということがありました。 答案を作る際には、 最初から最後までどのような流れで書くかを決めてからでないと支離滅裂な文章が出来上がってしまいます。 そこで、 答案構成の力はどのようにしたら身につくかというと、 模範解答の分析が一番であると考えました。 基礎マスター答練の模範解答を熟読し、 使える言い回しはチェックして一文まるごと覚えてしまい、 書き出しのパターンや問いへの答え方、 批判の入れ方など学ぶべきことは沢山あります。 伊藤塾の模範解答は1問に対し複数用意されており、 異なるアプローチや時間内で実践的にまとめた答案など参考になるものばかりでした。 この答案構成の分析と、 実際に答案を作成することの繰り返しでようやく、 入試に対応できる実力が身につくと思います。
なお、 受験する法科大学院によっては語句説明問題や、 択一、 判例の事件の概要の説明まで求める問題もありますので、 「難関法科大学院入試 論文試験対策講義」 など個別の対策講座を利用することも効果的だと思います。
(3) パーソナル・ステートメント、 面接について
私の受験した法科大学院はパーソナル・ステートメントのみで、 文字数は1500~3000字程度でした。 配点は法律科目ほど高くないとはいえ、 合格に関わる重要な資料になるのできちんと作成した方がよいと思います。 私は伊藤塾のパーソナル・ステートメント対策講座や就職活動の自己分析の本などを参考に作成し、 親しい人に見てもらって何度も修正してから提出しました。 パーソナル・ステートメントは自己表現なので、 何を書いてもよいとは思いますが、 上で述べた講座や他人のアドバイスを聞いて書き上げたものの方が読みやすく、 伝わりやすい文章が出来上がります。
私は勉強を始めたのが遅かったので、 伊藤塾のテキストを学部試験に利用する機会はありませんでしたが、 基礎マスターの講座やテキストは学部の試験対策にも非常に役立つと思います。 良い学部成績を修めておくのも入試対策としてとても大事なことなので、 ぜひ講義のテキストを学部の授業にも役立ててください。
志望校の選択は、 非常に悩むところだと思います。 大学入試時の偏差値がそのまま法科大学院入試の難易度に直結しているわけではありませんし、 法科大学院入試段階の人気校が、 新司法試験で実績を残す法科大学院とイコールではない状況にあります。 私が法科大学院を選ぶ際に考慮したことは、 単純に新司法試験の合格実績です。 理由は新司法試験に合格する方が多い法科大学院であれば、 それだけ切磋琢磨して競い合えるであろうことを期待したからで、 人気や学部の偏差値などそれ以外の要素は人によって意見がまちまちで、 参考にできないと感じたからです。 どこの法科大学院が良い悪いといったことにあまり拘らず、 自分が最も快適に勉強できそうな環境という視点で法科大学院を選ぶのが良いと私は考えています。
私自身は、 4~6月 「基礎マスター」 7~8月 「語句暗記」 9~10月 「基礎マスター答練、 答案作成の練習」 11月 「総復習」 といった日程で勉強を進めてきました。 起きている間はほとんど勉強時間にまわしていたので、 特にスケジュール管理で工夫した点はありません。 ただ、 「その日のうちに必ずこれだけはする」 こと、 「来週までにここまで進める」 ことだけは意識して勉強していました。 勉強時間は長いのにはかどらなかったという事態を防ぐためには、 短期的、 中期的に目標を決めて勉強することが大事だと思います。
合格発表から入学まで4ヶ月もの期間があります。 卒業旅行を楽しむ人、 気分を入れ替えて新司法試験に向けた勉強を始める人、 基礎知識の総復習を行う人など、 様々だと思います。 私は短期の勉強で合格してしまい、 基礎がまだまだ不十分だと実感しているので、 基礎マスターの各科目のインターネット講義をもう一度すべて見直すつもりです。 自宅で何度でも観られるインターネット講義は本当に便利だと実感しています。
法曹への道は、 本当に長く険しく、 途方もない距離を延々と進み続ける山登りやマラソンのような作業ですが、 諦めることなく、 司法試験に向けて精一杯頑張っていこうと意気込んでいます。 これから法科大学院を受験される皆さんも、 辛く長い道のりですが、 法曹という目標に向かって一緒に頑張りましょう!
(2010年1月・記)
