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2008年10月24日 (金)

最新判例紹介7

さて、早いものでもう平成20年度本試験直前期になってしまいました。予定どおり進んでいる方、仕事、家事、学校などで思うように進んでいない方、などなど受験生一人一人事情が異なっていると思います。そんなときは、他人と比べずに「与えられた環境でベストを尽くす!!」という言葉を思い出してください。あと、試験前になると、必ず「間に合いそうもないので、来年でもいいか…」とあきらめる方が出てきてしまいます。しかし、そんなときこそ「最後まであきらめない」でください。

最終回では、年金に関連する判例についてです。

【背景】20歳以上の大学生等は任意加入であったが、1989年に国民年金法を改正し、学生の強制加入制度は1991年4月から施行された。事案の原告は、1981年~1986年に大学に在学していた。

【事案】大学在学中に障害を負ったので、障害基礎年金に支給裁定を申請したところ、国民年金に任意に加入しておらず、被保険者資格が認められないため、同年金を支給しない処分を受けた。そこで、処分の取り消しと国家賠償を求めた。

【争点】① 1989年改正前の国民年金法が,同法所定の学生等につき国民年金の強制加入被保険者とせず,任意加入のみを認め,強制加入被保険者との間で加入及び保険料免除規定の適用に関し区別したこと,及び立法府が上記改正前に上記学生等を強制加入被保険者とするなどの措置を講じなかったことは、憲法25条,14条1項に違反するか。

② 立法府が,平成元年法律第86号による国民年金法の改正前において,初診日に同改正前の同法所定の学生等であった障害者に対し,無拠出制の年金を支給する旨の規定を設けるなどの措置を講じなかったことと憲法25条,14条1項に違反するか。

【結論】①違反しない。②違反しない

【判旨】(最判平19年9月28日)

①平成元年改正前の法が,20歳以上の学生の保険料負担能力,国民年金に加入する必要性ないし実益の程度,加入に伴い学生及び学生の属する世帯の世帯主等が負うこととなる経済的な負担等を考慮し,保険方式を基本とする国民年金制度の趣旨を踏まえて,20歳以上の学生を国民年金の強制加入被保険者として一律に保険料納付義務を課すのではなく,任意加入を認めて国民年金に加入するかどうかを20歳以上の学生の意思にゆだねることとした措置は,著しく合理性を欠くということはできず,加入等に関する区別が何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いであるということもできない。したがって、平成元年改正前の法における強制加入例外規定を含む20歳以上の学生に関する上記の措置及び加入等に関する区別並びに立法府が平成元年改正前において20歳以上の学生について国民年金の強制加入被保険者とするなどの所論の措置を講じなかったことは,憲法25条,14条1項に違反しない。

②平成元年改正前の法の下において,傷病により障害の状態にあることとなったが初診日において20歳以上の学生であり国民年金に任意加入していなかったために障害基礎年金等を受給することができない者に対し,無拠出制の年金を支給する旨の規定を設けるなどの所論の措置を講じるかどうかは,立法府の裁量の範囲に属する事柄というべきであって,そのような立法措置を講じなかったことが,著しく合理性を欠くということはできない。また,無拠出制の年金の受給に関し上記のような20歳以上の学生と20歳前障害者との間に差異が生じるとしても,両者の取扱いの

区別が,何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いであるということもできない。したがって、上記の立法不作為が憲法25条,14条1項に違反するということはできない。

 これは、「学生無年金障害者問題」と呼ばれるものです。直前期にこんな長い文章記載してすいません。時間のない方は、この点だけ確認しておいてください。それは、生存権の問題は、25条の下で立法府に広い裁量権が認められているという点です。そのため、判旨では、「国民年金制度は,憲法25条の趣旨を実現するために設けられた社会保障上の制度であるところ,同条の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講じるかの選択決定は,立法府の広い裁量にゆだねられており,それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱,濫用とみざるを得ないような場合を除き,裁判所が審査判断するのに適しない事柄であるといわなければならない。」と述べています。

 さて、最後に生存権に関してみなさまに問題を出して本コラムを閉めたいと思います。25条の生存権の法的性質については、どのような説があったでしょうか?お手持ちのテキストでぜひ確認・整理しておいてください。

では、最後にスガイより最後のメッセージをさせていただきます。

皆様が本試験で120%の実力を出せますように

最後まで応援しております!

また、伊藤塾行政書士では、志水講師、山田講師の応援メッセージを配信しています。そちらもぜひ聞いてくださいね。

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