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2004年12月 1日 (水)

第112回 成功の秘訣

 時は過ぎます。暑い夏が去ったと思えば、すぐに秋が来て、冬になり、そして新たな年が明けます。毎年同じことが繰り返されているようでも、人によってその意味はまったく違います。自分がそのような外界の変化にどのような意味づけを与えるかによって、環境の持つ意味は変わってきます。

 皆さんにとって、今年はどのような一年でしたか。思うとおりに過ごせて、成功だったという人もいるでしょう。いや、試験の結果が出せずに、あまりよい一年ではなかったと考える人もいるかもしれません。なんだか、去年と同じような一年だったなあと、あまり変化を感じられない人もいることでしょう。では、合格者はどのような一年を過ごしてきたのでしょうか。

 皆さんも、一度や二度は、合格者がどのような勉強方法をとったのかを聞いてみたり合格体験記を読んでみたりすることがあると思います。そして多くの場合、そこで語られることは、既に知っているようなことばかりです。「基本が重要です。」「入門講座をしっかりと復習しました。」「過去問が重要です。」等々。それだけかとがっかりする人もいるかもしれません。合格者は短期合格のすばらしい秘訣を持っていたわけでもなく、特別な才能に恵まれていたわけでもなさそうです。単に「当たり前のこと、言われたことを素直にやってきただけです。」という言葉に集約されるように、最後まで諦めずにコツコツと努力を積み重ねてきただけなのです。

 多くの受験生は、「なんだ、その程度のことか」と拍子抜けすると同時に、その程度のことすらやっていない自分に気づくはずです。勉強期間が長くなると、どうしても地道な努力よりも新しい刺激を求めてしまいがちです。合格者にあって未合格者にないもの、それは、短期合格の特別の秘訣や才能ではなく、必要なことを飽きずに諦めずに最後まで続けていく力です。このモチベーションの維持こそが合格の最大の要素であることに気づくと一気に合格が見えてきます。何をするかも大切ですが、どのようにそれを続けていくかの方がよほど重要なことだとわかります。合格のための勉強方法はそれこそ合格者の数ほどあります。合格答案の書き方もスタイルもさまざまです。問題はそれをどうやって自分のものにするかという一点につきます。テキストを読み直すにしても漫然と眺めるのと、高いモチベーションを持って意識して繰り返すのとではまったく意味が違います。

 惰性を断ち切って、新しもの好きの自分を捨てて、やるべきことを意識して徹底していくことができるかどうかで勝負は決まります。泥臭い日々の努力の積み重ねが結果を出すためには不可欠です。大事は小事の積み重ねでしかありえません。魔法の杖などないのです。今日、寝る前にもう一度、今何をしなければならないかを自分に言い聞かせてください。決断すること、そしてそれを実行すること。当たり前のことなのですが、それで一年の意味が変わります。

 時の流れに意味を与えるのは自分自身です。季節がめぐることをただ受け入れる方法もあるでしょう。生き方には惰性で生きる方法と、自分で決断して自律的に生きる方法とがあるのです。同じ事をやるにしても、両者では意味がまったく違います。先行き不透明で予測困難な時代だからこそ、自分の生きることに自分で価値を与えていくことが必要ではないかと思っています。