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2007年1月

2007年1月 1日 (月)

第137回 2007年 謹賀新年

 正月の東京は澄み切った青空と新鮮な空気で、いつもとは別の世界のようです。
 世界的に暖冬と言われるものの、この正月の凛とした寒さは身が引き締まります。もの悲しい静けさと感じるか、強さを秘めた落ち着きと感じるかは人によって違うことでしょう。

 昨日と同じように時間が過ぎただけなのに、新年は新しい気持ちになれます。これは人間の知恵でしょう。自然界は1月1日を基準に動いているわけでもなく連続しています。ですが、連続の中に人為的に不連続性を与えることで、気持ちを入れ替えることができます。

 勉強が思うように進まなかった人は、オールリセットにして、新たに計画を立て直します。昨年、試験の結果が思うようにいかなかった人は、このまま進むか、進路変更するか決意します。皆が、何かしら過去の自分を断ち切って新たな出発を図ります。

 昔は正月が来ても、別に何も変わらないからとあまり気にもとめませんでした。仕事の連続で忙しく、普段と何も変わらなかったので、特に感慨もなく普段どおりに過ごしていました。しかし、最近は、感謝の気持ちを確認する日にしています。

 自分の仕事に意味を与えてくれる塾生や社員、スタッフに感謝。
 この塾のカリキュラムの有効性を証明してくれた多くの合格者に感謝。
 憲法の講演依頼をしてくださる全国の市民の皆さんに感謝。
 私たちの平和な生活の礎としての憲法を生み出してくれた世界中の人々に感謝。
 非暴力運動や平和運動などを実践してこられた世界市民に感謝。

 特に、2004年6月に発足した「9条の会」の呼びかけ人の9人の皆さんには感謝とともに申し訳ない気持ちで一杯になります。最年長の三木睦子さんは1917年生まれ(ロシア革命の年で、ワイマール憲法制定前です。)89歳です。最年少の大江健三郎さんですら1935年生まれ(天皇機関説事件の年です。)で今年72歳になられます。皆さん、功成り名を遂げ、悠々自適の老後をすごせる方々ばかりです。それをさまざま批判や心ない誹謗中傷を受けることがわかっているにも関わらず、こうして名前を出され、高齢のお体にむち打って講演で全国を走り回っているのです。そのお姿に涙が出そうになります。

 私たちの憲法にはそれだけの価値があるんだということを本当に心からわかっているだろうか。口先だけで終わっていないだろうかと常に自分に問いかけています。私も自分が生まれたときから平和だった世代の人間です。戦争どころか、この国の安保闘争の歴史すら体験していません。

 今年は憲法施行60年。人間で言えば還暦です。これまでの歴史に感謝してもう一度、原点に戻ってその価値を認識し直す必要があるように思います。戦争の惨禍を経て、私たちの先輩は2つの大きな教訓を得ました。
 1つ目は戦争は絶対にしてはならないということ
 2つ目は、一人一人の個人が大切であり、けっして国家のための個人ではないということ。
 この2つの教訓を得るために流された血と涙を忘れたくありません。今、自分がこうして生きていられることに感謝して、今年一年、与えられた責任を果たしていきたいと思います。皆さんにとっても夢をかなえるために意味のある、よりよい一年であることをお祈りしています。