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2008年11月 3日 (月)

第159回 2つのサイト

10月26日、渋谷ではとんでもないことが起こっていました。公妨(公務執行妨害)による違法逮捕はこうして簡単に行われます。これが日本の現実であり、権力の実態です。法律家を目指す人はこのユーチューブの映像を見なければなりません。
http://jp.youtube.com/watch?v=3Uw701vV15U

さて、この日も私は、新浦安の旧司法試験の口述試験会場で早朝から応援をしていました。私にとっては25年間毎年の恒例行事ですが、ほとんどの受験生にとっては初めての経験です。緊張した表情の受験生を見ながら、本当に頑張ってほしい、ここまで来たのだからあと一歩最後まで絶対に諦めないでほしい―と強く願って声をかけていました。

それにしても数年前に勉強を始めたばかりの塾生が何人も合格しているのに改めて驚かされます。伊藤塾はやる気に満ちた本気の受験生が集まる場であることの証でもあり、とてもうれしく思います。きっと40年後にはこの中から最高裁裁判官や検察幹部が生まれるでしょう。そのときには先ほどの映像のような事態がおこらないまともな立憲民主主義国になるように願っています。

総選挙があると最高裁裁判官の国民審査が同時に行われます。最高裁裁判官は内閣が任命するため、どうしても内閣の政策に追随しがちです。政権交代があれば、最高裁の構成メンバーにもバラエティーが生まれてくるのでしょうが、これだけ特定の政治グループによる政権が続くと、どうしても最高裁にも一定の傾向が生まれてしまいます。そして、司法の担い手を行政が選ぶという点だけでも三権分立の観点から慎重でなければならないのに、そこで任命される人物が長く行政組織の長であった場合には大きな疑問が生まれます。

先月、竹内行夫元外務事務次官が最高裁裁判官に任命されました。外務事務次官在任中にイラクへの自衛隊派兵、米軍再編を押し進めた張本人です。名古屋高裁でイラク違憲判決が出た後にこうした人物を最高裁に送り込む政府の意図は明白です。

憲法を少しでも勉強したことのある受験生なら、公務員の労働基本権に関する判例が全農林警職法事件から大きく変わってしまったことを知っているでしょう。
政府が意図的に送り込んだ体制擁護の裁判官が増加したことによって最高裁判例が逆転してしまったのです。

行政訴訟において国の代理人をしていた検察官が行政事件を担当する裁判官になってしまう判検交流という制度もずいぶんと問題が指摘されましたが、今回のような人事も権力分立の趣旨からすれば大きな問題です。もちろん明確に憲法で禁止されているわけではありませんが、法の支配を徹底させようとした憲法の趣旨からは見過ごすわけにはいきません。

ただ、こうした状況を回避するためには、国民審査で当該裁判官にバツをつけることと、政権交代しかありません。憲法は一つ一つの裁判に国民の多数意思を直接反映させて人民裁判になってしまわないように、国民からもっとも遠いところに裁判官を置いてその身分を保障しました。

確かに司法権は国民の多数意思からも独立していなければなりませんが、同時に独善に陥ってはなりません。ましてや政治権力を憲法の観点から監視する任務を負っている最高裁の人事に政治的な意図が露骨に入ってしまうようでは、司法権の独立も権力分立も、そして違憲審査権も画に描いた餅になってしまいます。国民審査は憲法が認めた主権者による大切な意思表明の場です。選挙と並んでもっと国民の大きな関心事とならなければなりません。

皆さんも以下のサイトをみて是非、この国民審査に注目してください。
http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/08.10.27takeuti.pdf

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