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2009年9月

2009年9月 3日 (木)

第169回 弱点分析

今回の総選挙における70%近い投票率、劇的な結果は、国民の主体的な意思によって国も変わりうるという民主主義の原点を実感させてくれました。ただ、全国民の代表であるはずの候補者のほとんどが各自の選挙区において「皆さんの代表として、地域の代表として頑張ります」と声高に叫ぶ姿は、この国の憲法レベルがまだまだ発展途上にあることを示していました。

また、どんな勝負ごとでも徹底した敗因分析をしないと先がないこともよくわかりました。自公政権は一昨年の参議院選挙で敗北し、今年7月の都議選で大敗したにもかかわらず、真剣な敗因分析をせずに、総選挙に突入して自滅しました。
いわば過去2回の失敗の経験が何も生かされなかったわけです。

今回、小選挙区で競り勝った自民党議員の中には、これまでの自民党の過ちを率直に認めた上でどう対処するべきかを有権者に訴えていた候補者が多かったように思われます。民主党をネガティブキャンペーンで攻撃するだけで得票できると考えていた与党幹部は、有権者が求めていたものを察知できなかったことになります。これは国民代表としては致命的です。また、選挙運動において名前を連呼することによってどんな効果を得ようとしていたのかもほとんど意識されていないようでした。

勝負における戦い方は、敵を知り、己を知ることによって決まります。そのときに自分の弱点を直感的に察知して、それを克服しようとしてもほとんど意味がありません。敵すなわち、何が求められているかによって、自分の弱点は変わってくるのです。選挙でも国民が何を求めているのかを真剣に考えなければ負けるのは当然です。試験で残念ながら不合格になったときに、自分の弱点分析は不可欠ですが、その前に試験で何が求められていたのかを徹底的に分析して、合格の要件を明確に自覚しなければなりません。抽象的に自分の弱点を補強しようとしてもほとんど無意味です。

自分の弱点は求められているものとの関係で決まります。求められているものが明確になり、その要求水準まで自分の力が到達していないときに、それは初めて弱点となり、克服が必要な対象となります。試験勉強においてすべての出発点は目標設定なのです。何が求められているかを明確にして、到達すべきレベルをしっかりと意識して、その目標に向けて日々の学習を積み重ねていく。どの力をどこまで伸ばすかを明確に意識して勉強を重ねなければ、単に時間を浪費するだけで終わってしまいます。勉強は到達すべき目標と、獲得すべき効果を意識して努力を積み重ねなければ意味がないことを再度、確認してください。

講義を3時間聴いた、問題を10問解いた、テキストを20頁読んだ。これらは時間を何に使ったかを言っているだけで、それがそのまま勉強になるのではありません。講義を聴く際に、何を意識して聴くかによって得られるものはまったく違ってきます。理解のために聴くのか、知識の定着のために聴くのか、考える素材として聴くのか、未知の問題への対処法のヒントを見つけるために聴くのか。人によって求めるものは皆違い、得られるものもそれぞれなのです。

合格発表を残念な結果で迎えたときの対処の仕方がとても重要です。次の勝ちにつながるような負け方をしなければなりません。改めて明確な目標設定と弱点分析、そして効果を意識した勉強を徹底させてください。結果は自然についてくるはずです。