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2010年1月

2010年1月 2日 (土)

第173回  2010年 謹賀新年

今年は韓国併合100年にあたり、北東アジアでの日本の立ち位置が改めて検証される年になります。そういえば民主化運動の悲劇、光州事件から30年。今年の韓国スタディツアーではぜひ訪問したいものです。

そして日米安保50年を迎え、密約問題や普天間問題を通じて、日本の安全保障と日米関係のあり方を問い直す年になります。こうした問題も私たちが主体的に自分のこととして考えなければならない時期が来ています。夏の参議院選挙の結果次第では、民主党への権力集中がさらに進み、国民による監視がより必要になるでしょう。

こうした大きな政治の流れの中で法律家へのニーズも高まっていきます。貧困と格差の中で市民に寄り添って一人一人の生活再建を手助けする弁護士、司法書士などの法律家の役割はこれまでにも増して重要となります。また、厳しい経済環境の中で企業再編がより進み、それをサポートする法律家が多く求められています。企業法務の世界ではこうした専門分野で活躍できる法律家がまだまだ少ないのが現状です。

行政官の役割も、政治主導となった民主党政権下で事務次官会議が廃止されるなどして、大きく変わってきました。無能な政治家のための答弁作成に代表されるような無益な業務をなくし、本来の政策立案能力を発揮して政治家のビジョンを具体化していく。そこでは法律を使いこなす能力が不可欠ですから、これまで以上にロースクール出身者の官僚転出も増えるでしょう。

そして、本当の意味での地方の再生にとって、担い手である地方公務員の能力は喫緊の課題です。国家 I 種、地方上級にダブル合格していながら、地方公務員として頑張るというくらいの気概のある、そして真に法律を理解して実務能力のある行政官が地方でももっと増えなければなりません。

そしていよいよ旧司法試験は最後の年を迎えます。昨年もロースクール志願者が9000人台に落ち込んだにも関わらず、18000人が旧司法試験合格を目指しました。
法律家の多様性を確保するためにも来年から始まる予備試験枠は拡大されなければなりません。塾としても単に予備試験対策講座を充実させて受験生の皆さんのニーズに応えるだけでなく、法曹養成のあるべき姿として予備試験枠拡大を積極的に政治家にも提言していきます。

さて、こうした時代の要請に応えていくには私たちはどうしたらよいでしょうか。
目的意識を持つこと。そして何よりも何のために法律を学ぶのかをより明確にすることが必要だと考えます。ここ数年の日本では「自分さえよければ」という発想が多くの破綻を生み、今の不況や格差を生み出したことは言うまでもありません。法律家や行政官を目指す者がそんな考えで合格できるはずがありません。

むしろ積極的に「人のために」「社会のために」という利他的な心が自分の可能性をひろげます。社会に必要とされていれば必ず、その人は社会で活躍するような役割を与えられます。そのためにはまず、人のために役立ちたいという強い思いを持たなければ何も始まりません。

暗い話題が多い世の中だからこそ、一人でも多くの人が人の役に立ちたいと願い、行動することでマイナス方向のスパイラルがプラス方向へ変わっていくはずです。
法律家や行政官を目指す者はその先頭に立たなければなりません。それが、法律を学ぶ機会と能力に恵まれた者の責任です。

私たちもそんな皆さんを応援し続けます。今年もまた一年よろしくお願いします。