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2011年3月

2011年3月 3日 (木)

第187回 高い志

先月23日に最高裁判所大法廷で弁論をしてきました。1人1票実現裁判です。
升永英俊弁護士、久保利英明弁護士とともに合計70分間、15人の最高裁判事を前に我々の主張を展開してきました。

そもそも大法廷が開かれること自体が年に数回のことであり、そこで傍聴席が満席になることもそうそうあるものではありません。
塾生の方々をはじめ多くの皆さんが関心を持って下さっていることの証であり、15人の判事にも国民の鋭い視線が注がれていることが十分に伝わったことと思います。

155席の傍聴席に入れず抽選で漏れてしまった方も多く大変に申し訳なく思っています。
ですが、皆さんのその思いが必ずや日本を真の民主主義国家にすると確信しています。

法廷では、この問題の一番の責任は裁判所にあること、そして最高裁判所判事としての職責を果たしてほしいと強く訴えてきました。国民としても、憲法が「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」(12条前段)と規定するように、自ら、主権者としての責任を果たさなければなりません。

裁判官に「清き1票が0.2票ではオカシイ」という国民の常識を知ってもらうため、そして、最終的には国民審査で1人1票に賛成しない最高裁判事を罷免するためには、国民運動が不可欠です。

まずは自分の1票が実は何票の価値しかないのかを知ること。これは一人一票実現国民会議のホームページ(http://www.ippyo.org/)の1票チェックで確認できます。そして国民審査権が参政権であることも知ってもらわなければなりません。そして毎週日曜日21時からのツイッターに#ippyoをつけて参加してください。

アフリカ、中東では理不尽、不条理に耐えきれなくなった国民が変革を求めて声を上げ、命をかけて闘っています。日本ではツイッターなどの平和的な手段で命の不安を感じることなく自由に発言できます。なんと恵まれていることでしょう。
これは表現の自由を保障する憲法があるからです。まがりなりにも国家権力を拘束する憲法が機能しているからです。

せっかくすばらしい憲法を持っているのですから、もっとこれを活用して国民は自らが主権者であり主人公であることを主張するべきです。先日、アフリカ仏語圏から平和構築のために日本に来ているエリート公務員のために憲法の研修を担当しました。本国では内戦や戦争が絶えません。多くの女性や子どもたちが犠牲になっています。そんな悲惨な現実を知っている彼ら彼女らが、日本の平和憲法に深く感動すると共に、なぜ米軍基地がこれほどあるのか、1票がこれほど不平等なのかに疑問を持っていました。鳥取県民の1票に比べて神奈川や大阪、兵庫、北海道の方は0.2票分の価値しかないのですから、これは投票箱5箱のうち4箱捨てられているのと同じ状況です。日本は民主主義と胸を張るのが憚られました。

ですが、武器を手に取らずとも民主主義を実現できます。憲法の力を使って実現できるのです。これはすごいことです。そのためにもぜひ皆さんにしっかりと憲法を学び実践してもらいたいのです。憲法は単に試験科目にとどまりません。

新たに法律家をめざして塾に入られた方も大勢います。この訴訟で高松高裁を担当している植松浩司弁護士は社会人受験生でした。塾生として憲法の講義を聴いていたときには、塾長と一緒に仕事ができたらいいなと夢見ていたけれど、まさか最高裁大法廷で塾長と同席できるとは思ってもいなかったと感動していました。

皆さんの夢はなんですか。
弁護士、司法書士、裁判官、検察官を問わず、法律家に必要なものは高い志です。最後まで一緒に頑張りましょう。

関連リンク: 「2009年8月衆院選 違憲無効訴訟」2011/2/23最高裁大法廷 口頭弁論報告(伊藤塾ホームページ)