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2011年7月

2011年7月 8日 (金)

第191回 アジア

中国共産党創建90周年の記念行事が盛大に行われました。
農民などの社会的弱者のための政党が巨大な国家をつくりあげ世界第2位の経済大国にまで引き上げたのですから、これはすごいことです。経済発展にとって権力分立や民主主義が不可欠の制度ではないことを雄弁に物語っているかのごとくです。
しかし、国家の繁栄の陰では、当然に矛盾も起きています。貧富の差や、官僚の腐敗、強制立ち退きなど社会矛盾、物価高騰などを原因に庶民の間に不満が生まれ、中国各地で大規模デモや暴動が相次いでいるようです。
また、人権や民主主義を擁護しようとする弁護士が拘束されたり、行方不明になっています。

人権、民主主義という基本的価値を共有できない国を信頼することはできないとして、中国を旧ソ連に代わる仮想敵国として想定し再軍備を主張する人たちもいるようです。
確かに中国海軍とフィリピン、ベトナムとの緊張関係は注視しなければいけない事態のひとつです。
しかし、現時点において価値を共有できない部分があるとしても、日本は何としても中国を含めたアジア近隣諸国との良好な関係を将来にわたって築いていかなければなりません。
経済面のみならず、安全保障面でもアジア諸国全体での集団安全保障体制を構築することが、各国の発展にも寄与するはずです。

一緒に一人一票実現訴訟をしている黒田健二弁護士は中国ビジネスローのエキスパートですが、彼の著作『人治国家中国のリアル』(幻冬舎)を読むと、法治国家というにはほど遠い中国の実態がよくわかります。
「人治から法治へ」というスローガンのもとで、近代法治国家の建設を進めているとされる中国ですが、その実態は相当厳しいものがあるようです。
しかし、だからこそ、中国の法制度や裏事情を知り尽くした専門家が企業にとっては必要となるのです。
中国の実態を理解し対応できる日本人弁護士は黒田弁護士などのごく例外を除いてほとんどいません。インドネシア、ベトナムなどについてはもっと少ないと言ってよいでしょう。

これだけ日本経済にとってアジアが重要になっているにも関わらず、それを法的側面からサポートできる弁護士がいないのです。
黒田弁護士は天安門事件の際に中国留学中でしたが、当時は日本のバブルを助長するような弁護士の仕事がいくらでも日本にありましたから、日本を出て中国に留学するなどよほどの変わり者とみられたようです。
周りの人たちからは中国行きを例外なく反対されたそうです。
しかし、人と違うことをやろう、人がまだやっていないことをやろうという信念のもと、中国で苦しい留学生活を送りながら、中国語をマスターし、今は中国ビジネスローの第一人者です。

みんなと同じことをやっていたのでは、チャンスはつかめません。
人は皆、違っていい、むしろ人と違うことがすばらしいという憲法13条の個人の尊重の理念を自ら実践することが、自らの可能性を広げ、人生を豊かにすることにつながるのです。

5月から始めたベトナムフォーの店「ハノイのホイさん」では、ベトナム人留学生6人を始め多くの外国人留学生が働いています。
外国に出てチャンスをつかもうとするアジアの学生は皆輝いています。
皆さんも弁護士や司法書士になって活躍する舞台を広げるため、もっとアジアに関心を持ってみませんか。
先日、韓国スタディツアーに行ってきましたが、私にとってもまだまだ勉強になることばかりでした。
7月には昨年の旧司法試験合格者有志が自分たちで企画した台湾スタディツアーを実施します。すばらしいことです。
9月には誰でも参加できる中国ツアーも行います。皆さんの活躍の舞台は無限です。期待しています。