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2011年10月

2011年10月 4日 (火)

第194回 合格後を考える

伊藤塾でゼロから勉強を始めて、3年で司法試験に合格された方の体験談を聞きました。他学部、社会人出身です。基本(基礎マスター)を何度も何度も繰り返して徹底させたこと、しんどくても最後まで絶対にあきらめないことなど、貴重な話でした。

伊藤塾では、最短最速合格をめざせと指導しています。そこには2つポイントがあります。
1つは、最短最速の意味する実際の期間は人によってみな違うということです。ゼロから始めて3年で司法試験に合格する人、1年で司法書士試験に合格する人もいます。また、仕事を続けながら自分のペースで勉強し何年かかけて合格していく人もいます。真剣に試験と向き合って努力していれば、誰もが自分にとって、もっともいい時期に合格することになっているのですから、この点はあまり心配いりません。

2つめに重要なことは何のために最短最速合格をめざすのかという点です。弁護士であれ、司法書士であれ、行政書士であれ、行政官であれ、実務の世界では法律など試験勉強で身に付けた知識はもちろん重要ですが、それは必要なことのほんの一部にすぎません。法律実務家、行政実務家として現場で活躍するためには、試験科目以外の法律や税務・会計の知識、コミュニケーション能力、事件関連の専門知識、語学、リーダーシップなど、多くの知識や経験が必要となります。これらを合格後に身に付けなければなりません。

つまり合格後に学ばなければならないことが山ほどあるということです。試験勉強などさっさと片付けてしまって、こうした多くの必要な学習と経験に時間を使ってもらいたいのです。そのための最短最速合格です。合格後にどのような活躍をしたいのかをしっかり考えることは、勉強のモチベーションにもつながります。
そのために時間を使うことはけっして無駄なことではありません。

この10月から始まる一橋大学法学部の授業「法律家と現代社会」のコーディネートに協力し、15コマのうち私も4コマを担当することになりました。弁護士、裁判官、検察官、国際公務員など法律実務の最先端で活躍している方々から話を聞き、学生たちが自らのキャリア構築のきっかけをつかむための講座です。先日、この講座を企画された一橋大学法学部長、法学研究科長であり、法科大学院長でもあった村岡啓一教授が渋谷の伊藤塾を訪ねてこられました。

その際、なぜ一橋大学法科大学院の司法試験合格率が常に全国トップレベルなのかが話題になりました。一橋大学法科大学院では、創立以来、職業倫理を正面から扱っていること、それぞれの分野で10年後のリーダーたることをめざすという指導理念があることを知りました。まさに「合格後を考える」の実践です。伊藤塾の合格実績とともに、これが単なる精神論ではないことが実証されたようで、とても力強く感じました。

伊藤塾には明日の法律家講座明日の司法書士講座明日の行政書士講座、行政書士実務開業講座(仮称・2012年春開講予定)、そして中国、韓国、沖縄へのスタディツアーなど、合格後を考えるプログラムが多数あります。それぞれ個性的な講演者の方々の有意義な話が聞けますし、ツアーでは、とても1人では見学できないようなところを訪問したり、また会うことができないような方々の話が聞けたりして楽しくも意義深い旅行です。

今の時期にしか経験できないことを経験しておくことは、皆さんの将来の可能性を大きく広げるものと信じています。より多くの方に参加してもらいたく思います。毎日の一歩一歩の勉強の積み重ねはとても大切ですが、同時に、合格後というゴールをしっかりと見据えて前に進むことも忘れないでください。