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2013年1月

2013年1月 4日 (金)

第209回 謹賀新年


私はこれまでどちらかというと少数派を応援してきました。
そんなこともあって司法試験予備試験受験生を応援しています。
すばらしい法科大学院もありますし、熱心な教授もいます。
ですが、法律家になる道は複数あっていいと思いますし、いつどんなルートで法律家になるかは自分で決められる方がよいと考えています。
受験生の選択肢が増える予備試験はその点で評価できます。

昨年は予備試験合格者が初めて司法試験に挑戦し、どこの法科大学院よりも高い合格率をあげました。
これにより、予備試験が法律家への確実なひとつのルートになりうることが証明されました。
伊藤塾出身の合格者がダントツの合格実績をあげてくれたことはとても嬉しい出来事でしたし、私たちの数年にわたる周到な準備が実を結んだことの証であり、正直ほっとしました。

他の受験指導校では見向きもしなかったこの予備試験に、4年前から、絶対に有利だから、ぜひ今から準備して挑戦してほしいと訴えかけてきたことが功を奏したと思っています。
どんな問題が出るか、何人受かるかも不明で、予備試験に受かっても司法試験に合格するかどうかもわからず、そして何より、司法試験に受かったとしても実務の世界からどう評価され就職に有利か不利かもわからない段階の話です。
それにもかかわらず、伊藤塾の塾生は素直に私たちの言葉を信じて懸命に努力してくれました。

結果が保障されないことに打ち込んで努力を続けることは本当に難しいことです。
不安に怯えながら、気持ちで負けそうになる自分とも闘いながら、いくつもの壁を乗り越えていかなければなりません。
ですが、伊藤塾にはそうした不安をエネルギーに変えることができるすばらしい塾生がたくさんいたのです。
私は本当にこのことを誇りに思います。

受験の世界だけではありませんが、結果が保障されないことに向かって懸命に努力することが求められることがあります。
裁判実務の世界もそうですし、ビジネスの世界も政治の世界もそうでしょう。
およそ私たちが生きている社会は先のことは予測できません。
予想外のことを想定するといいますが、本当の意味では未来は予測などできません。
何が起こるかわからないと覚悟しておいた方がいいのが私たちの人生です。

試験勉強の過程で、結果が保障されないことに向かって努力することを経験しておくと、何事に立ち向かうのも怖くなくなります。
そして、その努力の結果、それなりの成果を得られるようになります。
これはどんな試験でも真剣に向き合うのなら同じように得られる効能です。
法律を勉強して法律知識を身につける以上の成果といってよいでしょう。

この一年もどんな年になるかまったく予測もつきません。
違憲状態のままで行われた昨年末の総選挙の結果、国会議員は圧倒的に改憲派が占めることになりました。
日本が正規の軍隊を持ち、米国と共に戦争ができる普通の国になる話も現実味を帯びてきました。
憲法の価値が大きく揺るがされる年になります。
だからこそ自分自身の価値基準をしっかりと持って、何が起こっても堂々と対処していけるようにしたいと思います。
不安に負けることなく高い志をもって頑張り続ける塾生を今年も最後まで応援していきます。
今年もよろしくお願いします。