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2013年5月

2013年5月 3日 (金)

第213回 志

試験の直前は、誰もが緊張します。不安や重圧に押しつぶされそうになります。
そんなときほど、自分の与えられた使命を考えてみましょう。
志を見つめてみるということです。
志を深く考え、それを実践することを強く思うのです。

緊張、不安、ストレス、重圧―これらはすべて実務家になったときに誰もが経験することです。
私も講演で、最高裁の大法廷で、そして改憲派の政治家を前にして緊張することもあります。
しかし、適度な緊張は力になります。特にテレビ出演したときなど、自分の一言が数百万人の視聴者に届くとなるとうかつなことをいえないという思いから、重圧を感じることもあります。
しかし、どんなに不安や緊張を強いられようと、一瞬一瞬を懸命に過ごすしかないのです。
そして自分の知らないうちに、その緊張の時間は過ぎていってしまいます。

実務の現場に出ると、重圧に負けそうになる自分を騙し騙し過ごしていかなければいけない場面に遭遇します。
そのときに、受験時代にこうした緊張やストレスをうまくやり過ごす訓練をしてきた人間は、強みを発揮します。試験前の緊張は実務の現場に出てから活躍するための試練なのです。そう考えれば、試練に挑戦する場が与えられたことに感謝の気持ちが生まれるはずです。
逃げるのではなく立ち向かうべきだとわかるはずです。
普通に生活していると、このように自分を鍛える場はなかなかありません。本気で受験に挑戦しているがゆえのことです。

私たちは、「自分の存在」と「ときの流れ」という不可解なものを自分の中で納得させて、人生を生きていきます。
なぜ自分はこの世に生を受けたのであろうか。なぜこの時代の日本に生まれたのだろうか。何か理由があるのであろうか。
そんなこと、考えてもわかるはずがないのですが、それを考えてしまいます。
何かの理由を見つけだしたくなるのは、まだまだ未熟だからなのでしょう。自分の人生をそのまま受け入れることができれば、そんなことは考えないのでしょうが、どうしてもそうした意味を考えてしまいます。何も考えずに生きることができるほど勇気がないのです。

そして、自分の役割を見つけ、それを果たさなければと考えてしまいます。
使命、志を考えてしまいます。
実はこうしたことを考える方が楽に生きられるからなのです。
それは、目の前の具体的な課題に押しつぶされそうになったとき、その課題よりも、もっと大きな理念、志、宇宙を想起すると目の前の出来事が小さく見えてきます。目の前の問題に一喜一憂することの愚かさが見えてくるのです。これはある意味で現実逃避なのかもしれません。
ですが、自分の気持ちをコントロールする技術としては結構、有効です。

こうして不安や重圧を意識しないで、一瞬一瞬を懸命に過ごす技術を身につけることができるようになると、これを様々なストレスをコントロールする技術としても応用できるようになります。
いやなことや、悔しいこと、後悔するようなことをいつまでも引きずらないで済むようになります。
忘れる技術です。

どんな出来事も、どんな人との出会いも、自分に必要だから自分に起こるのであり、それには必ず意味があることがわかります。
もちろんそのときにはわからなくても、数年後に理解できるようになります。
だから心配いりません。どんなことがあっても大丈夫、最後はきっとうまくいく。そう自分を信じることです。
信じることができるほどに日々淡々と努力していればいいのです。頑張りましょう。