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2014年2月 3日 (月)

第222回 諦めない

1月19日に行われた沖縄県名護市の市長選挙で、現職の稲嶺進氏が圧勝しました。
稲嶺市長が4年前に初当選した後、政府は名護市に対する金融支援を減らしていましたし、今回も自民党は名護市に手厚い補助金を用意していました。しかし、名護市民には通じませんでした。

次の世代に負の遺産を残さないために反対するのか、それとも振興策、簡単に言えばお金をもらうために賛成するのか。安全か豊かさかの選択を迫られました。
私なら安全で豊かな生活を望みます。こうした選択を国が迫ること自体が間違っています。理不尽極まりないことです。

昨年末には仲井真沖縄県知事が辺野古埋め立てを承認してしまいました。現地では号外が出るほどの衝撃的事件でした。これからどうなるかと多くの沖縄県民は感じたと思います。そんな中での名護市長選挙でした。名護市民は一歩先を見据えて自らの意思で判断しました。政権党が懸命にお金で誘導したにもかかわらず、揺らぎませんでした。沖縄は本土復帰の際に、憲法を勝ち取る闘いを行ってきました。その闘いは現在でも続いているのです。

昨年末には特定秘密保護法が成立しました。2年前の雑感でも紹介し問題点を指摘し続けた法律です。国民が情報を得られなければ主権者として意思決定できなくなります。官僚が秘密を握り、国民が主体的に行動できなくなる恐れのある法律です。多くの国民、メディアが反対しました。それにも関わらず、強行採決されてしまったために、反対運動を積極的に行っていた市民の中には、相当、がっかりしてしまった人もいたようです。

市民向けの講演などでも、よく「これからどうしたらいいでしょうか。」という質問を受けます。
私はいつも「大切なことは気落ちしないこと、自分のやってきたことについて無意味だったと勝手に否定的な意味づけを与えないことです。」と答えています。これからも反対運動を続けていかなければなりません。こうした運動をしていると、結果が思わしくないときにすぐに諦めてしまう人がいます。もったいないことです。

そもそも、自分の思うとおりに世の中を動かすことはそう簡単ではありません。
私が行っている1人1票運動も思うように進まないことがあります。ですが、民主主義を実現しようという運動は、気が遠くなるほどの忍耐が必要なことがあるのです。ネルソン・マンデラ氏は、30年近く獄中で過ごしていますが、「達成するまで、それは不可能に見える」という言葉を残しています。ちなみに彼も弁護士でした。アウンサンスーチー氏は20年以上軟禁状態で自由を奪われていました。
国の民主化や人権もそう簡単には進みません。2010年にチュニジアから始まったアラブの春と呼ばれる民主化運動はまだまだ混迷を深めています。アメリカですら、公民権条項を憲法に規定したのが1870年、キング牧師による公民権運動でそれが実現したのは100年近くたった後です。民主主義や人権はその理想を実現するのに、相当の覚悟が必要だということです。理想を実現するのは大変なことです。
ですが、先人たちがそれを続けてきたからこそ、今日の私たちの生活があるのです。

最後まで諦めないことは大きな力になります。忍耐と続ける力は何事を成し遂げるに際しても重要なことです。私たちは日々の勉強を通じて、さまざまなことを学ぶことができます。その中で、もっとも重要なことは、自分の理想を掲げてそれに向かって努力を続けるということです。

市民運動も、たとえ短期的に結果が出なかったとしても、続けていくことによってそこで積み重ねられた事実が後に大きな力になります。理想に向かって努力してきたことで、無駄になることは一切ありません。勉強も同様です。努力する過程にも大きな意味があるのです。
最後まで諦めずに頑張っていきましょう。