伊藤塾おすすめリンク

  • お問い合わせ・受講相談
    伊藤塾各校舎へのお問い合わせ先、アクセスのご案内です。 お気軽にお電話・来校ください。
  • イベント
    ガイダンスや無料体験講義に参加して塾の特長や講座内容、担当講師、試験制度等をより深く知っていただくことができます。
  • メールマガジン
    定期的に学習に役立つ内容を発信しております。
  • 書籍案内
    皆さんの学習に、あるいは学習の合間に。本物の法律家になるために一度は読んでいただきたい書籍が揃っています。

『読むだけで勉強になる!』メールマガジン

Img20200207092216769559


  まずはサンプル版をご覧ください!https://www.itojuku.co.jp/magazine/komuin_sample.html

2021年3月24日 (水)

公務員志望者のための経済知識講座(5) ~論文試験や仕事に役立つ経済知識~

Event004l


『税金の役割(なぜ税金を支払わなければならないのか)①』

今回のテーマは、税金です。
今回からは、公務員の論文試験でもよく出題される「税金の役割」について基礎から説明していきたいと思います。

まずなぜ国民は政府に税金を支払わなければならないのかについて説明します。これに関しては2つの考え方があります。

第一は利益説です。これは、政府は国民に対して各種の公共サービス(水道、ごみ収集、治安維持等)を提供しているため、このサービスに対する支払いとして国民は政府に税金を支払うというものです。またこの利益説からは、公共サービスの受益に応じて税金を支払うべきであるとし、これを応益課税原則と呼びます。例えば水道料金はこの応益課税原則に従い使用量に応じて料金が徴収されています。しかし治安維持等に関しては応益課税はなされていません。

第二は義務説(能力説)です。これは、国家は家族のような生活共同体であり、国民は共同体の一員として政府に資金を拠出する義務があるというものです。家族がみんなの生活費をその能力に応じて出しあうように、国民もその能力に応じて税金を出しあうべきとし、能力説とも呼ばれます。すなわち所得の低い国民は少なめに、所得の高い国民は多めに税金を支払う義務があり、これを応能課税原則と呼びます。日本では憲法で納税を国民の義務と明記しています。また所得税は累進課税であり、所得(能力)が高いほど税率が高く、支払う税金が多くなっています。このような理由で国民は税金を支払う義務があるのです。

次に政府が国民に課税するときに守るべき原則があり、3つの租税原則があります。第一は、公平性原則です。これは、税金は国民に公平に課さなければならないというものです。そして公平性には、水平的公平性と垂直的公平性の2つがあります。水平的公平性とは、所得(能力)の等しい国民には、等しい額の税金を課すべきであるというものです。垂直的公平性とは、所得(能力)の異なる国民には、その能力に応じて異なる額の税金を課すべきであるというものです。所得税の累進課税が正当化される根拠は、この垂直的公平性にあります。第二は、中立性原則です。これは、税金はなるべく国民の経済活動を阻害しないように課すべきであるというものです。第三は、簡素原則です。これは、税金は複雑ではなく簡素に国民にわかりやすいように課すべきであるというものです。

次回は税金の種類について説明します。


伊藤塾講師 青野 覚

2021年3月17日 (水)

公務員内定者に聞く!民間企業の就活について

Event027l


■予定進路先:総合職 外務省
大学3年次に教養区分で最終合格できたこと、就職浪人や大学院進学を避けたかったことなどの理由から、民間就活にも取り組んでいました。あくまでも国家公務員が第一志望であったため、民間企業のインターン等に参加したということはありませんでしたが、公務員になれなかった場合でも公益のために働けるであろうと考え、新聞社と政府系機関を受験しました。
伊藤塾では国家総合職ゼミで、3年生の早いうちからグループワークや政策論文の練習を繰り返していたため、特に新聞社の一次選考で課されるディスカッションや小論文試験にも自信をもって挑むことができました。また、教養区分の2次試験で実施される人事院面接を突破した経験から、民間企業の面接でも緊張せずに、準備を整えたうえで臨むことができました。その結果、最終的に辞退はしたものの、内々定もいただくことができ、本番である官庁訪問に向けての安心材料や自信の源となりました。さらに、民間企業の選考は官庁訪問の時期よりも早いので、自己分析や面接練習に早い段階から取り組むことができ、官庁訪問に向けてよりブラッシュアップした状態で臨むことができる点もメリットでした。

■予定進路先:国家一般職 中央省庁
公務員試験がダメだった場合の滑り止めで民間の就活も少ししていました。民間就活も最近は早期選考の流れがあるため、公務員試験の結果が出てから受けても有名な企業等は採用終了になってしまうと思ったことも、民間企業を公務員試験と併行して受けた理由のひとつです。
実際にきちんと選考を受けたのは1社のみですが、公務員試験の対策をしていたおかげで社会問題に関して面接で意見を聞かれた際にもきちんと答えることができました。また、SPI などの WEB テストについても公務員試験対策をしっかりとやっていたため、特別な勉強をすることなく通過することができました。

■予定進路先:某県庁
民間の就職活動も行ったのは、最後まで進路に迷っていたからです。
公務員試験に集中した方が良いという意見もありますが、民間企業と公務員を比較検討することで納得のいく進路を実現できたと思っています。
少子高齢化によって生産人口が減少していくという課題に対して、物流が果たす役割に意義や魅力を感じたからです。
公務員試験対策の中で民間就活に活きたと感じたのは、経験作りです。伊藤塾のゼミで「勉強は追い込みができるが、経験作りは追い込みができない」と講師からアドバイスをもらっていたため、早くからボランティアやインターンなど様々な経験をしていました。その結果、自己PR やガクチカなどの王道質問に対する答えを、苦労することなく考えられました。また論理的な話し方や、受け答えの方法などをゼミで身につけられていたことも役立ったと思います。
民間就活の経験の中で、公務員試験に活きたと感じたのは役員面接です。民間企業の最終面接では企業の役員の方が面接をしてくださることが多いのですが、役員の方からの質問はやはり鋭いものが多く緊張します。おかげで県庁の面接では全く緊張することなく、リラックスして受け答えができたと思います。

2021年3月13日 (土)

「面接カード」を書いた後のこと

Event021l


「面接カード」は、書いて終わり!ではありません。書き終わった後で、自分の書いた内容について「想定問答」を考える必要があります。

一つ、例を挙げてみましょう。ある人が、次の問に対して、このように書いたとします。
【問】
あなたが、学業で最も力を入れたことはなんですか。
【答】
在籍する法律学科で刑法ゼミに所属し、数人のグループに分かれ、毎回テーマを設定し交代で発表をおこなっています。発表のための準備として、判例や論文を収集し論点の整理をおこない、わかりやすい発表になるよう工夫をこらしています。

こんな質問が想定されます。
(1)そもそもなぜ「法律学科」を志望したのか。
(2)「刑法ゼミ」を選んだ理由は何か。
(3)発表するグループの中で「グループ長」などの役職はあるか。(自分がグループ長である場合)グループ長になったのは自薦か他薦か。(役職がない場合は)あなたはグループの中で主にどんな役割を担っているのか。なぜ、そうした役割を担うことになったのか。
(4)発表の「テーマ」は教員が指定したものか、自分たちで決めるのか。(自分たちで決める場合は)どのようにしてテーマを決めたのか。
(5)どんなテーマで発表をおこなったのか。(自分たちで決める場合)なぜそのテーマを選んだのか。
(6)何回、グループで発表をしたのか。
(7)特に印象に残るテーマは何か。なぜ印象深いのか。
(8)発表の準備にどの程度の時間をかけたのか。資料の調査収集、論点の整理・考察、発表資料の作成、に各々どの程度の時間を使ったか。また、資料を集める際に気を付けたことはあるか。
(9)資料の調査収集、論点の整理・考察で難しかったことはあるか。どのようにしてその困難を乗り越えたか。
(10)グループ内で、意見の対立や行程上の不具合などはあったか。あった場合、それをどう調整したのか。あなたはそこでどんな役割を果たしたのか。
(11)「わかりやすい発表」にするために、具体的にどんな工夫をしたのか。
(12)自分たちの発表について、指導教員や他のゼミ員から、どんな評価や指摘を受けたか。問題点を指摘された場合、それにどう対処したのか。
(13)前回の自分たちの発表について「反省会」のようなものをしたか。そのことをどう生かしたか。
(14)ゼミの経験を通して、どんなことを学んだか。それは今後にどう生かせるか。

ざっとこんな質問が予想されます。これらの質問を見て、それぞれにどう答えるかを考えるわけです。「想定問答」を検討すると、「これはかなり訊かれそうだから、面接カードに書いておこう」とか「この点をもっと具体的に書こう」とか、面接カードを修正することもできます。

面倒に思うかもしれませんが、「良い面接カード」を作り、訊かれる確率が高そうな質問への回答を考えるのは、面接対策としてとても重要です。

2021年3月10日 (水)

公務員志望者のための経済知識講座(4) ~論文試験や仕事に役立つ経済知識~

Event004l


今回のテーマは、前回の続きで、以下になります。

テーマ1 望ましい経済の仕組みとはなにか(結論)
最初に経済において重要な課題は大きく2つあることを示しました。
1つは、いかに社会全体を豊かにしていくかという問題(資源配分問題)。そしてもう1つは、貧困を撲滅するにはどうしたらよいか。あるいは貧富の格差をどのように縮小させるかという問題(所得分配問題)。またこの2つの問題は、同時に解決することが難しく、経済を考えるうえで重要な2大テーマであることも言及しました。さらに市場経済(資本主義経済)は、社会全体を豊かにしていくことを優先させる経済の仕組みであり、計画経済(社会主義経済)は、貧富の格差をなくすことを優先させる経済の仕組みであることも言及しました。そして歴史的に資本主義経済では、貧富の格差をなくすことを重視する福祉国家と社会全体を豊かにしていくことを重視する市場原理主義(新自由主義)が現れたことを示しました。

以上を踏まえて「望ましい経済の仕組みとはなにか」について私なりの結論を示したいと思います。資源配分問題と所得分配問題は、どちらも重要であり、どちらかに偏る考え方は誤りだと思います。まず資源配分問題で重要なのは、「努力した人が報われる社会」を構築することが重要です。人々の努力を引き出す仕組みとして所得格差を認めるべきです。社会主義経済が失敗したのは、原則として所得格差を認めなかったため、人々が努力しなくなり、結果として社会が貧しくなってしまったからです。次に所得分配問題で重要なのは、所得格差をなくすことではなく、「貧困を撲滅」することです。所得格差は人々の努力を引き出すうえで重要なのでなくすべきではありません。他方で市場原理主義者は、貧困は本人の努力が足りない結果であり、自助努力の問題なので、政府が貧困対策をする必要がないと主張しますが、これは誤りです。市場経済はその仕組みとして貧困を生み出す問題点があり、貧困は自助努力の問題ではなく、社会が市場経済システムを採用した結果に生じたものなので、明らかに社会の問題であり、政府(社会全体)に貧困を撲滅する責任があります。

以上より私の結論として、望ましい経済のしくみとは、市場経済を基本として、人々の自由な経済活動の結果としての所得格差を認めつつ、政府(公務員)が責任をもって貧困を撲滅することであると考えます。
皆さんも自らの考えをしっかりもって、政府(公務員)のなすべき仕事は何かを考えてもらいたいと思います。

次回からは、公務員の論文試験もよく出題される「税金の役割」について基礎から説明していきたいと思います。
伊藤塾講師 青野 覚

2021年3月 1日 (月)

「出身地以外の自治体を志望すること」について

Event013l


地方公務員を志望する場合、「どこの自治体を受けるか」について色々と考え迷う人もいます。「自分の出身地の自治体を受ける」というのが、比率としては高いようです。また、下宿して大学に通っている場合、「現在住んでいる自治体を受ける」人もいます。もちろん、「一度も住んだことがない地域の自治体」も受験可能です。

「出身地の自治体を受けたほうが採ってもらいやすいのではないか」という思いを抱いている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。その地域の出身者であるかどうかは、採用の際に問題にされません。ですから、そのことを気にする必要はありません。

では、出身者であることの有利さは何もないかというと、「その地の出身ではない人に比べて、その地域について知っていることが多い(場合がある)」ということでしょうか。けれども、出身者だからといって、その地域に詳しいと言えるかどうかは、まさに人さまざまでしょう。よく知っている人もいれば、出身者でもよく知らない人もいます。だから(場合がある)と書きました。みなさんは、自分の出身地についてどの程度知っていますか。出身地の自治体の現状や課題をどのくらい理解していますか。そう言われると、けっこう答えるのが難しいのではないでしょうか。

出身地以外の自治体を受ける場合、「どうしてこの自治体を志望したのか」という問いにどう答えるか困るという人がいます。それならば、その自治体の特色を調べましょう。その地域にはどんな産業があるのか、その産業の現状はどうか、人口の増減・年代別人口構成はどうか、交通の利便性はどの程度か、どんな課題を解決したいと思っているのか、この地にはどんな伝統文化があるか、どんな魅力を持っているか、生活する上での住みやすさはどうか等、その自治体の作成している「総合計画」をはじめとして色々調べてみましょう。そうしたら、「この自治体を志望する理由」「この自治体で取り組みたい仕事」も、頭に浮かんでくるでしょう。

自治体としても、この地域に生まれ育った地元の人でなくても、この地域に強く惹かれ、住民に寄り添いこの地域のために尽力したいという人なら大歓迎です。

2021年2月24日 (水)

公務員志望者のための経済知識講座(3)~論文試験や仕事に役立つ経済知識~

Event004l


これから定期的に公務員の試験や仕事に役立つ経済知識について説明していきたいと思います。今回のテーマは、前回の続きで、以下になります。

テーマ1 望ましい経済のしくみとはなにか〜新自由主義(市場原理主義)とはなにか〜
 前回は修正資本主義及び福祉国家について説明しました。そして社会を豊かにしていくためには、市場経済による国民の自由な経済活動と市場で生じる問題を解決する政府(公務員)の役割の重要性について説明しました。そしてこの福祉国家にも問題点があり、1980年代ごろに新自由主義(市場原理主義)という考え方が現れたことまで説明しました。
 まず福祉国家の問題点について説明します。戦後イギリスでは、べバリッジ報告で国民に「ゆりかごから墓場まで」政府が国民の豊かな生活を保障するという方針を打ち出しました。これが福祉国家の典型的な考え方です。しかしこの充実した福祉政策は、大きな政府をもたらし予算の増大と市場への過大な負担をもたらし、経済を疲弊させることになりました。イギリスは、戦後の豊かな財源を多くの福祉政策に充てましたが、石油ショック等で経済不況が生じると財源が不足し、また福祉政策を支える税負担を避けるために多くの企業や資本が海外に流出し、イギリス経済を衰退させることになりました。
 このような状況下、1980年代に新自由主義(市場原理主義)思想が台頭してきます。この新自由主義(市場原理主義)は、政府の市場への介入を最小限に抑え、市場経済の機能を最大限に発揮させるべきであるというものです。このような考えは、そもそもイギリスの産業革命当時にアダムスミスが提唱したものであり、市場経済への最大限の信頼に由来するものです。イギリスでは、サッチャー政権が福祉政策は維持しつつも、民営化や規制緩和、税制改革等により市場経済のメリットを最大限に生かそうとしました(サッチャリズム)。これらの政策は、イギリス経済の停滞の原因を取り除き、その後のイギリス経済の復活をもたらしました。しかし失業率や貧困の増大をもたらすことになりました。同時期にアメリカでは、レーガン大統領が規制緩和や減税等のレーガノミクスとよばれる同様な経済政策を実施しています。また日本でも中曽根政権が、規制緩和や国鉄の民営化等の同様な政策を実施しました。これらの新自由主義に基づく政策は、各国の経済を活性化させ、その後の経済成長に貢献しましたが、失業率や貧困の増大等の問題も生じさせました。

 以上のように過剰な福祉主義は、後に過剰な自由主義(市場原理主義)をもたらすことになりました。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉があるように、いずれにしろ行き過ぎた思想は望ましくない結果をもたらすことになると思います。
 望ましい経済のしくみとはなにかをテーマに、これまでの歴史と経済思想ついて説明しました。これを踏まえて、何が「望ましい経済のしくみ」なのか、私なりの結論を次回に説明したいと思います。
伊藤塾講師 青野 覚

2021年2月19日 (金)

「自治体 総合計画」について

Event013l


地方公務員志望の方は、自分が受験する「自治体研究」をしないといけないわけですが、その基本資料となるのが、各自治体が発表している「総合計画」です。自治体のホームページの「県政/市政 情報」のページに入ると「総合計画」が掲載されているはずです。

そもそも「総合計画」とは何か。静岡市の「総合計画書」がうまくまとめてくれているので、それをそのまま引用すると…
総合計画とは、市政運営の最も基本となる計画です。総合計画は、まちの将来像を示すとともに、市政を総合的、計画的に運営するために、各分野における計画や事業の指針を明らかにするものです。(1)「基本構想」(2)「基本計画」(3)「実施計画」の3層で構成し、「基本構想」ではまちづくりの大きな方向性を、「基本計画」「実施計画」ではその具体的な目標・実施方法を詳しく示しています。
(1)「基本構想」将来を展望して目指すまちづくりの目標や都市像を明らかにするもの
(2)「基本計画」基本構想に基づき実施する政策・施策の体系を明らかにするもの
(3)「実施計画」基本計画に定められた施策を展開するための個別の事務事業を定めるもの

「総合計画」はほぼ数年ごとに改訂し、次の目標を定めていきます。「総合計画」には今後の目標だけでなく、自治体の今の状況や近年の推移のデータ(待機児童数とか産業分野別事業所数とか転入者数・転出者数とか年代別人口などなど)が資料として入っています。これらを見ると、今この自治体はどうなっているのか(「待機児童は減っているがまだまだ多い」とか「居住者が増えている」とか「5年間で高齢者が10%増えた」などなど)がわかりますし、課題も見えてきます。

自分が受験する自治体の「今」と「未来」がわかるのが「総合計画」です。「今、○○の課題を抱え、その施策として□□の目標を掲げているんだな」ということがわかると、面接カード・エントリーシートや面接で問われる「なぜ、この自治体を志望したのか」「職員になったらどんな仕事に取り組みたいか」に答える道筋も見えてくるはずです。
まずは、志望先の「総合計画」をじっくり読んでみてください。

2021年2月16日 (火)

公務員志望者のための経済知識講座(2)~論文試験や仕事に役立つ経済知識~

Event004l


これから定期的に公務員の試験や仕事に役立つ経済知識について説明していきたいと思います。今回のテーマは、前回の続きです。

【テーマ1 望ましい経済のしくみとはなにか~修正資本主義とはなにか~】
市場経済(資本主義経済)は、国民の経済活動での競争により、社会全体を豊かにしていく仕組みが備わっています。しかし市場経済(資本主義経済)は、その課題として貧富の格差が拡大してしまう傾向があるという問題点があります。この貧富の格差の拡大を防止する方法として、修正資本主義というものが提唱されることになりました。

資本主義は、国民の経済活動の自由を認めて社会を豊かにすることが目的ですが、貧富の格差拡大や不況等の問題点があります。修正資本主義では、資本主義を基本としつつも、上述の問題点を政府の市場への介入で解決していこうとするものです。

マスグレイブという学者は、政府の役割として3つを挙げています。1つ目は、資源配分政策と呼ばれるものです。これは独占などの国民の経済活動の公正な自由競争を妨げる事態に対して対処するというものです。独占禁止法などは、この政策の典型例です。2つ目は、所得再分配政策と呼ばれるものです。これは、貧富の格差拡大に対して、政府が介入して所得格差を縮小しようとするものです。累進所得税や失業対策、公的扶助等が典型例です。累進所得税は、高所得者に高い課税を行い、その税収を低所得者に対する補助に用いるというものです。失業対策、公的扶助等は、低所得者に対する具体的な政策です。3つ目は、経済安定化政策と呼ばれるものです。経済が不況に陥った場合に、政府が積極的に介入して不況を克服しようとするものです。政によるGOTOトラベルキャンペーン等は、この不況対策に該当します。

重要なことは、政府の介入(公務員の仕事)がなければ、これら市場経済における問題点のある独占や貧富の格差(貧困の解消)や不況は解決されないということです。公務員の仕事が社会にとっていかに重要かつ不可欠であるかがわかると思います。

この修正資本主義の考えを発展させたものが福祉国家という考えです。戦後イギリスでは、べバリッジ報告で国民に「ゆりかごから墓場まで」、政府が国民の豊かな生活を保障するという方針を打ち出しました。
この福祉国家にも問題点がありました。この福祉国家の問題点から1980年代ごろに新自由主義(市場原理主義)という考えかたが現れました。この新自由主義にいては次回に説明したいと思います
伊藤塾講師 青野 覚

2021年2月 1日 (月)

「模擬面接」を受けましょう

Event013l


公務員試験の面接では「人柄を見る」面もあるので(それが重視されることが多い)、「話す内容」も大事ですが、「話す態度」も大切です。けれども、自分が「どう話すか・話しているか」を知る機会ってあまりありませんよね。

模擬面接を担当していると、「話し方」「話す態度」が気になる人が少なくありません。
たとえば、「面接員に視線を向けずに話す」人がいます。「相手の目を見て話さなければならない」ことはみんな知っていてそれを心がけていると思うんですが、話すことに集中しているとだんだん面接員を見なくなってしまうというケース。特に「何を話すか」を前もって暗記し、覚えた通りに話そうとすると視線が上を向いてしまったりします。
また、「長くしゃべりすぎる」というケース。これはかなり多くて、特に話す材料をたくさん持っている人や「正確に話そう」と思っている人にしばしば見られます。アピールできることがたくさんある・正確に話そうとすること自体はとても良いことですが、長々としゃべりすぎるのは大問題です。

では、「どのくらいならしゃべり過ぎにならないのか」ですが、この判断は難しい問題で、質問された内容にもよりますし、面接員の態度を見て決めなければならないこともあります。
面接では、予想外のことを訊かれることもあるわけですが、質問にすぐ答えられない時はどうしますか。「黙っている」のは最悪ですよね。といって、いい加減なことを話すわけにもいかない。答えることを考えている間、どういう態度をとるべきか。どのくらいの時間なら待ってもらえるのか。こういうことも実践練習で身に着けることです。

伊藤塾の受講生なら「模擬面接」を受けることができます。面接試験間近になると希望者が殺到するので一人で何回も受けるのは難しいのですが、今の時期なら多少余裕があります。
まず「面接カード」を作成してください。面接カードの添削もしています。そのうえで、模擬面接を予約してください。
公務員試験において「面接」は大変重要なので、早めにその準備を始めましょう。

2021年1月25日 (月)

公務員志望者のための経済知識講座(1) ~論文試験や仕事に役立つ経済知識~

Event004l


こんにちは。伊藤塾 経済系科目担当講師の青野です。 これから定期的に公務員の試験や仕事に役立つ経済知識について説明していきたいと思います。 初回のテーマは以下になります。

【テーマ1 望ましい経済のしくみとはなにか(市場経済VS計画経済)】
経済において重要な課題は大きく2つあります。1つは、いかに社会全体を豊かにしていくかという問題(専門的には資源配分問題という)です。そしてもう1つは、貧困を撲滅するにはどうしたらよいか。あるいは貧富の格差をどのように縮小させるかという問題(専門的には所得分配問題という)です。実はこの2つの問題は、同時に解決することが難しく、経済を考えるうえで重要な2大テーマです。

経済の仕組みとして、市場経済(資本主義経済)と計画経済(社会主義経済)の2つがあることはご存じの人が多いと思います。実は市場経済(資本主義経済)は、社会全体を豊かにしていくことを優先させた経済の仕組みです。他方で計画経済(社会主義経済)は、貧富の格差をなくすことを優先させた経済の仕組みです。

市場経済(資本主義経済)は、人々に自由な経済活動を認め、経済活動での競争(企業同士の販売競争)により、社会全体を豊かにしていく仕組みが備わっています。より良い商品をより安く社会に提供する企業が競争に勝ち、当該企業は大きな利益を獲得できます。このような企業のイノベーションにより、社会全体は豊かになっていきます。このような市場経済(資本主義経)のダイナミックな仕組みを、シュンぺーターという経済学者は重視しました。

しかし市場経済(資本主義経済)は、その課題として貧富の格差が拡大してしまう傾向があるという問題点があります。日本国内でも貧困問題は深刻化していますが、世界全体でも(世界全体が1つの市場となる)グローバル経済の進展により、豊かな国と貧しい国との格差が深刻化しています。

この市場経済(資本主義経済)の問題点を批判し、考え出されたのが計画経済(社会主義経済)です。計画経済(社会主義経済)では、人々の自由な経済活動(自由競争)を禁止し、政府が独占的に商品の生産を計画し、人々に平等に商品を配給することになります。これにより貧富の格差は理論上生じないことになります。しかしこの計画経済(社会主義経済)は、人々の競争禁止したために、社会全体が豊かにならず、結果として国民は平等に貧しくなってしまいました。さらに悪いことに経済活動を政府が独占することから、一部の権力者のみが不正に富を蓄積し、結果として権力者と国民の貧富の格差が生じることになりました。

以上のことは、例えば北朝鮮の現状をみればよくわかるでしょう。また中国も昔は計画経済(社会主義経済)を採用していたので、国民は平等に貧しい状況でした。しかし中国は、計画経済(社会主義経済)をやめて市場経済(資本主義経済)を採用したため、どんどん豊かになり、現在は日本より豊かな国となりました。しかし中国では、貧富の格差が拡大しています。

このように計画経済(社会主義経済)は、社会全体を豊かにする仕組みが備わっておらず、人々を等しく貧しくしてしまうため望ましくなく、一部の国を除いて現在では大部分の国が市場経済(資本主義経済)を採用しています。

そこで市場経済(資本主義経済)における貧富の格差の拡大を防止する方法として、修正資本主義というものが提唱されることになりました。

今回はここまで。続きは次回に説明していきます。

なお著作「伊藤塾の公務員試験(面白いほどとれる)シリーズ 経済学」(KADOKAWA)でも説明があるので参考にしてください。
伊藤塾講師 青野 覚