伊藤塾おすすめリンク

  • お問い合わせ・受講相談
    伊藤塾各校舎へのお問い合わせ先、アクセスのご案内です。 お気軽にお電話・来校ください。
  • イベント
    ガイダンスや無料体験講義に参加して塾の特長や講座内容、担当講師、試験制度等をより深く知っていただくことができます。
  • メールマガジン
    定期的に学習に役立つ内容を発信しております。
  • 書籍案内
    皆さんの学習に、あるいは学習の合間に。本物の法律家になるために一度は読んでいただきたい書籍が揃っています。

伊藤塾校舎ブログ

2020年2月21日 (金)

<学習コラム12>企業の資金保有の増加

<学習コラム>企業の資金保有の増加① 20/1/29メルマガ「公務員の道標」より

企業の資金保有の増加①

日本の企業の内部留保が506兆円に及び、日本の国民所得(GDP)とほぼ同規模に達しています。およそ6年程度で3倍程度に増大しています。

企業の資金保有が増加したのは、景気がよく企業の利益が増加したからなので、一概に悪いことではありません。しかし本来企業は、資金を投資に積極的に用いて、更なる利益の増大を考えるべきです。企業の資金保有が急増していることは、投資をすべき資金が無駄に蓄えられている可能性があるのです。

実はこの傾向は日本だけでなく、主要先進国でも近年企業の資金保有が増加しています。よって日本だけが例外というわけではありません。しかしこのような状態で法人税を減税しても、企業の資金保有が高まるだけで、イノベーションを促進しない可能性があります。単なる法人税の減税ではなく、企業の投資に対して減税を実施すれば、この問題は回避できるでしょう(次回へつづく)。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)

★過去の学習コラム

2020年2月 4日 (火)

2019年度・裁判所事務官試験における人文科学の分野の出題分析

人文科学担当の坂本です。今回は、2019年に実施された「裁判所事務官試験」における人文科学の分野の出題分析を行います。

19年も例年どおり、日本史、世界史、地理、思想の分野から1問ずつ出題されました。来年以降も、この形で出題されると考えられます。 以下で、それぞれの分野の出題の分析を行いますので、今後の学習の参考にしてください。

  • 日本史
    • 江戸時代の学問に関する出題。

問題文のいずれの記述も、テキストの太字で示された内容であり、非常にやさしい問題であった。

  • 世界史
    • 14 世紀頃のヨーロッパ史に関する出題。

選択肢1~3は、百年戦争についての常識的な記述であり、選択肢4は、薔薇戦争について、選択肢は5はドイツ(神聖ローマ帝国)の大空位時代についての記述。後半の方がやや細かい知識と言えるが、どちらのテキストでは太字で示される内容であり、やさしい問題であった。

  • 地理
    • 地図の図法に関する出題。

メルカトル図方などごく一般的な地図についてその特徴を尋ねる問題で、中学の地理のレベルである。多くの高校の教科書では、巻末に付録として載せられる内容であり、伊藤塾の人文科学のテキストには掲載がなく、私の授業でも触れていない。そのため、中学地理の内容を記憶していた者にはやさしかったが、それ以外の人には、意外と難しかったかもしれない。ただ、今後、中学レベルの出題が続くとは考えられず、イレギュラーな出題だったと考えられる。

  • 思想
    • 日本の近代思想家に関する出題。

日本の近代思想家と銘打った出題だが、実際には、福沢諭吉にのみ関連する問題だった。「天賦人権論」や「国家の独立」など、テキストの知識で十分に解ける問題だった。

2020年2月5日 坂本正彦講師 (人文科学担当)

2020年1月27日 (月)

<学習コラム11>「法人税パラドックス」とはなにか。

<学習コラム>「法人税パラドックス」とは何か① 20/1/22メルマガ「公務員の道標」より

近年、主要先進国で法人税の引き下げ競争が行われている中、「法人税バラドックス」という言葉が注目されています。今回はこの「法人税バラドックス」について説明したいと思います。

「法人税バラドックス」とは、法人税を減税しても、政府の法人税収が減少せず、むしろ増加する可能性すらあるとするものです。

実際に欧州諸国が1990年代以降、法人税の税率の引下げ競争を行いましたが、その後各国の法人税収は減少せずに安定的に推移しました。 なぜ法人税を減税しても政府の税収が減少しなかったのでしょうか。

この「法人税バラドックス」が生じる理由として、主に3つの原因があるとされています。


<学習コラム>「法人税パラドックス」とは何か② 20/1/29メルマガ「公務員の道標」より

まず法人税の減税は、海外企業誘致や企業の投資増加により景気が良くなるため、企業の利益が増加して、むしろ法人税収を増加させるとするものです。

1980年代にサプライサイド学派のラッファーが、「所得税を減税すると人々の労働意欲が高まり、むしろ所得税収が増加する」とする「ラッファーカーブ」を主張しましたが、これに類似しています。

現在、多くの専門家は、この「ラッファーカーブ」に否定的です。法人税減税は、すでに説明したように景気を良くする効果が期待できますので、それによる税収増が見込まれることは事実です。 しかし法人税の税率を引き下げた減収分のすべてを、これのみで相殺できる可能性は低いと考えられます。


<学習コラム>「法人税パラドックス」とは何か③ 20/2/5メルマガ「公務員の道標」より

次に法人税の引き下げを契機に、節税対策として個人事業主が法人化する「法人成り」が増加したためとされています。

これは個人事業主が所得税を払うより、法人を設立して法人税を支払った方が節税になるからです。この原因による法人税収の増加は、所得税収の減少と表裏一体となるため、政府の税収増とはなりません。

そして3つめに欧州各国は法人税の税率を引き下げる一方で、税収を確保するために課税ベースの拡大を同時に実施したため、税収が落ち込まなかったとされます。各国とも税金控除(例えば特定の損失を被った企業に税金を免除する等)などの特別措置を実施しています。税率の引き下げと同時にこのような特別措置を廃止して、いままで法人税を支払っていなかった法人にも課税するようにしたため、税収が落ち込まなかったとされます。


<学習コラム>「法人税パラドックス」とは何か④ 20/2/12メルマガ「公務員の道標」より

以上の3つの原因(①景気拡大による税収増、②法人成り、③課税ベースの拡大)により、欧州諸国では法人税を減税しても税収が低下しなかったため「法人税パラドックス」が生じたとされています。

近年日本で法人税が減税されていますが、この「法人税パラドックス」が日本でも生じるかどうかが注目されています。日本でも、景気対策としての法人税の減税を実施しつつ税収を確保するために同時に課税ベースの拡大を実施しています。例えば「外形標準課税」の拡大が行われました。法人税は、黒字の企業のみに課税されるため、赤字企業には非課税です。

しかし赤字企業でも、政府による各種行政サービス(防犯、防災、道路利用等)を受けているため、その行政サービスの対価として何らかの税金を支払うべきです。そこで2004年に導入されたのが外形標準課税であり、これは赤字企業も含めてすべての企業に一定額の課税を行うというものです(ただし中小企業には特別措置あり)。日本では、法人税の減税と同時にこの外形標準課税の拡大が実施され、課税ベースが拡大されました。

次回は企業の資金保有の増大について説明します。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)

★過去の学習コラム

2020年1月 6日 (月)

副業・兼業をしている人の労災認定について

2019年12月、厚生労働省は、副業・兼業をしている人について、本業以外の仕事をしている時間も含めて労働時間・残業時間をカウントし、労働災害の認定に用いる方針を発表しました。この件は、これまで労働政策審議会の労災保険部会で検討されてきましたが、今回上記の内容で合意に達しました。これを受けて、2020年の通常国会に労災保険法などの改正案が提出される見込みです。

もともと、副業・兼業については、多くの企業が認めていませんでした。というのも、本業の仕事がおろそかになるリスクや、情報漏えいが起こるリスクなどがあったためです。しかし、政府は、本格的に「働き方改革」を推進していく上で、現在副業・兼業を推奨しています。そうしたことも背景にしながら、副業・兼業をしている人や希望する人は増加傾向にあります。そこで今回、よりいっそうの労働者保護のために、従来合算していなかった副業・兼業の労働時間・残業時間も合算した上で労災認定を行おうという方針が出てきたわけです。

これは、確かに、働きすぎた労働者を救済する意味では良いことです。改善策であることは間違いありません。しかし、これはあくまで事後救済策であって、事前規制策ではありません。本来であれば、働きすぎ(=過労)そのものを規制すべきであり、今回の施策案はそれとはズレを感じさせるものとなっているように私は思います。

皆さんは、今回の施策案をどのように考えるでしょうか。一歩前進なのか、そうだともいえないのか。過労死が、「karoshi」として英語の辞書に載り、全世界的に知れ渡っている現在、今回の施策案について、ぜひ自分なりに考えてみてください。

2019年12月26日 松田圭介講師(行政系担当)

2019年12月16日 (月)

<学習コラム10>なぜ法人税は減税するのか?

<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?① 19/12/11メルマガ「公務員の道標」より

近年消費税が5%から8%、さらに10%に増税されていることはご存じだと思いますが、逆に企業に課す法人税は近年減税されていることはご存知でしょうか。 このような政府の税制改正に関して、「庶民が負担する消費税は増税し、大企業が負担する法人税を減税している現政権は、庶民に冷たく大企業優遇である」と批判しているのをよく耳にします。はたしてこの主張は正しいでしょうか。 またフランスでも、同様に法人税が大幅に減税される一方で、庶民が負担する燃料税が増税されたことを契機に、政府の政策(企業優遇、庶民いじめ?)に抗議する大規模デモが行われたことはニュース等でご存知でしょう。 すでに消費税は、消費者のみが負担する税金ではなく、企業も一部負担する税金であることは説明しました。今回は、なぜ法人税は減税するのか、またそれは決して企業優遇ではないということを理論的に説明していきます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?② 19/12/18メルマガ「公務員の道標」より

近年日本だけではなく先進各国(アメリカ、フランス等)で法人税の減税が行われています。 法人税を減税するのは、決して大企業優遇ではなく、景気を良くして国民の所得を高めるとともに雇用を維持するための政策です。 現在多くの企業はグローバルに世界中で活動しています。 そこで多くの企業は法人税の低い国に本拠地を置いて節税をしようとします。

すなわち世界中で法人税の低い国に多くの優良企業が集まり、その国に法人税を支払うとともにその国の国民を雇用して景気を良くします。 他方で他の国に比べて法人税の高い国では、優良企業が海外に流出してしまうため、法人税が集まらず、またその国の雇用も減少させて景気を悪化させてしまいます。

このような現象を「産業の空洞化」と呼びます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?③ 19/12/25メルマガ「公務員の道標」より

近年先進各国が法人税を引下げているのは、世界中から優良企業を国内に呼び寄せることにより、景気を良くさせて国民の所得増加と雇用の確保を意図して実施しているのです。 すなわち法人税の減税は、国民のための政策であり、決して大企業優遇のための政策ではありません。

また経済の活性化のためには法人税の減税が必要であるとする「サプライサイド学派」の理論があります。 法人税を減税すると、減税分が企業の投資に用いられて経済が活性化するとサプライサイド学派は主張します。

あるいはAI(人工知能)やIOT(物のインターネット)などの先端科学に対する研究投資に直接減税を行えば、これらの分野への研究投資が促進されてイノベーションが生じ、経済を活性化させることが可能です。このように企業に対する減税(特に研究投資減税)は、経済にプラスの影響を与えると考えられます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?④ 2020/1/1メルマガ「公務員の道標」より

アメリカは、これまで先進国で一番法人税が高かったのですが、トランプ大統領が優良企業誘致と国民の雇用確保の観点から大幅な法人税の減税を実施しました。

また欧州では、これまで英国が法人税が最も低く、その結果、多くの優良企業が英国に本拠地を置いたため、欧州で英国は比較的に景気が良く経済が良好でした(ただし英国のEU離脱問題で企業が英国から流出し始めています)。

他方でこれまで法人税が高かったフランスは、比較的景気が良くなく失業率も高めでした。そこでマクロン大統領は、大幅な法人税の減税を実施し、イノベーションを促して経済を良くして国民の雇用を確保しようとしています。なお燃料税は、ガソリン自動車に課税して環境を良くする環境税です。決して庶民いじめの増税ではありません。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?⑤ 2020/1/8メルマガ「公務員の道標」より

日本や先進各国は、自国の経済を良くして国民の所得増と雇用の確保のために、法人税の減税を実施しています。

しかし法人税の減税は、大企業優遇であり、庶民冷遇であると誤解されがちです。日本でも野党がその様に現政権を批判しています。

フランスでは、マクロン大統領の税政策に反対して毎週大規模なデモが行われました。 国民が誤解してしまうのは仕方ないことだと思いますが、国の将来の行く末を左右する政治家や行政官が誤った認識のもとで政策を企画立案すると国の行く末は大変なことになってしまうでしょう。 ちなみに韓国は、世界の法人税の減税の流れに逆らい、法人税を増税しました。これは最近の韓国の財閥の傍若無人な行動に対する国民の批判に呼応したものです。しかしこの法人税の引上げは韓国の経済に悪影響を及ぼしました。

実際に韓国経済は、失業率が増大するとともに、2019年1月~3月に10年ぶりのマイナス成長に陥ってしまいました。日本でも選挙の際に「法人税増税」を訴える候補者が多くいますが、このような政策が経済に与える悪影響を認識すべきだと思います。

次回は「法人税バラドックス」について説明します。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)

2019年12月 3日 (火)

<学習コラム9>法人税は誰が負担するのか

<学習コラム>法人税は誰が負担するのか① 19/11/27メルマガ「公務員の道標」より

日本では、選挙の際に庶民のための政策として法人税増税を掲げる候補者がいます。

特に大企業はかなり儲けているため、お金がある(儲けている)ところから税金を徴収しようというのです。

これは正しいでしょうか、検討したいと思います。

まずそもそも税金は、誰が負担できるのでしょうか。

理論的には、税金を負担できるのは自然人(ヒト)のみであり、企業の様な組織(単なるモノ)は税金を負担できないと考えます。

企業(組織)は単なる人々の集まりに過ぎないため、企業に税金を課すと、最終的にはその企業(組織)に関わる人々が税金を負担することになります。

そして結論から述べると、法人税を課しても、必ずしも金持ち(経営者や株主)が負担するとは限らず、場合によっては庶民(労働者や消費者)が負担する可能性があるということです。よってこの観点から法人税の増税は、庶民のための政策ではないことが分かります。

むしろ法人税の増税は、庶民(労働者や消費者等の経済的弱者)の負担を重くする場合もあるのです。

多くの政治家(候補者)は経済の専門知識がなく、誤った政策を掲げる場合が多いため、選挙の際に騙されないように専門知識を身につけた方がよいでしょう。


<学習コラム>法人税は誰が負担するのか② 19/12/4メルマガ「公務員の道標」より

企業(組織)は単なる人々の集まりに過ぎないため、企業に税金を課すと、最終的にはその企業(組織)に関わる人々が税金を負担することになります。

ここで企業に関わる人々には、会社の経営者や所有者(いわゆる金持ち)の他、労働者や消費者(いわゆる庶民)等がいます。

会社の経営者や所有者が負担する場合は、金持ちが負担することになるでしょう。しかし世の中はそう甘くなく、負担は大抵の場合弱者に押しつけられます。

すなわち法人税が課せられると、企業の経営者や所有者は負担(企業利益の減少)を避けるため、コスト削減として労働者(特に立場の弱い非正規雇用者)の賃金を引下げて(あるいはリストラして)負担させたり、その企業の商品の値段を引き上げて消費者に負担させようとします。

このように法人税の多くは、その企業に関係する立場の弱い労働者や消費者(いわゆる庶民)が負担することが多いのです。

庶民の負担を軽減し金持ち(儲けている人々)に税負担を課したいならば、法人税を増税するのではなく、高額所得者の所得に直接課税する所得税を増税(=最高税率の引上げを)すべきです。

次回は、なぜ法人税は減税するのかについて説明します。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)

2019年11月27日 (水)

条文の読み方について

法律の勉強をする際になにげなく読む条文、実は読み方に特有のルールがあります。 例えば、条文において「遅滞なく」「直ちに」「速やかに」の3つは、使い分けがなされています。

即応性が求められる順番に並べると、「直ちに」>「速やかに」>「遅滞なく」となります。 そして、「又は」と「若しくは」も使い分けがなされています。「又は」は大きな区分を表わし、「若しくは」はそれよりも小さな区分を表わします。具体的には、「A若しくはB、又はC」と表わされていた場合、AとBが一つの区分となり、Cと対になります。 括弧を付けて表すと、(A若しくはB)又はCとなります。

さらに、「推定する」と「みなす」も使い分けがなされています。

「推定する」は、当事者間に取決めがない場合や反証が無い場合に一応の法的効果を生じさせます。当事者の取決めや反証がある場合には、推定は覆されます。

「みなす」は、取決めや反証があったとしても、法律上の認定と異なる判断はできません。 このように、法令においては、同じようなニュアンスを持つ言葉であっても単語によって使い分けられているのです。

条文を読む際にこのような単語の違いにも注意して読むと、読み方もずいぶんと変わってくるでしょう。

勉強が進み知識が蓄積されていくにつれ、条文の雰囲気も変わってきますので、何度も繰り返し読むとよいでしょう。

参考文献 法制執務用語研究会 「条文の読み方」 有斐閣

2019年11月19日 (火)

何事も勉強

最近、スタッフとして学生の方々とともに様々な行政機関の業務説明会に参加させていただいておりますが、公務の裾野の広さに驚かされる毎日です。

これらの業務説明会は、各機関の具体的な業務内容や求められる人物像を把握するためのものであり、将来のキャリア選択においてそれらを自身の目で確かめることは非常に重要だと思います。自身の関心のある所管業務を担っているのか、自身の性格に合った組織なのか。自分自身と向き合いながら、それらを見極め、皆様は納得のいく進路を歩まれることでしょう。

また、公務員にあまり関心がない方にとっては、自身の進路の選択肢を広げるきっかけにもなると思います。最近は、民間企業でも社会貢献的な要素を有する業務に着手したりする例が見受けられるようになってきました。もはや公務員と民間の境界線は曖昧になってきているのかもしれません。

これらの説明会で学んだ事柄をご自身の糧として、少しでも今後の自己研鑽に役立てていただければ幸いです。

2019年11月18日 S.T.

2019年11月14日 (木)

少子化ショック

ご存知のとおり、我が国では少子高齢化が急速に進んでいます。そして、そのペースが予想以上のものとなりそうです。2019年10月時点での報道によれば、予測よりも2年も早く、2019年に出生数が90万人を割るだろうとのことです。2016年に初めて出生数が100万人を割り、3年連続で90万人台であったところ、2019年にはいよいよ80万人台へ突入するだろうということです。

これは、本当に大変な事態です。このままであれば、今後は高齢者がますます増え、若者がますます減っていきます。そうすると、本格的な移民受け入れを展開しない限り、労働力の減少や現役世代の過重な負担など、様々な問題が起きてきます。したがって、これらの問題を解決するには、移民受け入れをしないのであれば、今すぐにでも出生率を上げ、出生数を増やすことが絶対的に必要になります。

ひるがえって、政府の少子化対策は万全でしょうか。もちろん、否です。その証拠が、出生数80万人台へというニュースです。私は第2次ベビーブーマーの世代で、同級生は200万人を超えています。しかし、今の赤ちゃんは、同級生がわずか90万人なのです。

移民受け入れをしないのであれば、本当に、早急に、少子化対策をガンガン進めるべきです。より多く子どもを持つ家庭への減税や、子どもを育てる家庭への様々なケアなど、取りうる手段はすべて取るべきです。もはや、手をこまねいている暇はありません。今後の日本社会を論じる政治家や行政官は、この点にこそ責任を取るべきだと、私は強く思っています。

2019年11月14日 松田圭介講師(行政系担当)

2019年11月12日 (火)

2019年度・国家一般職試験における人文科学の分野の出題分析

人文科学担当の坂本です。今回は、ことし実施された「国家一般職」における人文科学の分野の出題分析を行います。

ことしも、例年どおり、日本史、世界史、地理、思想の分野から1問ずつ出題されました。来年以降も、この形で出題されると考えられます。 以下で、それぞれの分野の出題の分析を行いますので、今後の学習の参考にしてください。

-日本史 -第一次大戦~第二次大戦間の経済等に関する記述として最も妥当なのはどれか。 経済史に特化しているために、かなり難しい出題である。金本位制、通貨管理制度、農業恐慌、新中間層、満蒙開発青少年義勇軍、新興財閥など、テキストでゴッシク表示されてなかったり、テキストに載っていない細かいところまでの知識が問われた。一般職としては、ここ数年で最難関といってよい。おそらくこの傾向は続かないので、ここまで細かいレベルで経済史を押さえる必要はないと考えられる。

  • 世界史

    • 19 世紀から20 世紀にかけてのインドに関する記述として最も妥当なのはどれか。 インド史について、フランスが行ったことをオランダとしている点に気がつければ簡単に解ける選択肢とイギリスのインド支配の方法についてかなり細かいところまで尋ねる選択肢があった。大学入試の際、世界史を選ばなかった者にとってはかなりの難問であった。
  • 地理

    • 世界の農工業に関する記述として最も妥当なのはどれか。 各選択肢に大きな間違いが含まれている常識的な問題だった。テキストのゴシック字の箇所を押さえておけば、楽に得点できた。
  • 思想

    • 中国の思想家に関する記述として最も妥当なのはどれか。

諸子百家と朱子に対する常識的な問題だった。テキストのゴシック字の箇所を押さえておけば、楽に得点できた。

2019年11月12日 坂本正彦講師 (人文科学担当)