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2019年12月

2019年12月16日 (月)

<学習コラム10>なぜ法人税は減税するのか?

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<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?① 19/12/11メルマガ「公務員の道標」より

近年消費税が5%から8%、さらに10%に増税されていることはご存じだと思いますが、逆に企業に課す法人税は近年減税されていることはご存知でしょうか。 このような政府の税制改正に関して、「庶民が負担する消費税は増税し、大企業が負担する法人税を減税している現政権は、庶民に冷たく大企業優遇である」と批判しているのをよく耳にします。はたしてこの主張は正しいでしょうか。 またフランスでも、同様に法人税が大幅に減税される一方で、庶民が負担する燃料税が増税されたことを契機に、政府の政策(企業優遇、庶民いじめ?)に抗議する大規模デモが行われたことはニュース等でご存知でしょう。 すでに消費税は、消費者のみが負担する税金ではなく、企業も一部負担する税金であることは説明しました。今回は、なぜ法人税は減税するのか、またそれは決して企業優遇ではないということを理論的に説明していきます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?② 19/12/18メルマガ「公務員の道標」より

近年日本だけではなく先進各国(アメリカ、フランス等)で法人税の減税が行われています。 法人税を減税するのは、決して大企業優遇ではなく、景気を良くして国民の所得を高めるとともに雇用を維持するための政策です。 現在多くの企業はグローバルに世界中で活動しています。 そこで多くの企業は法人税の低い国に本拠地を置いて節税をしようとします。

すなわち世界中で法人税の低い国に多くの優良企業が集まり、その国に法人税を支払うとともにその国の国民を雇用して景気を良くします。 他方で他の国に比べて法人税の高い国では、優良企業が海外に流出してしまうため、法人税が集まらず、またその国の雇用も減少させて景気を悪化させてしまいます。

このような現象を「産業の空洞化」と呼びます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?③ 19/12/25メルマガ「公務員の道標」より

近年先進各国が法人税を引下げているのは、世界中から優良企業を国内に呼び寄せることにより、景気を良くさせて国民の所得増加と雇用の確保を意図して実施しているのです。 すなわち法人税の減税は、国民のための政策であり、決して大企業優遇のための政策ではありません。

また経済の活性化のためには法人税の減税が必要であるとする「サプライサイド学派」の理論があります。 法人税を減税すると、減税分が企業の投資に用いられて経済が活性化するとサプライサイド学派は主張します。

あるいはAI(人工知能)やIOT(物のインターネット)などの先端科学に対する研究投資に直接減税を行えば、これらの分野への研究投資が促進されてイノベーションが生じ、経済を活性化させることが可能です。このように企業に対する減税(特に研究投資減税)は、経済にプラスの影響を与えると考えられます。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?④ 2020/1/1メルマガ「公務員の道標」より

アメリカは、これまで先進国で一番法人税が高かったのですが、トランプ大統領が優良企業誘致と国民の雇用確保の観点から大幅な法人税の減税を実施しました。

また欧州では、これまで英国が法人税が最も低く、その結果、多くの優良企業が英国に本拠地を置いたため、欧州で英国は比較的に景気が良く経済が良好でした(ただし英国のEU離脱問題で企業が英国から流出し始めています)。

他方でこれまで法人税が高かったフランスは、比較的景気が良くなく失業率も高めでした。そこでマクロン大統領は、大幅な法人税の減税を実施し、イノベーションを促して経済を良くして国民の雇用を確保しようとしています。なお燃料税は、ガソリン自動車に課税して環境を良くする環境税です。決して庶民いじめの増税ではありません。


<学習コラム>なぜ法人税は減税するのか?⑤ 2020/1/8メルマガ「公務員の道標」より

日本や先進各国は、自国の経済を良くして国民の所得増と雇用の確保のために、法人税の減税を実施しています。

しかし法人税の減税は、大企業優遇であり、庶民冷遇であると誤解されがちです。日本でも野党がその様に現政権を批判しています。

フランスでは、マクロン大統領の税政策に反対して毎週大規模なデモが行われました。 国民が誤解してしまうのは仕方ないことだと思いますが、国の将来の行く末を左右する政治家や行政官が誤った認識のもとで政策を企画立案すると国の行く末は大変なことになってしまうでしょう。 ちなみに韓国は、世界の法人税の減税の流れに逆らい、法人税を増税しました。これは最近の韓国の財閥の傍若無人な行動に対する国民の批判に呼応したものです。しかしこの法人税の引上げは韓国の経済に悪影響を及ぼしました。

実際に韓国経済は、失業率が増大するとともに、2019年1月~3月に10年ぶりのマイナス成長に陥ってしまいました。日本でも選挙の際に「法人税増税」を訴える候補者が多くいますが、このような政策が経済に与える悪影響を認識すべきだと思います。

次回は「法人税バラドックス」について説明します。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)

2019年12月 3日 (火)

<学習コラム9>法人税は誰が負担するのか

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<学習コラム>法人税は誰が負担するのか① 19/11/27メルマガ「公務員の道標」より

日本では、選挙の際に庶民のための政策として法人税増税を掲げる候補者がいます。

特に大企業はかなり儲けているため、お金がある(儲けている)ところから税金を徴収しようというのです。

これは正しいでしょうか、検討したいと思います。

まずそもそも税金は、誰が負担できるのでしょうか。

理論的には、税金を負担できるのは自然人(ヒト)のみであり、企業の様な組織(単なるモノ)は税金を負担できないと考えます。

企業(組織)は単なる人々の集まりに過ぎないため、企業に税金を課すと、最終的にはその企業(組織)に関わる人々が税金を負担することになります。

そして結論から述べると、法人税を課しても、必ずしも金持ち(経営者や株主)が負担するとは限らず、場合によっては庶民(労働者や消費者)が負担する可能性があるということです。よってこの観点から法人税の増税は、庶民のための政策ではないことが分かります。

むしろ法人税の増税は、庶民(労働者や消費者等の経済的弱者)の負担を重くする場合もあるのです。

多くの政治家(候補者)は経済の専門知識がなく、誤った政策を掲げる場合が多いため、選挙の際に騙されないように専門知識を身につけた方がよいでしょう。


<学習コラム>法人税は誰が負担するのか② 19/12/4メルマガ「公務員の道標」より

企業(組織)は単なる人々の集まりに過ぎないため、企業に税金を課すと、最終的にはその企業(組織)に関わる人々が税金を負担することになります。

ここで企業に関わる人々には、会社の経営者や所有者(いわゆる金持ち)の他、労働者や消費者(いわゆる庶民)等がいます。

会社の経営者や所有者が負担する場合は、金持ちが負担することになるでしょう。しかし世の中はそう甘くなく、負担は大抵の場合弱者に押しつけられます。

すなわち法人税が課せられると、企業の経営者や所有者は負担(企業利益の減少)を避けるため、コスト削減として労働者(特に立場の弱い非正規雇用者)の賃金を引下げて(あるいはリストラして)負担させたり、その企業の商品の値段を引き上げて消費者に負担させようとします。

このように法人税の多くは、その企業に関係する立場の弱い労働者や消費者(いわゆる庶民)が負担することが多いのです。

庶民の負担を軽減し金持ち(儲けている人々)に税負担を課したいならば、法人税を増税するのではなく、高額所得者の所得に直接課税する所得税を増税(=最高税率の引上げを)すべきです。

次回は、なぜ法人税は減税するのかについて説明します。

担当:青野 覚 講師(経済系担当)