真の法律家・行政官を育成する 「伊藤塾」 株式会社 法学館

2018年6月 9日 (土)

平成30年度認定考査を終えて

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平成30年度認定考査を受験された皆様、お疲れさまでした!

はじめて出題された、
売買契約に基づく土地引渡請求及び所有権移転登記請求
の問題に戸惑ったでしょうか?
いえ、試験を受けながら思わず“にやり”。
「伊藤塾の最終模試と同じテーマの問題だ!」と気づいた人にとっては、
ラッキーな問題となりましたね。

実は4年連続、不動産が絡む問題が出題されています。
平成27年(建物明渡請求)
平成28年(抵当権抹消登記請求)
平成29年(所有権に基づく土地明渡請求)
平成30年(売買契約に基づく土地引渡請求及び所有権移転登記請求)

講義の中では、
“未出の訴訟類型の出題可能性も高いため、
典型的な訴訟類型を丸暗記するのではなく、
考え方を身につけていきましょう!”
ということを繰り返し指摘してきました。
それは、大量かつ同一の処理が可能な訴訟類型が激減する中、
いかなる訴訟類型にも対応できる力が求められているからです。

これに加え、この度の認定考査を通してはっきりとしたのは、
とりわけ“不動産が絡む訴訟類型”における司法書士の活躍が
期待されているということ。
不動産登記を通じて不動産に関連する法律関係に
深く関与している司法書士にこそ
“不動産が絡む訴訟類型”で遺憾なくその力を発揮して欲しい。
そんなメッセージが込められた試験だったのではないでしょうか。

難易度的には“難しめ”。
模試で経験していた人はスムーズに解けたと思いますが、
そうでない人にとっては、まず“訴訟物は何か?”という
入口の段階で困惑する問題となっていますし、
「売買」「代理」「表見代理」「同時履行」「相続」「相殺」と
論点がてんこ盛りとなっており、法律関係を分析するのにも
一苦労する構成となっています。

これらのことから、本来、得点源とすべき訴訟物・請求の趣旨・要件事実の
3パートが崩壊してしまった方が相当数居ると思われますので、
認定率は60%を割り込み、50%台になるのではないかと思います。

ただし、それ以外の部分は、
“はじめて”和解に関する問題が出題された、
“はじめて”第2問に小問が付いた、
といった特殊性はあるものの、
総じて問われていることは基本的なことであり、
全体を通してみれば、仮に訴訟物~要件事実が崩壊しても、
救われる可能性は十分あります。
訴訟物等を間違えたからといって、
それだけで諦める必要はありません。

いずれにしても、今年の試験は終わってしまいましたから、
次に向けた勉強をしていきましょう!!
無事に認定されれば、いよいよ実務。
実践するにはさらなる研鑽が必要です。
“残念ながらまた来年…”となってしまいそうな方は、
認定考査はもはや本気の試験対策が不可欠なもの
という現実をしっかりと認識したうえで勉強を継続していきましょう!
来年の合格を逃すとその先は新民法での出題となってしまいますので、
頑張っていきましょう!

伊藤塾専任講師 坂本龍治

2018年6月 5日 (火)

第三者のためにする契約【講義再現版】

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 みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

 全国公開模擬試験の実施も終わり、この結果を踏まえて「司法書士パーソナルカウンセリング制度」で学習方針のご相談をされる方も多くなっています。

>>※「司法書士パーソナルカウンセリング制度」の日程はこちら

 その中でも、「基準点からの上乗せ点の確保をどうしたらいいでしょうか?」といったご相談をよくいただくのですが、そういった方にオススメしたいのが,私が担当する「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」です。

 今回は民法で受験生が手薄になりがちな「第三者のためにする契約」の講義内容のダイジェストを講義再現版として文章でお届けしたいと思います

 第三者のためにする契約は、大問単位としては平成18年に1度だけ出された分野ではありますが,実は,債権法改正の対象にもなっている制度であり,試験委員の注目度も高いと思われますので,今まであまり勉強してこなかった方も,ここで第三者のためにする契約の仕組みを理解していただければと思います。

【1】 意 義

 第三者のためにする契約とは,契約当事者の一方が第三者に直接に債務を負担することを約する契約をいいます(537~539条)。契約から利益を“受”ける第三者を「受益者」,受益者が利益を受ける契約の成立を“要”求する者を「要約者」,要約者の要求により受益者に債務を負担することを承“諾”する者を「諾約者」といいます。例えば,A(要約者)がB(諾約者)からB所有の車を買い,Bが車をC(受益者)に引き渡すことを約束する場合がこれに当たります。

Photo_10第三者のためにする契約のメリットは,債務者が直接第三者に目的物を給付することによって,債権者が給付物を受け取り,その後,第三者に給付する手間を省くことにあります。上記の例で言うと,本来,AはBから車を受け取り,Cに引き渡す必要があるところ,BからCに直接引き渡すことで,その手間を省いています。

【2】 要 件 

 第三者のためにする契約の成立要件は,以下の①②です。なお,③は受益者の諾約者に対する給付請求権の発生要件です。

① 要約者と諾約者との間に有効な契約が成立すること

② 第三者に直接権利を取得させる趣旨が契約内容とされていること

 第94条2項,第96条3項の第三者保護規定の適用に関し,受益者は,保護されるべき「第三者」に当たりません。受益者の権利は第三者のためにする契約から直接生じたものであり,受益者は外形を信頼して「新たに独立した法律上の利害関係を有するに至った第三者」とはいえないからです。

Photo_9③ 第三者の受益の意思表示があること

 第三者は,契約締結の当時に現存していなくともよいとされています。したがって,第三者のためにする契約締結時に受益者になる者が胎児や設立前の法人であってもよいことになります(大判明36.3.10)。第三者が特定し現存することは,第三者の権利取得の効力発生要件であって,契約の成立要件ではないからです。ただし,受益の意思表示をする時には現存しなければなりません。
 受益の意思表示は,明示でも黙示でもよいとされています(大判昭18.4.16)。諾約者に受益の意思が伝わればよいからです。また,受益の意思表示を不要とする特約は,無効です(大判大5.7.5)。第三者に利益があっても,その意思を無視して強制されるべきではないからです。

【3】 効 果

(1) 受益者Cの地位

 第三者が諾約者に対して受益の意思表示をしたとき(537条2項)は,直接の給付請求権を取得します(同条1項)。
 第三者の受益の意思表示は,要約者の権利が消滅時効にかかる前にすることを要します(大判大6.2.14)。

2_4  第三者が受益の意思表示をして給付請求権が発生した後は,当事者(要約者・諾約者)は,その給付請求権を変更又は消滅させることができません(538条)。受益の意思表示により,第三者の権利が確定するからです。これに対し,給付請求権が発生する前は,当事者は,それを変更又は消滅させることができます(同条反対解釈)。

(2)要約者Aの地位

 要約者は,契約成立時から,諾約者に対し,第三者に履行するように請求することができます。よって,この履行請求権は,契約の成立時から消滅時効が進行します(大判大6.2.14)。要約者の履行請求権は,契約の成立と共に発生し,第三者が受益の意思表示をする以前にも存在しているからです。

3_4(3)諾約者Bの地位

 第三者の受益の意思表示により,諾約者は,第三者に対して給付義務を負います。もっとも,諾約者は,要約者との間に関する抗弁を第三者に対抗することができます(539条)。受益者の権利は,当事者間(要約者―諾約者間)の契約に基づき生じるものだからです。例えば,諾約者の要約者に対する同時履行の抗弁権,契約の無効・取消し,契約の解除などがあります。

4_5  ここでの説明は以上となりますが、あくまでも上記の説明は講義のダイジェスト版です。「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」では、問題集も付属した、より充実した内容のテキストを使って講義をしていますので、ぜひご活用ください

 また、北谷馨講師の担当する「これで克服!弱点分野攻略講座~頻出分野編~」では、「仮登記」「区分建物に関する登記」といった苦手になりがちな頻出分野を集中的に短時間で克服できますので、ぜひこちらもご活用ください。

※ 当講座は分野別に小分けの講座になっているので、自分の弱点となっている分野(1回1〜3時間)だけを受講することができます。
※ レジュメ(各回20〜30ページ程度)はすべてダウンロードの上ご受講ください。教材の発送はございません。講義配信開始と同時にダウンロードしていただけます。

>>※北谷馨講師・髙橋智宏講師による「これで克服!弱点分野攻略講座」はこちら

これからも, 「がむしゃらに,ひたむきに,効率よく」 一緒に絶対合格に向けて頑張っていきましょう!

 YouTube: 司法書士 「これで克服!弱点分野攻略講座~頻出分野編~」 体験講義


YouTube: 司法書士 「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」 体験講義

伊藤塾司法書士試験科講師 髙橋智宏

2018年5月21日 (月)

気合い入れ講義で不安をぶっ飛ばせ!

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みなさん,こんにちは。
伊藤塾・司法書士試験科講師の宇津木卓磨です。

5月も下旬となり,いよいよ本試験が目の前に迫ってきました。
この時期,不安で眠れない日や,勉強が手につかないといった受験生の方も多いのではないでしょうか?
試験が近づくにつれて気持ちが浮つき,「もう勉強はいいから早く試験を受けたい!」と思ったかと思えば「あと一ヶ月勉強時間が欲しい!」など,目まぐるしく考えがコロコロ変わっていく時期でもあります。

しかし,不安な気持ちになっているのは,あなただけではありません。他の受験生の方もみんな同じです。その不安を怖がり,避けるのではなく受け入れることがお勧めです。
不安・緊張というものは,強ければ強いほど,いい結果を出したいというプラスの気持ちの現れなのです。『合格は近い』ということです。前向きに解釈しましょう!

そうはいっても,不安を全て受け入れることは精神的に耐えがたいことであり,少しでも気持ちを楽にしたいと思っている方も多いと思います。そこで僭越ながらアドバイスさせていただきます。
不安を解消する方法としては,精神面と戦略面の準備をしておくことが重要です。「こうなったときはこう対処する。」とあらかじめ決めておくと本試験現場で落ち着いて対処することができます。
例えば,「問題が解けなくて頭が真っ白になったらトイレに行き,深呼吸をする。」「記述式の問題を解くのに予定よりも時間が多くかかってしまったら,まず不動産登記法の欄の骨組みだけを作成し添付情報は後回しにする。」などです。

このように,あらかじめ対策を立てておくことが本試験では非常に重要となってきます。
しかし,いきなり本番では心もとないので,公開模試は必ず受験するようにしましょう。
さて,伊藤塾では,そんな対策や気持ちの準備のお手伝いをできるように,不安を抱える皆さんに対し,エールを送るべく,伊藤塾講師陣が総力をあげて「司法書士試験超直前!気合い入れ講義」を実施します。気合入れ講義では,本試験残り2週間程度になった時期に「今できることは何か」を明確にし,超直前期の学習に弾みを付けるのと同時に,本試験会場で頭が真っ白になったときに、どうするのかなど,精神面・戦術面ともに役立つ情報を提供します。
皆さんの背中を押し,今年の合格を後押ししますので必ずご参加・ご視聴ください!
自分に自信を持ってあと少し,駆け抜けていきましょう。

司法書士になって人生変えてやりましょうね。

★>>>伊藤塾講師陣による気合い入れ講義はこちら


YouTube: 直前期応援メッセージ ~宇津木卓磨講師~

伊藤塾司法書士試験科講師 宇津木卓磨

2018年5月11日 (金)

公開模試の活用法 Q&A

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みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

現在、伊藤塾では「第1回全国公開模擬試験」を実施中であり、今年も多くの方にご受講いただいています。公開模試は直前期の学習において、「本試験のシミュレーション」の意味だけでなく、「知識の定着度の確認」、「自己の弱点の分析」の意味でも重要な位置付けとなるものです。

そこで、今回は公開模試の活用法をQ&A形式でお伝えします。

【Q1】 「公開模試当日で気をつけるべきことは何ですか?」

よく言われることですが、公開模試当日では本試験当日のシミュレーションを徹底することが大事です

起床時間・朝食の内容・昼食の内容・会場で確認するテキスト・栄養ドリンクの種類・トイレに行くタイミング等々、本試験当日と同じ動きをすることが重要であり、このようにシミュレーションを徹底するからこそ、本試験当日に動揺せず、「いつもどおりの自分」で問題を解くことができます。

同様の観点から、「本試験当日にしないことはしない」ということも大事です。例えば、試験開始時間直前に会場に向かう、午前の部の答え合わせを昼休みの時間にする、といったことは、本試験当日ではすべきでないため、公開模試当日にもしないように注意しましょう。

【Q2】 「公開模試は何回受ければよいですか?」

受験生によって現状や弱点も異なるので一概には言えないのですが、あえて目安を言うのであれば、「伊藤塾の全国公開模擬試験の2回で最低限はOK。他の受験指導校の公開模試も併せて受講するのなら、加えて1~2回(合計3~4回)程度まで」でしょう。手前味噌ではありますが、伊藤塾の公開模試の密度は高いため、最低限こちらの2回分は受講されることをお勧めします。

>>★形式・質ともに高いクオリティーを誇る伊藤塾の「全国公開模擬試験」はこちら

また、本試験も公開模試もそうですが、問題には作問者の癖が出るものです。いつも利用している受験指導校の作問者の癖に慣れすぎていると、本試験の作問者の癖とのギャップに対応しにくくなってしまうこともあります。ですから、複数の受験指導校の模試を受けて、いつも利用している受験指導校の作問者とは違った作問者が作った問題を解くのにも、一定の効果があります。

しかし、公開模試を受けるからには、復習の時間も確保する必要があるため、公開模試を受けると、その公開模試当日を含めた1~2日分、普段の学習を行うことができないというデメリットがあります。このことを考慮すると、「作問者の癖」云々の問題ではなく、そもそも自身の知識の量・精度が不足しているため、点数が(推定)基準点に届かないという方は、やたらと公開模試を受講するよりも、公開模試の受講は最低限に抑えて、普段の学習に時間を割く方がよい場合もあるでしょう。

繰り返しますが、上記で述べたことはあくまで目安であり、公開模試を受けるべき回数は人によって異なります。公開模試の回数に関して悩んでいる方は、カウンセリングを通して講師に相談してみるとよいでしょう。

>>★講師とカウンセリングができます!「パーソナルカウンセリング制度」はこちら

【Q3】 「公開模試は復習した方がいいですか?」

公開模試はその年の本試験問題を想定して作成された予想問題であるため、これを復習するだけでもかなり効率的な学習となります。また、公開模試も「問題演習」であるため、自分の知識の抜けがどこにあるかを把握することができますし、自分のどこに弱点・課題があるのかを把握することによって直前期の学習プランの組み立ての素材にもなります。となれば、公開模試の問題を解きっぱなしにするのは非常にもったいないといえ、これを復習しない手はありません。

なお、伊藤塾の全国公開模擬試験には、模試の問題の解説を行うと共に2018年本試験のポイントをお伝えする特別講義が付いています(択一式:高橋智宏講師、記述式:坂本龍治講師)。特別講義では、公開模試の中で受験生の差が付きやすいポイントや、躓きやすいポイントを取り上げていますので、ぜひご視聴ください。

【Q4】 「公開模試はどこまで復習したらいいですか?」

公開模試の復習が有益といっても、繰り返しのスピードが要求される直前期において、公開模試の復習に励むあまり、普段の学習がペースダウンすると逆効果であり、公開模試の問題を全て復習するのは得策ではありません。ですから、公開模試の受験直後の復習は、「公開模試の翌日まで終わること」を目標として設定し(長引いても2日後まで)、それまでにできるような優先順位を付けて復習することが重要です

択一式の復習で優先的に取り組みたい項目は以下の通りです。

[1] 間違えた問題の解説を読み、手持ちのテキストの該当箇所を確認する。

テキストに戻ることはつい省略してしまいがちですが、他の知識との関連を想起するきっかけにもなりますので、できるだけ手持ちのテキストの該当箇所を確認するようにしましょう。また、公開模試で出題されたことが分かるように手持ちのテキストの該当箇所に「★」などのマークをつけておくと、普段の学習から「公開模試で出題された(=今年の本試験の出題可能性が高い)」といった意識を持って学習することができるのでオススメです。

[2] 正解した問題であっても、判断に自信が持てなかった(「△」を付けた)肢の解説を読み、手持ちのテキストの該当箇所を確認する。

公開模試の復習では間違えた問題ばかりに目がいきがちですが、正解した問題であっても判断に自信が持てなかった肢については、公開模試での肢の組合せ上、他の肢で正解できたかもしれませんが、これを放っておくと本試験における致命傷になるおそれがあるので、この点も復習するようにしましょう。

以上、公開模試の活用法として、お役立ていただければ幸いです。

これからも、
「がむしゃらに、ひたむきに、効率よく」
頑張っていきましょう!


YouTube: 直前期応援メッセージ ~髙橋智宏講師~

>>★髙橋智宏講師の直前対策講座「択一式登記法集中演習講座」はこちら

>>★髙橋智宏講師の直前対策講座「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」はこちら

伊藤塾司法書士試験科講師 髙橋智宏

2018年4月30日 (月)

直前期の上乗せ点獲得戦略

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みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋です。
今回は直前期における上乗せ点獲得戦略についてお話していきます。

【1】 上乗せ点獲得の必要性

私は日頃多くの受験生の方のカウンセリングをさせていただいているのですが、「全国公開模試」や「プレ模試」などの結果を受けて、基準点周辺の点数の方からよく相談をいただく悩みが、「(推定)基準点周辺からの伸びがない」というものです。すなわち、(推定)基準点周辺まではいけるが、その後、(推定)合格点まで点数を伸ばすことができないと悩む方が多くいらっしゃいます。

現在の司法書士試験における、基準点の合計から総合合格点突破に必要となる上乗せ点獲得の必要性は高いといえます。というのも、2017年度本試験においては、基準点の合計から総合合格点突破に必要となる上乗せ点が「26点(択一式で約9問分)」と高かったのに加え、基準点到達者のうち総合合格点を突破した人数(合格者)の割合が「55%」でした。つまり、基準点に到達しても半分程度しか合格できないといった、いわば「総合点勝負」の年であったといえます。このように、総合点勝負の傾向にある現在の司法書士試験においては、基準点に到達するための学習だけでなく、合格点を突破するための上乗せ点を確保するための学習も必要となります

【2】 上乗せ点獲得戦略~総論~

上乗せ点を獲得するためには、普段の学習範囲を拡大させる必要があるわけですが(必ずしも教材を増やすという意味ではありません)、これには当然、手を広げすぎてしまい、基礎知識が抜けてしまうリスクが存在します。ですから、上乗せ点を獲得するためとはいえ、試験の全範囲につき学習範囲を拡大させるのは危険といえます。そこで、直前期における上乗せ点獲得戦略としてお勧めしたいのが「択一式登記法の徹底強化」と「マイナー分野の強化」の2点です

【3】 「択一式登記法の徹底強化」について

まず、択一式を午前の部、午後の部で分けて考えると、上乗せ点を積み上げやすいのは基準点の低い午後の部です。そこで狙い目になるのが、択一式午後の部の68%(24/35問)の得点割合を占める択一式登記法[不動産登記法・商業登記法]です。

上乗せ点を取るためには、正答率が低めの問題、すなわち「過去問知識だけでは解けない問題」も正解しなければなりません。受験生の多くはテキストと共に過去問を軸として学習しているため、過去問知識だけで解けない問題となると、正答率がガクッと下がります。ですから、上乗せ点を取るためには過去未出の知識も、ある程度押さえていく必要があるといえます。具体的には、択一式の登記法に関しては、「テキストを丁寧に細かい箇所まで読み込むようにする」「答練や模試の問題を(量を増やして)繰り返す」といった学習方法がよいでしょう

【4】 「マイナー分野の強化」について

「第三者のためにする契約」「借地借家法に関する登記」などのマイナー分野は手薄になりがちで敬遠されてしまう傾向がありますが、上乗せ点を獲得するためには、マイナー分野の問題も正解する必要があります。具体的には、これまでテキストや問題演習の際に触れずに飛ばしていた方は、このようなマイナー分野に関しても学習の範囲内に組み入れるようにしましょう

また、マイナー分野は対策が手薄になりやすい分、基本概念、制度意義がつかめていないまま条文・判例の知識を詰め込んでしまいがちです。これらが理解できていないと中身の知識をすぐに忘れてしまい、記憶効率が悪いと言えます。ですから、まずは基本概念・制度意義をしっかり理解することが大事であり、そこから中身の条文・判例の知識を肉付けしていく形が効率的です。時間がないからといって、中身の知識の丸暗記に走らないように注意をしましょう。

【5】 最後に

私は、上記の上乗せ点獲得戦略の指針である「択一式登記法の徹底強化」と「マイナー分野の強化」に沿った直前対策講座を担当していますが、もしよろしければこれらの対策としてご活用いただければ幸いです。

>>★択一式登記法の徹底強化を図る直前対策講座「択一式登記法集中演習講座」はこちら

>>★マイナー分野の強化を図る直前対策講座「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」はこちら

なお、これまで上乗せ点の獲得戦略に関してお話しましたが、公開模試で基準点周辺の点数だったからといって、必ず上乗せ点獲得のための学習戦略を採らなければならないわけではありません。つまり、公開模試等で落とした問題が単に「知識の精度不足」によるものであり、ご自身の有する知識の量としては問題がない場合には、お手持ちの教材を繰り返した方がよいといえるでしょう。

以上、これからの直前期における学習の参考として、お役立ていただければ幸いです。

これからも、
「がむしゃらに、ひたむきに、効率よく」
頑張っていきましょう!


YouTube: 直前期応援メッセージ ~髙橋智宏講師~

伊藤塾司法書士試験科講師 高橋智宏

2018年4月24日 (火)

熱く、冷静に

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 皆さんこんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の北谷馨です。

 GWが近づき、直前期の中でも大事な時期になってきました。
 直前期には、様々な「バランス」が重要になってきます。
 勉強時間という点では、「時間×集中力」がMAXになるようなバランスが必要です。ひたすらに時間を増やせば良いというものではありません。
 勉強内容については、インプットとアウトプット、科目間、択一式と記述式の配分など、本試験にピークを持って行けるように、得手・不得手も踏まえながら、全体を底上げしていくことが必要になります。

 ここで特に強調したいことは、「熱さ」と「冷静さ」のバランスです
 「熱さ」については言うまでもありません。合格者に共通して言えることは、本気で最後までやり抜いたということです。何があっても絶対に自分に負けず、熱い気持ちを持ち続けてください。
 その一方で「冷静さ」も必要です。気持ちばかり先走ってしまうと、現実的ではない無茶な計画を立ててしまいがちです。冷静に、「本試験までに何ができるか」を考えてください。これは逆に言えば「何をしないか」ということなので、勇気と決断力も必要です
 これはなかなか難しいことです。「絶対に受かりたい」という気持ちがある一方で、「過去問を全部やる時間はないから、直近15年分に絞る」など、状況に応じて決断をしなければならないからです。
 意識的に、気持ちが冷静な時に学習計画を立ててください。もし修正が必要なときは、勢いで変更せずに、本当に変更して良いか、落ち着いて考えましょう。ご自身では難しい場合は、私達に相談してみてください。メールのほか、予約制になりますが、電話で直接相談していただくこともできます。

>>※北谷馨講師も担当する司法書士パーソナルカウンセリング制度はこちら

 また、伊藤塾では、皆さんが「熱さ」と「冷静さ」を保って、最高の状態で超直前期を迎えられるよう、「2018年司法書士試験超直前 気合入れ講義」を実施します。ぜひご参加いただければと思います

2018年司法書士試験超直前 気合入れ講義
 06/09(土)18:00~19:30 大阪梅田校
 06/16(土)19:00~20:30 東京校(渋谷)
 無料ストリーミング配信 6/17(日)18:00~

>>※公開講座「2018年司法書士試験超直前 気合入れ講義」の詳細はこちら

 直前期はどうしても一人で考え込んでしまうと、ネガティブになってしまいがちです。そういった時は、ぜひ伊藤塾の個別相談制度や各種イベントを利用してください。私達は皆さんを最後まで応援しています!

>>※北谷馨講師による直前対策講座「これで克服!弱点分野攻略講座」はこちら


YouTube: 司法書士 直前期応援メッセージ ~北谷馨講師~

伊藤塾司法書士試験科講師 北谷 馨

2018年4月16日 (月)

2018年司法書士試験合格のために、何を考え何を実行すべきか

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皆さんこんにちは。山村拓也です。

早いもので、東京では桜の季節も終わり、ゴールデンウィーク(GW)が迫ってきました。今年は例年に比べて1週間以上早く桜のシーズンが終わってしまい、伊藤塾近くの桜並木も今はきれいな葉桜になり、いよいよ本格的な直前期に入ったことを実感します。

さて、今年度の本試験合格を本気で目指す皆さんは、ここまで、「順調」という方もいれば「現時点ではまだまだ課題が山積み」という方もいらっしゃるでしょう。初受験者や2回目受験くらいの方々は後者が圧倒的に多いことと思います。
講義等でいつもお話をさせて頂くように、特に受験回数が少ない方は6月以降に大きく実力を伸ばして合格ラインに入っていく傾向が顕著です。したがって、この時期は模試等の成績に一喜一憂し、むやみに焦る必要はありません。不安と戦いながらも、しっかりと本試験を見据えた「自分の決めた学習」をこなせているのであれば大丈夫です。

もっとも、直前期後半戦への橋渡しとして重要な時期にあたるGWを利用して、合格戦略・メンタル管理術を再確認し、更なるモチベーションアップ・集中力アップを図ることができれば、より一層充実した直前期後半戦を迎えられます。
特に、これからが勝負だという受験生にとっては、このGWで学習態勢を整え、後半戦のラストスパートに備えることが重要です
また、ここまで順調に学習が進んでいる受験生にとっても、本試験で足元をすくわれないために、この時期にメンタル面を含めた総合的な合格戦略・合格戦術を確立しておくことは重要です。

そこで、今年も「合格のために、何を考え何を実行すべきか」をお伝えするべく「2018年 司法書士試験突破!必勝講義」を、東京校ライブ4/28(土)14:00~・大阪梅田校ライブ4/30(月・祝)14:30~の日程で実施します

この「必勝講義」は私が講師になった当初より10年以上毎年実施しているもので、今年も本気で頑張る受験生の皆さんに、近時の本試験の傾向を踏まえた、合格を勝ち取るための技術論と精神論を余すことなくお伝えさせて頂きます。
さらに、直近の2017年合格者にも自身が合格した昨年の直前期及び本試験を振り返って、合格を勝ち取るための有益なアドバイスをしてもらいます。

>>※山村拓也講師による公開講座「2018年 司法書士試験突破!必勝講義」はこちら

この必勝講義が、これからラストスパートをかける皆さんにとって2018年司法書士試験合格の推進力になる場になれば幸いです。
寒暖の差が激しく体調を崩しやすい気候が続きますが、お身体には十分気をつけて頑張って下さい。

伊藤塾司法書士試験科講師 山村拓也

2018年4月 5日 (木)

希望の光が輝く春! ~入門講座 小山クラスの特徴~

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みなさん,こんにちは。今回は,2019年の合格を目指す皆さんに向けまして,4月16日(月)より開講する『入門講座 小山クラス』の案内をさせて頂きます。

『オリジナルカリキュラム』

・入門講座は「体系編」と「本論編」で構成されており,小山クラスもその構成は同じです。ただし,「オープニングターム(=他の担当講師の“体系編”に相当)」が終了した後の本論編講義は,各科目とも「ビルドアップターム」と「コンプリートターム」の2つのタームに分かれて進行することになります。
・このカリキュラムの最終目的は,直前期(=カリキュラム終了後の約3か月)にこれだけやれば良いという完成形を作り上げることです。(随分と先の話ですが)試験である以上,直前期の攻略が合否を分けるからです。

①オープニングターム

  • オープニングタームの目的は「司法書士試験の攻略方法を知る」ことと「主要5科目の特徴を掴む」ことです。この2つの目的を達成することに割り切ります。
  • 合格のための方法論と主要5科目の特徴を知った上で本論編に突入するのと,漠然と本論編から学習するのとでは,最終的には大きな差がついてしまいます。その意味で,小山クラスのオープニングタームはたったの9時間ですが,非常に重要な期間と言えます。

②ビルドアップターム~自学力を駆使して合格力をつける330時間~

  • 最終的に,合格力は自分の努力で築きあげる必要があります。ただ,闇雲な努力や根性論だけでは合格力はつきません。皆さんが正しい努力を実践するために「講義」があるのです。
  • 講義では,「何を,どこまで,どのようにすればよいのか」というストライクゾーンを明示し,そのストライクゾーンをどのようにしてマスターするのかという方法論をお伝えします。あとはみなさんが日々の「良質な復習」をすることで,合格力が養われていきます。その大事な土台作りを行うことを目的とした期間が「ビルドアップターム」です
  • ビルドアップタームの講義では,入門講座テキストを使用し(一部後掲総整理テキストを使用),「肝となる大事な骨格」を中心に展開していきます。
  • 講義後の復習に際しては,小山作成の「復習シラバス(=復習マップ)」を配布し,皆さんが迷うことなく「良質な復習」(+入門講座テキストから総整理テキストへのシフトチェンジ)ができるように工夫致しました。

③コンプリートターム~情報の一元化作業を完成させ,知識を万全なものとする66時間~

  • ビルドアップタームで築いた土台を前提として,「合格に必要な知識を確立する期間」がコンプリートタームとなります。
  • コンプリートタームでの使用テキストは「総整理テキスト」となります。

※総整理テキストは,直前対策講座(「クイックマスター総整理講座」:毎年,多くの合格者が利用している講座)で使用するテキストです。

 
YouTube: 司法書士 小山クラスはここが違うPart1 小山クラスだけのオリジナル、総整理テキストの活用法

>>※小山クラス限定!「総整理テキスト」のサンプルはこちら

  • 司法書士試験は処理しなければならない情報量が非常に多いため,情報の一元化作業が不可欠です。そこで小山クラスでは情報一元化作業のツールとして「総整理テキスト」を用意致しました。
  • 先述したとおり,小山クラスの最終目的は,直前期にこれだけやれば良いという完成形を作り上げることです。
  • 合格に必要な情報をどんどんと総整理テキストに集約して頂き,皆さん自身が加工を施した総整理テキストが完成形(=自分オリジナルの120%合格テキスト)となるのです。そして,大事な大事な直前期 ―直前期の攻略が合否を分ける― は徹底的にそれをマスターします。その先にあるのは“無敵の自分”です。
  • なお,(当然ではありますが)「入門講義テキストを使用してのビルドアップ」から「総整理テキストを使用してのコンプリート」への“シフトチェンジの仕方”は,講義や(先述の)復習シラバスを通じてお伝え致します。

『カウンセリング制度の充実』

 伊藤塾では,個別指導を徹底しており,その一つに「カウンセリング制度」があります。私は,この個別カウンセリングを利用してこそ,個別指導が徹底できると考えております。なぜなら,合格すべきトレーニング方法は,100人いれば100通りの方法があり,一人一人にカスタマイズされたトレーニング方法を実践する必要があるからです。講義内でも,その利用を促しておりますので,小山クラスの場合,受講生の利用回数や頻度は高いです。この個別カウンセリング制度は,ライブクラスだけではなく,WEB受講の方も利用できます。ドンドンと利用して頂き,2019年の合格を掴み取って頂ければと思います。

『最後に』

  • 合格は人生の景色を変えてくれます。その景色を是非とも皆さんに見て頂きたいのです!
  • 2019年の合格を目指し,一緒に頑張っていきましょう!
  • 「明るく,楽しく,新しく」をモットーに,最後まで,全力で皆さんをサポート致します!

“迷わず行けよ!行けば合格(うか)る!!”

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YouTube: 2019年合格目標 司法書士入門講座春生 小山クラスの特長

小山晃司

2018年4月 2日 (月)

2019年合格目標司法書士入門講座春生 福満クラスのご案内

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皆さん、こんにちは。伊藤塾専任講師の福満賢一です。本日は、私が大阪梅田校で担当する2019年合格目標司法書士入門講座春生のご案内を致します。私は、今、新規開講に向けて、ワクワクしています。今年は、またどんな方に出会えるかと。一緒に夢を語り合いましょう。夢に向かって頑張る姿。美しいと思います。

入門講座の特長は、十分な講義時間で基礎力が徹底的に養成されることです。この講座は、法律の初学者でも短期で合格して頂くための講座です。法律を学ぶのが初めての方。大丈夫です。私は、懇切丁寧に基礎から徹底的に、法律初学者の方にもわかりやすく、難解な法律用語を日常用語に翻訳するなどして講義を致します

テキストについて。いいですよ。質量ともにこれで十分です。多くの合格者に絶賛されております。本試験の傾向や実務の動向を徹底研究し改訂しています。また、講義テキストと復習用教材がリンクしており、学習効率が上がる工夫をしております。テキストには十分な余白がありますので、そこにたくさん講義内容を書き込んでください。そしてマーカーで色を塗り、付箋を貼り、思う存分加工してください。情報を一元化すること。これが大きな武器になります。

択一式試験対策として、常にアウトプットを意識したインプットを念頭に、似て非なる知識を徹底的に確認、横断整理を致します。それで、確固とした知識が身につきます。具体例・理由づけを豊富にテキストの行間を丁寧にしっかり講義します。

記述式試験対策として、問題文の読み方、頭の働かせ方、発想の仕方、答案構成の仕方を丁寧に解説します。独自の瞬間発想式鉄則を武器に、自然と合理的な解法を身につけて頂きます

私は、司法書士最短合格法はこう考えます。

絶対合格する強い信念を持ち、暗記ではなく理解に努め、知識を絞り込み繰り返す。知識を正確に、基本事項を徹底すること。これらは、すべて、この入門講座で習得できます

私のモットーは、「伴走者になる」です。試験に出る範囲と深さを見極め、メリハリづけをします。単純暗記ではなく理解を重視します。単純暗記は、いわば脳に知識を張り付けていくようなものです。時間がたてば粘着力が落ち剥がれ落ちてしまいます。そうではなくて、全ての知識を理解のフィルターを通すことです。まさに自分の血肉化するわけですね。そのためにも、私は、具体例、理由づけを工夫します。大切なところは、何度も何度も繰り返して説明します。重要ポイントをピックアップしたpptレジュメを作成し、繰り返し学習のためのツールを提供します。覚えるべき重要ポイントの指摘だけにとどまらず、その覚え方まで言及します。いかにすれば一番皆さんの頭にそして心に残りやすいかを考えます。ライブにご出席くだされば、講義前、休憩時間、講義後、皆さんお一人お一人のご質問に丁寧にお答えします。

最後に、司法書士試験合格には、特別な才能、能力は不要です。司法書士試験は、確かに難関な試験ですが、学習のスタートから正しい学習法で学習してくだされば、短期合格は確実に可能です。そして、その正しい学習法を提供するのが、入門講座であります。人生を変えたい。人の役に立つ仕事がしたい。そんなあなたの夢を伊藤塾が全力でサポートし応援します!私も全力を尽くします。是非私と一緒に頑張りましょう!

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伊藤塾司法書士試験科講師 福満賢一

2018年3月24日 (土)

勝負をかける・・うかる!記述式の役割と私との約束

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とうとう直前期となった。再三、述べてきたとおり、本番で使えるのは、正確性の高い知識とスキルでしかない。量と正確性が両立できない以上、出題予想論点を軸に大胆に知識やスキルを絞って精度を高める勉強に邁進すべきことになる。直前期とは、知識量を拡張する「力士型」から知識量を絞る「ボクサー型」へと大転換を図り、機敏に動く「頭」作りの時間帯なのだ

 その知識量を大胆に絞り込むこむツールとして、「出題予想」がある。
 直前期学習の方法論、論点予想の重要性は、「平成30年の出題論点を予想する講義」で言及しているので、是非視聴していただきたい。

★<<蛭町浩講師・宇津木卓磨講師による無料公開講座「平成30年の出題論点を予想する講義」の無料ストリーミングの視聴はこちら

 直前期に実施する「うかる!記述式」は、3つの特色を持たせた演習講座である。

 1つ目は、出題予想講座として、本試験でのズバリ的中を狙う点にある。本試験で出題予想が当たれば、精神的に優位に立てることは言うまでもない。書式の試験は、いかに余裕をもって問題を解くかによって、問題の難易度の感じ方が大きく異なる試験だからである。また、出題予想が的中すれば、これまでの学習に苦戦していたとしても、一発逆転のチャンスが生まれることになり、それを狙うのである。

 2つ目は、冒頭に述べたとおり、直前期に学習対象となる「出題予想論点」を提供する点にある。試験は、アベレージ型ではなく、トーナメント型の一発勝負であり、本試験のたった1回の試験が解ければ、それで全てが終わる。出題予想論点を軸として学習対象を限界まで絞り込めれば、直前期の期間だけで、十分に合格圏内に滑り込めるのであり、奇跡を起こすことを狙うのである。

 3つ目は、「高地トレーニング」による「落差効果」を狙う点にある。最も非力な人間が他の動物に伍して生存できるのは、ひとえに順応性の高さによる。人はどんなに厳しい状況でもすぐに慣れる特性をもっている。本試験に対して質量ともに1.5倍の演習を行い、その状況になれれば、「落差効果」により本試験は、これなら解けると思えるものとなる。

 ここに予想論点の的中とは別の意味での精神的な余裕が生まれ、戦う意欲が生まれることになる。そして、それこそが時間ギリギリまでの粘りに繋がるのであり、それを狙うのである。 逆に直前期に、「論点スカスカ」の「ぬるい問題」をやれば、それが気持ちのいいものだけに、あっという間にそれに慣れ「逆落差」を生むことを忘れてはならない。

 また、これまで好成績をとってきた方は、「できないこと」への免疫が少なく、たった1つの「できない」で動揺し、粘りを失う傾向がある。くれぐれも「できない」ことに慣れておくことの必要性を忘れてはならない。

 「うかる記述式」は、以上の3つの狙いをもつ演習講座であり、受験生にとっては、厳しき内容の講座となっている。そこで、本講座を受講する方には、次の点を約束して頂くことになる。

1 答案を白紙にしない。

 書かない限り、答案は採点されず、絶対に奇跡は起きない。また、試験は受験生の本来もっている能力を評価するのではなく、仕事のやり方を問うているのであり、厳しい時間的な制約の中で何とか答案を書く工夫をすることが知識以上に重要だからである。

2 同じ過ちは二度しない。

 初見で問題にアプローチするチャンスは、不登・商登ともに3回ある。時間配分を含め、1回目のやり方が通用しなければ、その次は別のやり方を試さなければならない。状況に応じてやり方を変えられることが「臨機応変」なのであり、「現場力」なのである。それを養うのが本講座の隠れた狙いとなっていることを忘れないで頂きたい。

3 やりっぱなしにしない。

 なぜ、不登、商登各3問しか出題しないのかといえば、その量ならば、直前期の期間内で確実に知識、スキルを身に付けることができるからである。人は不安感をまぎらすために量に走る傾向がある。しかし、直前期に最悪なのは、やりっぱなしによる中途半端な知識、スキルが頭に残ることにある。これこそが本試験での混乱の張本人なのであり、考えるのではなく思い出すことによる処理スピードの鈍さにつながり、軽快に考えを巡らすことの妨げとなるからである。

 何もしなくとも時はたつ。座して100人中の98人となるのか、奇跡を起こすのかは、あなたの決断と行動しだいである。

★<<蛭町浩講師の「うかる!記述式~合格への直前予想編~」はこちら


YouTube: 司法書士平成30年度の出題論点を予想する講義(ダイジェスト)

伊藤塾司法書士試験科講師 蛭町浩

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