法科大学院・司法試験・公務員試験・法律の資格の伊藤塾
法科大学院・司法試験・公務員試験・
司法書士・行政書士の資格の伊藤塾
株式会社 法学館

« 気合い入れ講義で不安をぶっ飛ばせ! | 講師からのメッセージTOP | 平成30年度認定考査を終えて »

2018年6月 5日 (火)

第三者のためにする契約【講義再現版】

Doc_054219dib

 みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

 全国公開模擬試験の実施も終わり、この結果を踏まえて「司法書士パーソナルカウンセリング制度」で学習方針のご相談をされる方も多くなっています。

>>※「司法書士パーソナルカウンセリング制度」の日程はこちら

 その中でも、「基準点からの上乗せ点の確保をどうしたらいいでしょうか?」といったご相談をよくいただくのですが、そういった方にオススメしたいのが,私が担当する「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」です。

 今回は民法で受験生が手薄になりがちな「第三者のためにする契約」の講義内容のダイジェストを講義再現版として文章でお届けしたいと思います

 第三者のためにする契約は、大問単位としては平成18年に1度だけ出された分野ではありますが,実は,債権法改正の対象にもなっている制度であり,試験委員の注目度も高いと思われますので,今まであまり勉強してこなかった方も,ここで第三者のためにする契約の仕組みを理解していただければと思います。

【1】 意 義

 第三者のためにする契約とは,契約当事者の一方が第三者に直接に債務を負担することを約する契約をいいます(537~539条)。契約から利益を“受”ける第三者を「受益者」,受益者が利益を受ける契約の成立を“要”求する者を「要約者」,要約者の要求により受益者に債務を負担することを承“諾”する者を「諾約者」といいます。例えば,A(要約者)がB(諾約者)からB所有の車を買い,Bが車をC(受益者)に引き渡すことを約束する場合がこれに当たります。

Photo_10第三者のためにする契約のメリットは,債務者が直接第三者に目的物を給付することによって,債権者が給付物を受け取り,その後,第三者に給付する手間を省くことにあります。上記の例で言うと,本来,AはBから車を受け取り,Cに引き渡す必要があるところ,BからCに直接引き渡すことで,その手間を省いています。

【2】 要 件 

 第三者のためにする契約の成立要件は,以下の①②です。なお,③は受益者の諾約者に対する給付請求権の発生要件です。

① 要約者と諾約者との間に有効な契約が成立すること

② 第三者に直接権利を取得させる趣旨が契約内容とされていること

 第94条2項,第96条3項の第三者保護規定の適用に関し,受益者は,保護されるべき「第三者」に当たりません。受益者の権利は第三者のためにする契約から直接生じたものであり,受益者は外形を信頼して「新たに独立した法律上の利害関係を有するに至った第三者」とはいえないからです。

Photo_9③ 第三者の受益の意思表示があること

 第三者は,契約締結の当時に現存していなくともよいとされています。したがって,第三者のためにする契約締結時に受益者になる者が胎児や設立前の法人であってもよいことになります(大判明36.3.10)。第三者が特定し現存することは,第三者の権利取得の効力発生要件であって,契約の成立要件ではないからです。ただし,受益の意思表示をする時には現存しなければなりません。
 受益の意思表示は,明示でも黙示でもよいとされています(大判昭18.4.16)。諾約者に受益の意思が伝わればよいからです。また,受益の意思表示を不要とする特約は,無効です(大判大5.7.5)。第三者に利益があっても,その意思を無視して強制されるべきではないからです。

【3】 効 果

(1) 受益者Cの地位

 第三者が諾約者に対して受益の意思表示をしたとき(537条2項)は,直接の給付請求権を取得します(同条1項)。
 第三者の受益の意思表示は,要約者の権利が消滅時効にかかる前にすることを要します(大判大6.2.14)。

2_4  第三者が受益の意思表示をして給付請求権が発生した後は,当事者(要約者・諾約者)は,その給付請求権を変更又は消滅させることができません(538条)。受益の意思表示により,第三者の権利が確定するからです。これに対し,給付請求権が発生する前は,当事者は,それを変更又は消滅させることができます(同条反対解釈)。

(2)要約者Aの地位

 要約者は,契約成立時から,諾約者に対し,第三者に履行するように請求することができます。よって,この履行請求権は,契約の成立時から消滅時効が進行します(大判大6.2.14)。要約者の履行請求権は,契約の成立と共に発生し,第三者が受益の意思表示をする以前にも存在しているからです。

3_4(3)諾約者Bの地位

 第三者の受益の意思表示により,諾約者は,第三者に対して給付義務を負います。もっとも,諾約者は,要約者との間に関する抗弁を第三者に対抗することができます(539条)。受益者の権利は,当事者間(要約者―諾約者間)の契約に基づき生じるものだからです。例えば,諾約者の要約者に対する同時履行の抗弁権,契約の無効・取消し,契約の解除などがあります。

4_5  ここでの説明は以上となりますが、あくまでも上記の説明は講義のダイジェスト版です。「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」では、問題集も付属した、より充実した内容のテキストを使って講義をしていますので、ぜひご活用ください

 また、北谷馨講師の担当する「これで克服!弱点分野攻略講座~頻出分野編~」では、「仮登記」「区分建物に関する登記」といった苦手になりがちな頻出分野を集中的に短時間で克服できますので、ぜひこちらもご活用ください。

※ 当講座は分野別に小分けの講座になっているので、自分の弱点となっている分野(1回1〜3時間)だけを受講することができます。
※ レジュメ(各回20〜30ページ程度)はすべてダウンロードの上ご受講ください。教材の発送はございません。講義配信開始と同時にダウンロードしていただけます。

>>※北谷馨講師・髙橋智宏講師による「これで克服!弱点分野攻略講座」はこちら

これからも, 「がむしゃらに,ひたむきに,効率よく」 一緒に絶対合格に向けて頑張っていきましょう!

 YouTube: 司法書士 「これで克服!弱点分野攻略講座~頻出分野編~」 体験講義


YouTube: 司法書士 「これで克服!弱点分野攻略講座~マイナー分野編~」 体験講義

伊藤塾司法書士試験科講師 髙橋智宏

伊藤塾HOME 伊藤塾HOME プライバシーポリシー プライバシーポリシー サイトマップ サイトマップ 伊藤塾モバイル 伊藤塾モバイル 伊藤塾モバイル e-shop
Copyright © 伊藤塾/株式会社 法学館 All Rights Reserved since 1996.