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2020年8月 5日 (水)

2020年講師ブログ特別夏期講習~髙橋講師:第三者のためにする契約~

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 みなさん,こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

 お盆の時期が近づき,例年であれば受験生は本試験後で一息ついている頃ですが,今年は試験延期により本試験まであと約2ヶ月という直前期の真っ只中です。

 そこで,2020年の受験生の皆さんを応援するため,8/5(水)~8/16(日)にかけて,この伊藤塾講師ブログで私と北谷講師による「2020年講師ブログ特別夏期講習」を実施します。

 私のパートでは,普段の学習で手が行き届きにくい分野を解説していきます(第三者のためにする契約,抵当証券に関する登記,社債など)。この夏の期間を活用した実力アップ,そしてモチベーションアップの素材として活用してください!

 今回は「民法:第三者のためにする契約」を取り扱います。

1 意 義

 第三者のためにする契約とは,契約当事者の一方が第三者に直接に債務を負担することを約する契約をいう(537~539条)。契約から利益を“受”ける第三者を「受益者」,受益者が利益を受ける契約の成立を“要”求する者を「要約者」,要約者の要求により受益者に債務を負担することを承“諾”する者を「諾約者」という。

〔具体例〕A(要約者)がB(諾約者)からB所有の車を買い,Bが車をC(受益者)に引き渡すことを約束する場合がこれに当たる。第三者のためにする契約のメリットは,債務者が直接第三者に目的物を給付することによって,債権者が給付物を受け取り,その後,第三者に給付する手間を省くことにある(本来,AはBから車を受け取り,Cに引き渡す必要があるところ,BからCに直接引き渡すことで,その手間を省いている)。

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2 要 件

 第三者のためにする契約の成立要件は,以下の①②である。なお,③は受益者の諾約者に対する給付請求権の発生要件である。

① 要約者と諾約者との間に有効な契約が成立すること

② 第三者に直接権利を取得させる趣旨が契約内容とされていること

〔補足〕94条2項,96条3項の第三者保護規定の適用に関し,受益者は,保護されるべき「第三者」に当たらない≪確認問題①≫。受益者の権利は第三者のためにする契約から直接生じたものであり,受益者は「新たに独立した法律上の利害関係を有するに至った第三者」とはいえないからである。

③ 第三者の受益の意思表示があること

〔補足〕契約の成立の時に第三者が現に存しない場合(e.g.胎児,設立中の会社)又は第三者が特定していない場合(e.g. 懸賞論文)であっても,第三者のためにする契約は有効である≪確認問題②≫(537条2項)。第三者が特定して現存することは,第三者の権利取得の効力発生要件であって,契約の成立要件ではないからである。

3 効 果

⑴ 受益者の地位

 第三者が諾約者に対して受益の意思表示をしたときは(537条2項),直接の給付請求権を取得する(同条1項)。なお,受益の意思表示は,明示でも黙示でもよい≪確認問題③≫(大判昭18.4.16)。諾約者に受益の意思が伝わればよいからである。

〔補足〕第三者が受益の意思表示をして給付請求権が発生した後は,当事者(要約者・諾約者)は,その給付請求権を変更又は消滅させることができない(538条1項)。受益の意思表示により第三者の権利が確定するからである。これに対し,給付請求権が発生する前は,当事者はそれを変更又は消滅させることができる。

⑵ 要約者の地位

 第三者の権利が発生した後に,諾約者がその第三者に対する債務を履行しない場合,要約者はその第三者の承諾を得なければ,契約を解除することができない≪確認問題④≫(538条2項)

〔趣旨〕これは,発生した権利についての第三者の期待を保護する趣旨である。

⑶ 諾約者の地位

 第三者の受益の意思表示により,諾約者は,第三者に対して給付義務を負う。もっとも,諾約者は,要約者との間に関する抗弁(e.g.同時履行の抗弁権)を第三者に対抗することができる≪確認問題⑤≫(539条)

〔趣旨〕受益者の権利は,当事者間(要約者-諾約者間)の契約に基づき生じるものだからである。Photo_5

 今回の内容は以上です。最後に次の確認問題に取り組んでみてください!この記事がみなさんの学習のお役に立てば幸いです。≪確認問題の正解はこちら≫

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