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2020年10月

2020年10月30日 (金)

2020年度本試験のマイナー科目を振り返る

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みなさん,こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は,2020年本試験のマイナー科目の振返りとして,私なりの分析をお伝えします。難易度等に関しては,本試験問題分析会で話がありましたので,私からは今年の試験の特徴及び近年の試験の傾向から導かれる来年の試験に向けた勉強法を重点的にお話しします。

【1】 憲法の分析 ~判旨の押さえ方~

今年の問題では,第3問オを除いてすべて判例知識を問う問題であり,その中でも,近年の憲法における試験傾向でもある「判旨を問う問題」が目立ち(e.g.第1問エ,第2問ア),単に判例の結論を押さえているだけでは対応するのが難しかったといえるでしょう。

「判旨をどこまで読むべきか」は受験生にとって大きな悩みですが,自分でテキストに記載されている判旨を一通り読んでもポイントが絞りにくいため,実際に問題として出題されたときに対応するのが困難となります。具体的な対策としては,主観的な判断で判旨を読み込むのではなく,講師から強調のあった箇所,過去問,答練,模試などの問題で問われたポイントを押さえることをお勧めします。

【2】 刑法の分析 ~当てはめの難しさ~

今年の問題では,第26問「詐欺罪」に象徴されるように,問われている知識自体は基本的なものであっても,過去問と異なる長文の事例を用いていることから,知識の事例へのあてはめが難しく,解きづらさを感じた方も多いのではないでしょうか。このような「当てはめの難しさ」も近年の刑法における試験傾向として挙げられます

このような事例への当てはめをうまくできるようになるには,きっちり判例の論点を理解する必要があります。刑法の学習では事例の結論の丸暗記に走ってしまいがちですが,それだと事例を変えられたときに対応するのが困難となるため,問題を解く際にテキストに戻るのを欠かさず行い,何が論点となっている判例なのかをしっかり押さえるようにしましょう

【3】 民事訴訟法の分析 ~マイナー分野からの出題~

民事訴訟法では,マイナー分野に位置づけられる「証拠保全」から出題がありました。正答率が「77%」と高く出たため,多くの方が対応できたということになりますが,民事訴訟法はマイナー科目の中でも5問出題されるところ,出題者側にとっては多くの項目の問題が作れるため,このように過去にあまり出題されていない分野も再び狙われる可能性が他のマイナー科目に比べて高くなります(e.g.平成30年第1問「訴訟の承継」,第5問「再審」。

そのため,民事訴訟法の学習においては,(最終的には)頻出分野に絞らず,過去にあまり触れていない科目も含めて網羅的に触れるようにしておきましょう(もちろん頻出分野から優先的に学習することが大事です)

【4】 民事保全法以下の分析 ~過去問知識の有効性~

今年の民事保全法以下の科目(民保・民執・司書・供託)の問題は、実はすべて過去問知識で正解を導くことができる内容でした(下記の表を参照)。

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ここから分かるように、特に午後の部のマイナー科目の中でも民事保全法以下は特に過去問知識を押さえる必要性が高いといえます。言い方を換えれば,民事保全法以下では未出知識の習得をする必要性が他の科目に比べて低いということです。ですから,これらの科目では過去問への取り組みに重点を置くようにするとよいでしょう

ただし,注意してほしいのは,あくまで上記の表は平成以降の過去問のすべてを対象として割り出したものであるということです。「司法書士厳選過去問集」など問題数を絞った過去問集”だけ”を使用して学習するとなると(つまり過去問をインプット教材として扱うとなると),知識の網羅性としては不足することになるため,その点,最終的にはテキストや答練で網羅性を持たせることを忘れないようにしましょう。あるいは,これらの科目に限っては全年度分の過去問を使用して学習するというのも一つの手です。

いかがでしたでしょうか。今後のマイナー科目の学習指針を定める際の参考としてぜひお役立てください。

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2020年10月23日 (金)

合格のために大事なこと

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皆さんこんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の北谷馨です。

本試験が終わって1か月近く経ちました。

今年は、次の本試験までの期間が短いということで、すぐに勉強を再開している方が多いようです。試験延期に伴う疲労もある中、皆さん本当に頑張っていらっしゃいます。

効率的な勉強ができるよう、今後の学習プランについては、無料公開講座「2021年合格のための学習戦略」でお話ししていますので、ぜひお聴きください来年の試験までの期間が短いからこそ、余計なことをしている時間はありません。試験に出るところに絞り、かつご自身の弱点箇所を中心に、無駄のない学習をしていきましょう。

大事なことは、「弱点を見逃さない」ことと「試験に出ない箇所は気にしない」ことです。

合格ラインの正答率が8割程度であることを考えれば、いわゆる「Aランク」の問題を落としてしまうと、残り2割の難問でそれをカバーするのはかなり困難です。まずはしっかりと基本問題を守り切ることが、この試験では重要です。「攻め」よりも「守りきる」ことが大事であり、弱点の克服は必須です。

また、試験範囲が膨大であり、特に今年は次の試験までの期間が短いことを考えれば、「試験に出ない箇所(出ても合否に影響のないレベルの箇所)」に時間を使っている場合ではないことは明らかです。

 しかし、ご自身が分からないところが、「弱点」なのか「試験に出ない箇所」なのか、その区別が必ずしも容易ではないこともあるでしょう。私が担当する「スタンダードコース」の「スタンダード講義」では、「入門講座講義テキスト」で基本的なところから確認しつつ、押さえて欲しい知識についてテキストのマーク箇所を全て明示していきますので、学習の範囲で迷うということはありません合格に必要な知識を網羅的に短時間で押さえていくのに最適な講座となっています。弱点を残さず、余計なところに手を広げることなく勉強を進めていくことができます

また、コースでの受講であれば、インプット・アウトプット、択一式・記述式をバランスよく総合的に学習することができるので、勉強方法で悩む時間を節約できる点もメリットです。もちろん、改正対応も万全です。今後の学習計画で悩まれている方はぜひご検討ください。

 最後になりますが、今年の本試験の結果は、必ずしも満足できるものではなかったかも知れません。しかし、本試験終了の瞬間まで頑張り抜いたことは、ぜひ誇りを持っていただきたいと思います。

そして、次の目標に向かってまた頑張っていきましょう。応援しています。


YouTube: スタンダードコースのカリキュラムをご紹介します!

2020年度本試験の会社法・商業登記法を振り返る

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は、2020年本試験の択一式の会社法・商業登記法の振返りとして,私なりの分析をお伝えします。難易度等に関しては,本試験問題分析会で話がありましたので,私からは今年の試験の特徴及び近年の試験の傾向から導かれる来年の試験に向けた勉強法を重点的にお話しします。

※下記で紹介する正答率は伊藤塾調べ,過去問の出題実績は会社法施行の平成18年以降。

【1】 会社法の分析 ~過去問知識で解ける問題(肢)の少なさ~

昨年までの会社法の問題は,非常に難しい問題が多い傾向にありましたが,今年は簡単とまではいきませんが,基本的な問題が多かったため、近年の試験の中では解きやすい部類だったといえます。とはいえ,カウンセリングなどを通して受験生の話を聞くと,会社法で思うように点数が取れなかったという方も多いです。

その理由として考えられるのが、過去問知識で解ける問題(肢)の少なさです(計7肢で全体の15%)。下記の表から分かる通り,過去問知識のみで正解にたどり着ける問題は第32問「持分会社」の1問のみでした。その要因としては,仮装払込みや支配株主の異動を伴う募集株式の発行など平成26年度改正会社法からの出題が多かったことが挙げられます(計10肢で全体の22%)。

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未出の知識を問う問題(平成26年会社法改正の知識を問う問題も含む)の中にも基本的なものが多かったため,テキストなどで周辺部分まで知識を習得していれば対応できましたが,やはり学習対象を過去問に絞って学習されていた方には難しいと感じられたでしょう。例えば,第29問「取締役の任期」では、「エ」以外の肢は基本的といえる知識でしたが,過去問知識として対応できるのは「ウ」のみであったため,正答率は「60%」と低めに出ています。

それでは会社法の過去問に取り組むのが無意味かというと、そうではありません。会社法ではこまごまとした規定が非常に多いため,過去問を通してどこが本試験で狙われやすいのかを把握した上で学習をしないと,メリハリの付けた学習をすることができません。すなわち,本試験で狙われやすい箇所を知るという意味で,会社法でも過去問学習は引き続き必要です。ですから,過去問をただ解くだけではなく,過去問で問われた箇所について,積極的にその周辺を押さえるようにしましょう。加えて,過去問で問われていない箇所でも,平成26年改正会社法の知識に関しては引き続き注意が必要です(e.g.社外取締役の要件,株式の併合に関するキャッシュアウト(スクイーズアウト)の対応措置の規定)。

【2】 商業登記法の分析 ~難しい・細かい知識を問う問題~

商業登記法では難しい・細かい知識を問う問題が多く,全8問の正答率を平均すると「39%」であり,伊藤塾の分析会におけるAランクの問題は1問にとどまりました。過去問知識で解ける肢に関しても,やや発展的なものが多かったといえます。

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例えば,過去問知識で正解できる問題である第34問における「ウ」は,過去問知識だとしても細かい知識であり,押さえていなかった受験生が多かったのではないでしょうか。実際、この問題の正答率は「38%」とかなり低かったです。

■ 第34問ウ
『「社員が死亡したときは,その相続人が当該社員の持分を承継する。」旨を定款で定めている合資会社において,社員が死亡した場合には,当該社員の共同相続人のうちの一人であるAが当該社員の持分を承継する旨の遺産分割協議が成立したときであっても,Aのみの相続による加入を原因とする社員の変更の登記を申請することはできない。』→○

実際,近年の商業登記法の問題では,頻出分野(e.g.設立の登記,募集株式の発行の登記,役員等の登記)において,未出の先例や実務的な知識といった受験生が「難しい」「細かい」と感じるような知識の出題が多くなっています。そのため,不動産登記法と同様のアドバイスになりますが,商業登記法においても,頻出分野に関しては,答練等を通して未出先例等の知識及び実務的な知識を積極的に吸収するとよいでしょう。とはいえ、知識のインプットでも順序が大切なので、今年商業登記法の正解数が3問以下だった方は、年内は既出の基礎知識のインプットに重点を置き、年明けから未出知識のインプットをするようにしましょう(4問以上の方は、昨年度の答練等を活用して、年内から積極的に未出知識のインプットをすることをお勧めします)。

いかがでしたでしょうか。今後の会社法・商業登記法の学習指針を定める際の参考としてぜひお役立てください。

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2020年10月16日 (金)

2020年度本試験の不動産登記法を振り返る

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は、2020年本試験の択一式の不動産登記法の振返りとして,私なりの分析をお伝えします。難易度等に関しては,本試験問題分析会で話がありましたので,私からは今年の試験の特徴及び近年の試験の傾向から導かれる来年の試験に向けた勉強法を重点的にお話しします。

【1】 長文の問題への対応

近年の不動産登記法の問題は長文になる傾向にありますが,今年はそれが顕著に表れていた問題といえます(e.g.第14問「代位による登記」,第22問「処分制限の登記」)。問題文が長文になると難しくなるのが次の2点です。

⑴ 問題文を読むのに時間が掛かる

問題文が長ければ読むのに時間が掛かるので,読んだ上で判断する時間,又は多めに肢を検討する時間が削られてしまいます。その結果、ミスが生じやすくなり、点数が取りにくくなります。実際、今年の午後の部の択一式を解くのに70分又はそれ以上かかったという方も多いです。

問題文の読み取りを早くするために重要なのは、論点判断の材料となるキーワードに素早く着目することです。例として問題文の抜粋を用意しました。キーワードを赤字にしましたので、そこに注目してください。

■ 第22問ウ
「甲建物について,Bの抵当権の設定の登記請求権を保全するため,処分禁止の仮処分の登記とともに保全仮登記がされた場合において,当該保全仮登記に基づく本登記をすべき旨の本案の判決書の正本に記載の債務者の表示と,当該保全仮登記の登記記録上の債務者の表示とが異なるときは,当該保全仮登記の本登記をする前提として,A及びBは共同して当該保全仮登記の更正の登記申請することができない。」→○

もちろんキーワード以外を読まないわけではありませんが、キーワードに着目をした上でメリハリをつけて読むことで、問題文を読むスピードが格段に上がります。そして、このようにキーワードに着目できるようにするためには、普段の学習から論点のポイントとなるキーワードを押さえたうえで知識をインプットする必要があります。具体的には、普段テキストに目を通す際には、論点のポイントとなるキーワードに下線や丸を付け、そこに注目しながら読むようにしましょう。そうすることで、自然とキーワードに着目する癖をつけることができます。

⑵ 何の論点が問われているのかを把握するのが難しくなる

問題文が長文となると、事例が複雑になり、何の論点が問われているのかを把握するのが難しくなります。次のように、実際に解説を読めば知っていた知識だったものの、現場で判断できなかったものも多かったのではないでしょうか。

■ 第13問イ
「乙区1番賃借権の登記名義人であるA株式会社から賃借物の転貸を受けたBを登記名義人とする転貸の登記が乙区1番付記1号でされた後,Bの住所移転により登記記録上の住所とBの現在の住所が異なることとなった場合において,乙区1番付記1号転借権の登記の抹消を申請するときは,その前提として,Bの住所の変更の登記の申請をしなければならない。」→×

〔解説〕所有権以外の権利の登記の抹消を申請する場合には,申請情報の内容である登記義務者の氏名等が登記記録と合致しないときであっても,申請情報と併せて氏名等の変更又は錯誤若しくは遺漏を証する情報を提供すれば,前提として登記義務者の氏名等の変更又は更正の登記を申請することを要しない(昭32.6.28民甲1249号回答参照)。

このような問題に対応できるようになるためには、テキストの抽象的な記載から問題文の具体的な記載に変換して判断する、いわば「知識の変換力」が必要となります。そして、「知識の変換力」は、テキストの抽象的な記載と問題文の具体的な記載の行き来により、身に着けることができます。

すなわち,問題演習の際にマメにテキストに戻ることが大事です。問題演習の際に,正解できた問題に関してはテキストに戻らないという方も多いですが,それだと個別的な問われ方を押さえているだけで,本試験で角度を変えて問われたときに対応するのが難しくなるため,なるべく正解できた問題も含めてテキストに戻るようにしましょう。

なお、次の第19問オは,不動産登記法の出題でありながらも実際は民法の判例知識を問う問題でした。登記法の問題を解いていると、どうしても実体法の視点が抜けてしまいますが、この手の問題の判断にもコツがあります。午後の手続法の科目であっても、実体法の判例知識を問う問題には、問題文の冒頭に「判例の趣旨に照らし」という文言が付きます。そのため、この文言が出てきたら、「実体法の判例知識が問われている」ということを意識して問題を解くようにするとよいでしょう。

■ 第19問オ
「甲不動産の所有権の登記名義人であるAが死亡し,Aの法定相続人として配偶者B,子C及び子Dがいるときの相続による登記に関して,『Dが甲不動産を取得するが,DはBに対してBを扶養する義務を負担する』との遺産分割協議に基づき,Dを所有権の登記名義人とする所有権の移転の登記がされた後に,DがBを扶養する義務に基づく債務を履行しないときは,Bは,Dに対して債務不履行に基づく解除の意思表示をすることによって,解除を登記原因として当該所有権の移転の登記の抹消を申請することができる。」→×

〔解説〕共同相続人間において遺産分割協議が成立した後に,相続人の一人が他の相続人に対して当該遺産分割協議において負担した債務を履行しないときであっても,当該他の相続人は,当該遺産分割協議を解除することができない(最判平元.2.9)。

【2】 不動産登記法の難化傾向

近年、不動産登記法の難化傾向が続いていますが,その大きな要因となっているのが,未出先例(及びの登記研究の見解)の出題の多さです。

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今年は昨年に比べて未出先例等の数がやや減りましたが,直近で出された最新先例の知識を問う問題(e.g.第19問エ,第20問ア)や改正絡みの知識(e.g.第15問オ,第27問ウ)を問題もあったため,引き続き未出先例等は積極的に習得していく必要があるといえるでしょう

具体的には,答練等を通して未出先例等の知識及び改正絡みの知識を積極的に吸収するとよいでしょう。とはいえ、知識のインプットでも順序が大切なので、今年不動産登記法の正解数が10問以下だった方は、年内は既出の基礎知識のインプットに重点を置き、年明けから未出知識のインプットをするようにしましょう(11問以上の方は、昨年度の答練等を活用して、年内から積極的に未出知識のインプットをすることをお勧めします)。

いかがでしたでしょうか。今後の不動産登記法の学習指針を定める際の参考としてぜひお役立てください。

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2020年10月15日 (木)

今持っている力を活かして2021年に絶対合格!

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皆さん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の関信敏です。

2020年度筆記試験、本当におつかれさまでした。史上初めての長期戦を戦ってきた皆さんにはしっかりと休息をとって欲しいと思います。ただ、2021年度筆記試験までは逆に短期決戦となりますので、既に前を向いて歩き出している皆さんに少しだけ2021年合格への戦い方をお話しさせて頂きたいと思います。

2021年本試験まで準備期間が短いということは、「いかに効率良く勉強を進めるか」がポイントとなってきます。だとすると、新しい知識にどんどん手を広げていくというのは得策ではなく、皆さんが「今現在既に持っている力」をいかに活かすかが重要です。2020年本試験を受験された皆さんは1回目の受験だった方も含めて、相当程度の知識を既にお持ちな筈です。ただ、その知識が「合格に必要な程度の正確さを欠いていたため点数に結び付かなかった」ということが多いのではないでしょうか。

司法書士試験は「何となくこんな感じ」という程度の知識の人が間違うように問題が作成されていますから、中途半端な知識をたくさん持っている方が1番点数に結び付きにくいのです。でも、その知識を「合格に必要な程度の正確さ」まで引き上げてしまえば、一気に点数がアップするということでもあります。「今までこんなに頑張ってきたのに点数が上がらない」という方は、あともう一押し正確さを上げるだけで一気に合格ラインを超える可能性があるのです

そこで、お勧めしたいのが、私の担当している「司法書士合格への思考力完成講座」です。この講座では「各規定の制度趣旨」や「各論点の理由付け」の部分を徹底することにより、「知識の精度」を大幅にアップさせる講座です。これまで無理やり詰め込んできた知識が、無理なく自然に覚えられるようになり、より多くのことを覚えられる余裕ができます。また、本試験における「ひねった問題」に対応できるようになり、「ひっかけ的な問題」にもひっかからなくなります。これまで頑張ってきた努力がちゃんと点数に結び付くようになります。

本年度は例年と異なり「ゼミ形式」ではない「完全講義形式」となっていますので、より効率を重視した学習ができます。既に「民法編」「不動産登記法編」は全編を配信済みであり、「会社法・商業登記法編」も配信を開始しましたので、ご自身のお聴きになりたい科目から始めてみてはいかがでしょうか?また、従来の「ゼミ形式」を受けてみたいという方には、オプションの「Zoomゼミ」(有料)をお勧めします。10/15現在でまだ定員に空きが残っています。

それでは、引き続き頑張っていきましょう!これからも応援していきます!

★「司法書士合格への思考力完成講座」を含む「2021年合格目標『思考力』完成コース」はこちら


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2020年10月12日 (月)

2020年度本試験の民法を振り返る

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は、2020年本試験の民法の振返りとして、私なりの分析をお伝えします。今後、民法の学習指針を定める際の参考としてお役立ていただければ幸いです。

難易度等に関しては,本試験問題分析会で話があったと思いますので,私からは今年の試験の特徴及び近年の試験の傾向から導かれる来年の試験に向けた勉強法を重点的にお話しします。

 【1】 民法改正の出題

今年は民法(主に債権法・相続法)改正が初の出題範囲となる年であったものの,民法改正に関係する知識の出題は,次のようにそれほど多くはありませんでした。

① 第7問「不動産の物権変動」オ
② 第16問「保証人に対する情報提供義務」ア・イ・ウ・エ・オ
③ 第17問「定型約款」ア・イ・ウ・エ・オ
④ 第18問「解約手付」ア・イ
⑤ 第19問「消費貸借」ア・イ・オ

第16問と第17問は改正により新設された項目からの出題でしたが,それ以外は明文化の規定が問われているところも多かったため,今年の試験では改正の影響はさほど大きくなかったといえます。今年の出題がなかった分,来年は改正で大きく変更があった主要分野が狙われる可能性が高いといえます(e.g.時効,詐害行為取消権,契約不適合)。今後はより一層,相続法改正の対策を含めて,改正項目の学習に力を入れていきましょう。

★髙橋講師による「2021年合格目標 民法改正集中演習講座」はこちら

【2】 引っ掛かりやすい問われ方

今年の問題では,問われ方としては長文の問題も少なく,素直な問い方の問題が多かったですが,中には次のような引っ掛かりやすい問われ方の問題もありました。

 ① 第11問エ
「先取特権は,債務者がその目的物を第三取得者に引き渡した後はその物について行使することができませんので,Aの甲建物についての不動産保存の先取特権は消滅します。」→×

〔解説〕第三者への引渡しがあった場合に先取特権が消滅すると定める333条は動産を目的とする先取特権に関する規定であり,不動産を目的とする先取特権には適用がない。

② 第13問オ
「本件抵当権が実行されて甲土地が競売されたときであっても,その競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは,Cは,甲土地を買受人に明け渡すことを要しない。」→×

〔解説〕抵当権が実行された場合の明渡猶予を定める395条は抵当不動産が建物の場合に適用があり,抵当不動産が土地の場合には適用がない。

③ 第19問ア
「書面でする消費貸借契約の貸主は,借主に対して目的物を交付するまでは,契約の解除をすることができる。」→×

〔解説〕書面でする諾成的消費貸借における受取り前の解除権を定める587条の2第2項前段は,借主に解除権を認めるものであり,貸主に解除権を認めるものではない。

今回は肢の組み合わせの関係から,これらが正答率を下げる大きな要因とはなりませんでしたが,こういった引っ掛かりやすい問われ方の出題は,今年だけでなく,昨年(2019年)の問題でも見られた傾向です。こういったミスを「ケアレスミス」という認識で片付けずに,次のことを意識すると,上記のような問題にもしっかり対応できるようになります。

(1)制度趣旨から理解する

上記のような引っ掛かりやすい問われ方の問題は、単に知識で対処しようとすると反応しづらいため(「このような場合には適用がない」という知識の押さえ方を予めしておかないと対応できない),知識の制度趣旨にさかのぼって対応した方が効率的です。上記の①~③の問題を例にとって説明します。

① 333条は,動産上の先取特権は登記のような公示方法がないことから,取引の安全を重視して,第三取得者が譲り受けた動産の所有権を失うことがないようにしている。⇒不動産上の先取特権には適用がない。

② 395条は,抵当権の実行により競売がされて,出て行くまでに引越しの準備期間として,6か月の猶予期間を設けるものである。⇒建物の賃借にのみ適用があり,土地の賃借は対象外である。

③ 587条の2第2項前段は,書面でする諾成的消費貸借の成立後,実際に目的物が交付される前に,すでに目的物を借り受ける必要がなくなった借主側の事情を考慮して解除権を認めたものである。⇒貸主に解除権は認められない。

このように制度趣旨にさかのぼって対応するためには,普段の学習において制度趣旨から理解することが重要です。 

(2) 過去問から引っ掛けパターンを知る

例えば,上記②は,過去に平成24年第13問エにおいて,同様の出題がされています(下記の問題文を参照)。この問題から,目的物が土地か建物かで引っ掛ける出題パターンがあるということを把握することができるわけですが,過去問を解く際も,ただ〇×を付けるのでなく,このように出題パターンの類型(他にも根拠となる条文番号で引っ掛けるなど)を意識して学習すると,同じ知識に限らず,同様の手口で引っ掛ける問題が出されたときに対応しやすくなります

・平成24年第13問エ
「抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である土地を競売手続の開始前から使用する者は,その土地の競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは,その土地を買受人に引き渡すことを要しない。」→×

いかがでしたでしょうか。今後の民法の学習指針を定める際の参考としてぜひお役立てください。

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2020年10月 5日 (月)

過去問解析を2021年本試験に活かす講義

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は10/6(火)にYouTubeライブで実施予定である小山講師・関講師・私による「過去問解析を2021年本試験に活かす講義」のご案内です。

「過去問知識は絶対正解しなきゃいけない」
「過去問はできるだけ多く解くべき」
「過去問は問題集としてのみ使う」

こういった認識を改める必要のある時期、それが今です。
特に、今年は来年度の本試験まで例年よりも準備期間が短いわけですから、
過去問に関しても分量・取り組み方を見直す必要があります。

そこで、このイベントでは、
① 2020年本試験の問題から過去問知識の出題実績を割り出し、
② それに基づく過去問集への取り組み方を具体的に示し、さらに、
③ 過去の出題傾向から、今後重点的に押さえるべき分野をお伝えします。

①②では過去問学習で陥りがちな「単なる過去の問題を用いた〇×の確認」からの脱却を、
③では優先順位の把握による今後の学習の効率化を実現します。

2021年本試験に向けて、学習期間が例年より短いからこそ、例年通りの勉強を見直すべきといえます。
今回のイベントは過去問に真正面から向き合い、その効率を最大限に引き上げるものです。
これを知っておくかどうかで今後の学習効率が大きく変わります。ぜひご視聴ください!

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2020年10月 2日 (金)

学習再開に当たって~今後の学習指針~

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

9月27日の本試験を受験されたみなさん、改めて、本当にお疲れ様でした。

本来であればもう少し休みたいところですが、今年は試験延期の影響を受け、例年に比べて来年度の試験までの準備期間が短いため、受験生の学習再開に向けた動きも例年より早くなっています。私もカウンセリング等を通して、すでに多くの方から今後の学習指針についての相談をいただいています。

今回は学習の再開に当たって押さえてほしい3つのポイントをお伝えします。

① 学習範囲をむやみに狭めない

来年の本試験までの準備期間が短いとなると、学習範囲を狭めてしまいたくなりますが、来年の本試験の試験範囲が変わるわけではない以上、受験生としてやるべきことは変わりません。学習すべき範囲を従来よりも狭めると、本試験問題に対応できる幅も狭まってしまうため、学習範囲をむやみに狭めないようにしましょう。

② 年内は「基礎の理解」に重点を置く

来年の本試験までの準備期間が短いとなると、直前期のような繰り返しのスピード重視の学習を年内のうちから行いたくなりますが、それだと知識の上辺を固めるだけになってしまい、根本的な実力が付きません。すなわち、「ただ繰り返す」だけの勉強では、大幅な実力アップが望めないのです。

仮に今回の本試験における失点の原因が発展知識の不足にあったとしても、今から発展知識だけを押さえればよいわけではありません。発展知識を定着させるには、「基礎基本」の磐石な土台の構築が前提となります。焦らず年内は「基礎の理解」に重点を置きましょう。ここでいかに確固たる基礎を築けたかが、年明け以降の点数の伸びを左右します。

③ 単年の試験の特徴にとらわれない

直近の本試験というのは印象に残りやすいもので、来年に向けた学習でも、その特徴に沿った対策の勉強を行いがちです。しかし、今後焦点を当てて学習すべきなのは“今年の本試験”ではなく、“来年の本試験”です。例えば、今年の民法において主要分野で改正知識を問う問題がそれほどなかったからといって、来年の出題もそうとは言えません。同様に、今年の不動産登記法において登記記録問題の出題がなかったからといって、来年の出題もそうとは言えません。

“来年の本試験”に向けた学習に当たり、大事なのは今年の本試験単年の試験の特徴ではなく、近年の本試験の傾向です。今年単年の試験の特徴にとらわれず、来年を見据えて試験傾向をお伝えする本試験問題分析会を活用して、これを踏まえて今後の学習を行っていくようにしましょう。

今回の記事は以上です。学習の再開に当たって、皆さんの参考になれば幸いです。

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