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2020年10月23日 (金)

2020年度本試験の会社法・商業登記法を振り返る

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みなさん、こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。

今回は、2020年本試験の択一式の会社法・商業登記法の振返りとして,私なりの分析をお伝えします。難易度等に関しては,本試験問題分析会で話がありましたので,私からは今年の試験の特徴及び近年の試験の傾向から導かれる来年の試験に向けた勉強法を重点的にお話しします。

※下記で紹介する正答率は伊藤塾調べ,過去問の出題実績は会社法施行の平成18年以降。

【1】 会社法の分析 ~過去問知識で解ける問題(肢)の少なさ~

昨年までの会社法の問題は,非常に難しい問題が多い傾向にありましたが,今年は簡単とまではいきませんが,基本的な問題が多かったため、近年の試験の中では解きやすい部類だったといえます。とはいえ,カウンセリングなどを通して受験生の話を聞くと,会社法で思うように点数が取れなかったという方も多いです。

その理由として考えられるのが、過去問知識で解ける問題(肢)の少なさです(計7肢で全体の15%)。下記の表から分かる通り,過去問知識のみで正解にたどり着ける問題は第32問「持分会社」の1問のみでした。その要因としては,仮装払込みや支配株主の異動を伴う募集株式の発行など平成26年度改正会社法からの出題が多かったことが挙げられます(計10肢で全体の22%)。

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未出の知識を問う問題(平成26年会社法改正の知識を問う問題も含む)の中にも基本的なものが多かったため,テキストなどで周辺部分まで知識を習得していれば対応できましたが,やはり学習対象を過去問に絞って学習されていた方には難しいと感じられたでしょう。例えば,第29問「取締役の任期」では、「エ」以外の肢は基本的といえる知識でしたが,過去問知識として対応できるのは「ウ」のみであったため,正答率は「60%」と低めに出ています。

それでは会社法の過去問に取り組むのが無意味かというと、そうではありません。会社法ではこまごまとした規定が非常に多いため,過去問を通してどこが本試験で狙われやすいのかを把握した上で学習をしないと,メリハリの付けた学習をすることができません。すなわち,本試験で狙われやすい箇所を知るという意味で,会社法でも過去問学習は引き続き必要です。ですから,過去問をただ解くだけではなく,過去問で問われた箇所について,積極的にその周辺を押さえるようにしましょう。加えて,過去問で問われていない箇所でも,平成26年改正会社法の知識に関しては引き続き注意が必要です(e.g.社外取締役の要件,株式の併合に関するキャッシュアウト(スクイーズアウト)の対応措置の規定)。

【2】 商業登記法の分析 ~難しい・細かい知識を問う問題~

商業登記法では難しい・細かい知識を問う問題が多く,全8問の正答率を平均すると「39%」であり,伊藤塾の分析会におけるAランクの問題は1問にとどまりました。過去問知識で解ける肢に関しても,やや発展的なものが多かったといえます。

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例えば,過去問知識で正解できる問題である第34問における「ウ」は,過去問知識だとしても細かい知識であり,押さえていなかった受験生が多かったのではないでしょうか。実際、この問題の正答率は「38%」とかなり低かったです。

■ 第34問ウ
『「社員が死亡したときは,その相続人が当該社員の持分を承継する。」旨を定款で定めている合資会社において,社員が死亡した場合には,当該社員の共同相続人のうちの一人であるAが当該社員の持分を承継する旨の遺産分割協議が成立したときであっても,Aのみの相続による加入を原因とする社員の変更の登記を申請することはできない。』→○

実際,近年の商業登記法の問題では,頻出分野(e.g.設立の登記,募集株式の発行の登記,役員等の登記)において,未出の先例や実務的な知識といった受験生が「難しい」「細かい」と感じるような知識の出題が多くなっています。そのため,不動産登記法と同様のアドバイスになりますが,商業登記法においても,頻出分野に関しては,答練等を通して未出先例等の知識及び実務的な知識を積極的に吸収するとよいでしょう。とはいえ、知識のインプットでも順序が大切なので、今年商業登記法の正解数が3問以下だった方は、年内は既出の基礎知識のインプットに重点を置き、年明けから未出知識のインプットをするようにしましょう(4問以上の方は、昨年度の答練等を活用して、年内から積極的に未出知識のインプットをすることをお勧めします)。

いかがでしたでしょうか。今後の会社法・商業登記法の学習指針を定める際の参考としてぜひお役立てください。

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