伊藤塾司法書士試験科HP

伊藤塾おすすめリンク

  • お問い合わせ・受講相談
    伊藤塾各校舎へのお問い合わせ先、アクセスのご案内です。 お気軽にお電話・来校ください。
  • イベント
    ガイダンスや無料体験講義に参加して塾の特長や講座内容、担当講師、試験制度等をより深く知っていただくことができます。
  • メールマガジン
    定期的に学習に役立つ内容を発信しております。
  • 書籍案内
    皆さんの学習に、あるいは学習の合間に。本物の法律家になるために一度は読んでいただきたい書籍が揃っています。

伊藤塾校舎ブログ

坂本龍治講師 Feed

2020年9月 3日 (木)

令和2年度認定考査を終えて

Img20190703173341743906

令和2年度認定考査を受験された皆様、お疲れさまでした!

感染症拡大の影響があちこちで出る中、勉強をするのはかなり大変だったと思います。
また、試験が延期される中、気持ちを維持するのにも苦労したことと思います。

さて、試験の内容として率直に受けた印象としては、
①お!結構、新債権法の内容について踏み込んで聞いてきたな!
②やった!今年も模擬演習の問題で出題していたところがかなり聞かれている!
【以下参考:予想的中論点】
◇売買を前提とする訴訟物・請求の趣旨・請求原因事実(新作2問目)
◇契約の内容に適合しないことを理由とする抗弁(新作2問目)
◇代理構成を含む相殺の抗弁(重要1問目)
◇金銭消費貸借の要件事実(重要1問目)
◇契約内容不適合の評価障害事実の再抗弁(新作2問目)
③要件事実部分は解きづらい問題だが、それ以外の難易度を落として救済しているな。
 (ただし、第3問は難しかったです。)

第1問の小問⑴~⑶(訴訟物・請求の趣旨・請求原因事実)までは、
目をつぶっていても書けたかと思います。
問題は、小問⑷~⑹の抗弁~再々抗弁まで。
再々抗弁まで聞かれることが殆どないこともあり、
この時点でドキッとしたのではないかと思います。
そのうえ、新債権法を真正面から問う問題。

〔言い分〕の分量がX、Y共に1ページ程度と少なめに設定されていることが
問題の難易度の高さを表しています。
つまり、問題文中のヒントが少なく、
また、検討に時間を要することを見込んで
あえて不要な「事情」相当の記述を減らしているものと推察できます。

抗弁としては、
・契約の内容に適合しないことを理由とする解除の抗弁
・代理構成を含む貸金債権を自動債権とする相殺の抗弁
の2つを考えることができます。
なんとなく「表見代理?」というのがよぎったかも知れませんが、
Xが基本代理権を与えた事実や、X自身が代理権を与えたとYに伝えていた事実は
存在しませんから、表見代理の構成は成り立ちません。
Bに代理権の存在を確認したところ、Bが「間違いない」と言った
という事実が混乱を誘っているだけです。

抗弁は、模擬演習の予想がかなり当たっていたこともあり
過去問に加え、模擬演習編の新作問題、重要問題をしっかり消化していた方は
その応用で相当程度書けたのではないかと思います。
模擬演習では、契約の内容に適合しないことを理由とする「同時履行」の抗弁を
聞いていましたが、これに「解除」の要件事実を組み合わせれば形になります。

再抗弁として考えられるのは、
・契約内容不適合の評価障害事実の再抗弁
・代理権濫用の再抗弁(「悪意」構成+「知ることができた〔有過失〕」構成)
を考えることができます。いずれも新債権法の影響を受けています。
評価障害事実は、「ドリフト走行」のくだりから作文すれば良いのですが、
代理権濫用は焦ったかも知れません。
過去に出題実績がなく、また、記述を省略している書籍も多いからです。
ただし、冷静に考えることができれば、新債権法で条文化される前から、
判例法理として確立していた論点ではあります。
効果が「無効(93条ただし書類推適用)」から「無権代理行為とみなす(新民107)」
に変わったということはありますが、要件事実の構造は変わりません。
すなわち、
➊代理人が自己又は第三者の利益を図る意図で当該意思表示をしたこと
➋相手方が➊につき悪意又は有過失であること
の2点です。
過去問未出であることも考慮してか、
〔Xの言い分〕7では、「Aは、私の利益のためではなく、A自身の利益のために」
〔Yの言い分〕8でも、「Xは…Aは自分自身のために30万円を借りた」
と繰り返し、かつ、わかり易い表現で書かれています。
そのため、不安ばかりが先行しつつも、何とか形付けることは出来たかも知れません。

再々抗弁として考えられるのは、
代理権濫用の再抗弁で示された過失の評価根拠事実に対する評価障害事実です。
評価根拠事実に対して評価障害事実をあてる
の構造は、抗弁・再抗弁のレベルでも登場しています。

小問⑺は、新法を前提とした「承認による時効の更新」(新民152)
の理解を問うていますが、難易度は低く得点したいところです。
また、小問⑻も「事実認定」レベルの問題というよりは、
「認否」レベルの「不知」「沈黙」がどう作用するかを聞いている基本問題です。
第2問の業務範囲の問題も繰り返し問われている基本でしたから、
サービス問題といっても良いと思います。

第3問はかなり難しかったと思います。
Yが①Aに対する無権代理人の責任を追及することは、
②対Xとの関係においてAを代理人として成立した貸金債権をもって相殺主張する
という態度と矛盾するため(①②は両立しません。)、
①の時点で②の主張をしていないものとして、
Xの同意を前提に別事件として受任してもよい、との論述も筋が通るようにも思えます。
しかし、「第1問の設例において」が問題の前提であり、
②の主張が第1問の問題文中では現になされている以上、
これを無視することはできません。
そうだとすれば、①はXY間の訴訟におけるYの抗弁主張とも密接に関連しており
(①が棄却されればYとしては②の主張を維持する。)、
司法書士QがYの依頼を受任することは相当ではありません。
平成30年第17回第3問で、
無権代理人に対する責任追及を視点に含む問題が出題されており、
また、平成28年第15回第3問では、
形式的には主体を異にする別事件だが
実質は密接な利害関係があるから受任できない、
という視点を含む問題が出題されています。
このあたりの感覚を応用して何とか形づけることができれば御の字、
といった問題だったと思います。

昨年の問題は、難易度としてはそれなりに高かったにも関わらず
認定率はかなり高く、私も良い意味で予想を大きく外したのですが、
今年も高い認定率が維持されることを祈っています。
試験、お疲れ様でした!

伊藤塾専任講師 坂本龍治

2020年6月29日 (月)

緊急リリース!! 講座 「最後の記述式~“連想スキル”で枠ズレを防ぐ~」

Img20190703173341743906

皆さんこんにちは!伊藤塾の坂本龍治です。
この度、コロナ禍の影響を多分に受けている司法書士受験生の力になりたい!
ということで、記述式対策講座を緊急実施することになりました。

その名も「最後の記述式~“連想スキル”で枠ズレを防ぐ~」です。

不動産登記法5時間、商業登記法5時間の短い講義になりますが、
基本論点・重要論点を中心に、今ある知識をブラッシュアップすることで
より確実に点数につなげることを目指した講座となっています。

「効率的な学習戦略」を考えたときに重要なことは
多くの受験生が知らない知識を増やして点数を稼ぐことではなく
多くの受験生が知っている基本を他の誰よりも確実に点数に結びつけること
にあります。

一定のレベルに達すれば、試験で問われるほとんどの知識は
聞いたことのある知識、押さえたはずの知識となります。

ところが、
知っているはずなのに、押さえたはずなのに、
点数に結び付かない…
という現象が、平気で起こるのがこの試験の恐ろしいところです。

逆に言えば、多くの受験生が知っている知識であっても、
その一つ一つをミスなく処理し、着実に点数に結びつけていくことさえできれば、
それだけで差がつくのです。

特に、記述式は択一式と異なり、
一つの判断ミスが、多くの失点に繋がってしまう恐ろしさがあります。
「枠ズレ」ひとつが不合格判定に繋がる可能性があるのです。

だからこそ、
基本論点・重要論点を 「正確に」処理できるレベルに達することが極めて重要であり、
択一式対策以上に、今ある知識の「精度を高める」ことに重きをおくべきといえます。

こうした観点から「最後の記述式」は、
「今ある知識をブラッシュアップすることで」
「より確実に点数につなげることを目指した講座」となっているのです。

具体的には、
「連想スキル」を身に付けることでこれを実現します。
「連想スキル」とは、“あれを見たらこれを連想する”といった連想する力をいいます。
たとえば、「差押え」ときたら「元本確定?」、
「取締役会廃止」ときたら「代表権付与?」といった連想をするということです。

どんなに複雑に組み込まれた事案であっても、
ひとつひとつの論点から想起すべきことや、
検討のプロセスは変わりません。
いつもどおり、ひとつひとつの論点を紐解いたうえで分析することができれば
事案が複雑になっても安定して正解を導くことができるようになるのです。

でも、その「いつもどおりの分析」ってどういうこと??
「ひとつひとつの論点から想起すべきこと」ってなに???

これが分からないうちは、処理が安定しません。
この答えを提供するのが、
「最後の記述式~“連想スキル”で枠ズレを防ぐ~」です!

記述式の対策に悩んでいる方。
今ある知識に不安を抱えている方。
今ある知識をブラッシュアップする方向で合格を勝ち取りたい方。
ぜひ、本講座をご活用ください!!

★新リリース!坂本講師の「最後の記述式~“連想スキル”で枠ズレを防ぐ~」はこちら

2020年6月15日 (月)

どうする?認定考査対策

Img20190703173341743906

「司法書士試験」「認定考査」、
ともに実施日が発表されていない状況が続いていますが、
しっかりと勉強に取り組めていますか?

「認定考査」に関して言えば、本来の試験日を過ぎている状態にあります。
当初は、6月7日(日曜日)に学習の成果が最大限発揮されるよう
スケジュールを組んで学習してきたはずですが、日常が急変する中で、
予定通りにスケジュールを消化できなかった方も多いと思います。
しかし、試験日が延期されたことで、
立て直しをはかるだけの十分な時間が確保されたと言えますから
このチャンスを活かして、万全の対策を講じていきましょう。

出題のうち、要件事実に相当する部分への対策としては、
複数の論点が組み合わされた問題にも対応できるよう
一つ一つの論点への理解とスキル(解答としての文章を書く力)を
あげていくことが重要です。

近年の問題は、第1回認定考査問題とは比べ物にならないほど複雑化しています。
しかし、たとえば昨年の問題をみてみると、
分解して見てみれば「金銭消費貸借」「債権譲渡」「相殺」と
一つ一つは基本論点であるにも関わらず、
これがいっぺんに問われることで、一気に問題の難易度が上がっている
といったことがあります。
「売買」×「代理」×「相続」であるとか、
「金銭消費貸借」×「債権譲渡」×「相殺」であるとか、
3つの論点を組み合わされると、
処理能力の限界を超えないまでも、ミスやエラーが生じがちです。
こうした傾向に対応するためには、
一つ一つの精度を上げていくことがとても重要になります。
基本論点に対する理解・スキルが90%のところまで来ているからといって安心せず
100%に近づけることを考えてみましょう。

出題のうち、業務範囲・倫理への対策は、
とにかく基本を押さえよう!ということが重要です。
業務範囲・倫理は、焼き直しでの出題が非常に多いところですので
過去問ベースの問題を潰しておくことで相当点数を稼げます。
「認定司法書士への道【実践編】」の「第3部」の問題を繰り返し解き、
類似の問題に対応できる力を身につけていきましょう。
業務範囲・倫理の出題は、
「司法書士簡裁訴訟代理等関係業務の手引」(日本司法書士会連合会 編)
のレベルを超えるものではなく、同書を消化することも対策としては有益ですが、
まずは過去問ベースを潰すことが優先ですので
「道【実践編】」をご活用ください。
もっとも、未出の論点が積極的に出題されている傾向にありますので
余裕のある方は「手引」の「Q&A」の部分も消化していくと
より万全の対策となります。

「訴訟物」「請求の趣旨」「要件事実(請求原因事実・抗弁・再抗弁)」
「業務範囲問題」「倫理問題」をノーミスで処理できさえすれば、
合格ラインである40点はゆうに超えますので、
まずはここで着実に点数を稼ぐ対策をとりましょう。

今後の学習スケジュールは、
現段階においては立てづらいのが正直なところですが
司法試験が、本来の試験日のちょうど3ヶ月後に実施されることを参考にすれば
個人的には9月以降の日程になる可能性が高いと考えています。
ひとつは、「まだ3ヶ月以上あるかもしれない」といったところで、
気持ちを切らさないこと、中だるみしないことが重要になってきます。
試験日までの数か月は、学習ペースが崩れてしまった数ヶ月を
リカバリーするためにありますから、気を引き締めていきましょう。

「何か学習のペースを掴むための目標が欲しい」という方のために
私が担当させて頂いた「認定考査対策講座」をご受講いただいた方には
「模擬演習編」の「重要問題」の解説を新規に収録し配信させて頂く予定です。

例えば、
7月の日曜日のどこかで、「重要問題第1回」の問題を2時間測って解き、
8月の日曜日のどこかで、「重要問題第2回」の問題を2時間測って解く。
そして、それぞれ問題を解いた後に解説講義を聞き、
弱点を洗い出し、今後の学習計画を練り直す。
といった感じでご活用いただければと思っております。
もちろん、これまで講座をご活用頂いていない方も、
今からの受講でも「試験対策としての勉強」を実践できる
十分意義のあるものになりますから、是非ご活用ください。

最後に、暑い日が続いていますが、
引き続き健康に留意しながら頑張っていきましょう!!

★坂本龍治講師の担当する「2020年取得目標 認定考査対策講座」はこちら

 
YouTube: 「認定司法書士への道」3部作完成!坂本講師がポイントを解説します

坂本 龍治

2020年4月27日 (月)

司法書士実務の現場で“いま起きていること”“これから起こること”②

Img20190703173341743906

こんにちは。
伊藤塾の坂本龍治です。

今回は、司法書士実務の現場で
“いま起きていること”、“これから起こること”
について、前回の続きをお話します。

これから起こること

IMFの経済見通しに世界中が大きなショックを受けたことは記憶に新しいですが、政府が想定している経済対策だけでは経済的な落ち込みを食い止めることは厳しそうです。経済的な悪化に伴い、様々な法的問題が生じます。
また、現在生じている「人が動かない」「物が動かない」「お金が動かない」状況が、様々な契約上の義務の不履行を引き起こすため、こうした面からも多くの法的問題が生じます。
現在は、いうまでも医療従事者の方々が命がけで戦ってくださっていますが、今後は法律家がこれに続く必要があります。

企業間の紛争や破産といった、金額の大きな話は弁護士の先生方にご活躍頂くことになりますが、簡裁訴訟代理権を前提に140万円以内の個人間の紛争は、司法書士も法的支援の役割を担う必要があります。どこでも起こりうる身近な話としては、建物明渡請求です。
企業収益が激減したことで会社からの給料が支払われず、家賃を数か月間滞納してしまった…といったことが、あちこちで起こります。大家としては、賃料未払いを理由に契約の解除をするわけですが、このような状況にあって悪意を持って賃料を支払わない人がどれほどいるでしょう。「信頼関係不破壊の法理」によって、ケースによっては契約の解除が認められないこともあるでしょう。しかし、賃料収入が入らない大家が、アパートローンの返済が出来なくなって立ち行かなくなる…といったことも考えらえるわけで、非常に難しい判断を迫られます。

その他、地域によっては個人の破産や再生を司法書士が支援しているところもあり、こうした分野での役割も期待されます。「破産」という言葉に良いイメージが湧かないかも知れませんが、人生の新たな一歩を踏み出すための法的支援であり、前向きな仕事なのではないかと思います。

終わりに

未曾有の災害となった東日本大震災から9年。
日本人は、困難な局面においても着実に前進する力を持っていることを証明しています。
そして、そこには法律家による並走があり、いまも続けられています。
司法書士にも、原発ADR手続などを通じて原発事故賠償の未請求者を支援する、
といった活動を今現在も行っている先生方がいます。

これから起こる事象に対して、司法書士がどれだけ力添えできるかは未知数ですが、
いま想定される事象に対する備え(勉強)をはじめ、
そして、いざ始まれば長いスパンでの並走を実現することが重要なのではないかと思います。

壊れてしまった平穏を、法律の力で修復する。
狂い始めた平穏を、法律の力で立て直す。

そのためには、今いる司法書士の力だけでは足りないのではないかと思います。
「新しい仲間」、皆さんの力が必要です。

合格の先でたくさんの人が待っています!
苦しいけれど、最後まで頑張っていきましょう!!


YouTube: 民法改正と司法書士業務~改正が司法書士実務にどのように影響するのか~

★坂本龍治講師による「『民法改正』と『司法書士実務』」はこちら

2020年4月24日 (金)

司法書士実務の現場で“いま起きていること”“これから起こること”①

Img20190703173341743906

こんにちは。
伊藤塾の坂本龍治です。

今回は、司法書士実務の現場で
“いま起きていること”、“これから起こること”
について、2回に分けてお話ししたいと思います。

いま起きていること

司法書士の実務は、法務局や裁判所、金融機関、企業などと連動して動きます。
これら関連する機関がどうなっているかを含め、お話ししましょう。

法務局では、出勤する職員が相当数減らされており、登記の完了までに通常の2~3倍の時間を要している状況です。建物の表題登記が完了したのちに、所有権の保存登記を申請するような2段階での登記が必要となる業務では、スケジュールの調整などが必要になってきています。

裁判所では、緊急性のあるものなど、止めることのできない裁判以外は、期日をすべて取り消されているといった状況です。裁判業務は全般的にスケジュール調整が必要になってきています。実際の再開がいつになるかわからない中で、和解の道を探る、といった動きが出るかも知れません。

金融機関では、窓口業務自体は入場規制などの工夫を凝らしながら、稼働している状況です。融資申し込みが増えていますが、いま行われている融資は、実質無利子・無担保の政策的融資がほとんどなので、司法書士の出番は少ないです。

企業では、コロナ対応に追われ平時と同じように稼働しているところは殆どないものと思われます。
そんな中、3月の決算を踏まえて例年6月に行われる株主総会が目前に…
といった会社が相当数あります。
「事業年度終了から3ヶ月間の縛り」を守れる状況じゃないことに配慮して、法務省では次のようなアナウンスをホームページ上でしています。

「今般の新型コロナウイルス感染症に関連し,定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には,その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りる」

また、経産省のホームページでは、「株主に来場を控えるよう呼びかけることは可能か?」「会場に入場できる株主の人数を制限することはできるか?」といった、具体的な株主総会の運営に関するQ&Aを載せています。

商業登記分野に関して言えば、取引先の企業から、株主総会や取締役会の運営に関する相談が増えている、ということがあります。平時と異なる「知恵助け」がもっとも出来ている業務分野は、商業登記分野なのではないかと思います。

最後に、後見業務では、これからはじまる「手をあげた人に10万円給付」の経済対策において、被後見人の分も含めた給付申請をすることになりそうです。


YouTube: 民法改正と司法書士業務~改正が司法書士実務にどのように影響するのか~

★坂本龍治講師による「『民法改正』と『司法書士実務』」はこちら

2020年3月 2日 (月)

「せりあがり」は理論遊び?

Img20190703173341743906

特別研修、お疲れ様でした!!
本当に大変なひと月だったと思います。
ここから先、6月の認定考査日までは
主体的な勉強をしていかなければなりません。

特別研修を無事に終えたとはいえ、
「要件事実や事実認定が習得できたのだろうか…」
と不安を感じている方もいらっしゃると思います。

また、ある程度学習が進んだことで
これまで気にすることのなかった点で疑問が生じている
という方もいらっしゃると思います。

今回のブログでは、そのうちのひとつに挙がるであろう
「せりあがり」について若干コメントしてみたいと思います。

「せりあがり」とはどういったものだったか?
まずはおさらいしておきます。

「原告が主張する請求原因事実の中に,本来被告が主張すべき抗弁を基礎付ける事実が当然に含まれていることがある。このような場合,請求原因事実と同時に,抗弁も基礎づけられる結果,原告は請求原因事実を主張する段階において,併せて再抗弁を基礎付ける事実を主張しなければならないことになる。このように,本来であれば相手方の抗弁主張の後に提出すれば足りるはずの再抗弁事実を,相手方の抗弁主張をまたずに提出しなければならない場合を「せり上がり」という。」
(弘文堂 「認定司法書士への道 理論編」25頁)

実はこの「せりあがり」、用いる書籍によって
登場するものとしないものが存在するんです。

岡口基一裁判官は著書の中で
「「理論遊び」にすぎない見解ともいえるため、
現在ではこれを支持する必要はありません。」
と指摘しています。
(創耕舎 岡口基一著「要件事実入門 紛争類型別」21頁)

もう少々、詳しく引用してみましょう。
「いわゆる「せりあがり」理論により説明していたのが、何十年も前の司法研修所民事裁判官室の見解ですが、その頃の同教官室の見解は、「理論が極めて精緻、先鋭化している」(田尾桃二・判タ630号88頁)などと批判されていたものです。「理論遊び」にすぎない見解ともいえるため、現在ではこれを支持する必要はありません。」

これだけ読むと、「せりあがり」として覚えてきた要件事実を
主張する必要がないように思えてしまいますが、
そうではありません。
説明の仕方として「せりあがり」理論を用いる必要はない、
ということを言っているのです。

岡口裁判官の傑作である要件事実の教科書、
「要件事実マニュアル」においても
「せりあがり」を説明したうえで、
「もっとも、従前、せりあがりの例として挙げられてきたものの多くは、要件事実の分配の修正として説明する方が妥当である」
と指摘しています。
(ぎょうせい 岡口基一著「要件事実マニュアル1 第5版」31頁)

しかし、蛭町講師と私が手掛けた「認定司法書士への道」に
おいては、あえて「せりあがり」を前提とした説明をさせて頂きました。
それは、元裁判官である加藤新太郎先生の著書(民事法研究会 加藤新太郎編著「要件事実の考え方と実務 第4版」42頁)や、
「要件事実論30講 第4版」(弘文堂「村田渉、山野目章夫編著)などの定番書においても「せりあがり」を前提とした説明がなされており、「せりあがり」を理解したうえで学習を進めたほうが円滑であると考えたためです。

要件事実の勉強をしていると、
頭を悩ませる問題がたくさんあります。
特に、複数の書籍を用いると書籍間で解説が異なる
といった論点がいくつか存在するため、余計に混乱するのです。

そもそも、実体法には解釈の幅があり、
学説によって考え方が異なる、
といったことが前提にあっての「要件事実」ですから
解説が書籍によって異なる場面があるというのは
むしろ自然なことなのかも知れません。

6月の認定考査をパスすることが最大の目標であることに
鑑みれば、残り3ヵ月で用いる書籍は絞り込んだほうが
良さそうです。

残り3ヵ月!!頑張っていきましょう!!

★坂本龍治行使の担当する「2020年取得目標 認定考査対策講座」はこちら

 
YouTube: 「認定司法書士への道」3部作完成!坂本講師がポイントを解説します

伊藤塾司法書士試験科講師 坂本龍治

2019年12月 6日 (金)

物権法改正の動向

Img20190703173341743906

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の坂本龍治です。

12/3(火)は弁護士会館で東京の3弁護士会(東弁、一弁、二弁)の先生方を対象に実務研修を行いました。

不動産登記制度と司法書士の社会的役割、判決による登記を前提とする登記訴訟のポイントについてお話しさせて頂きました。

Photo_3

紛争解決の弁護士と、紛争予防の司法書士とがそれぞれの役割を尽くすことで、初めて抜け目のない法的サービスが実現するため、双方の協力は不可欠です。特に登記訴訟→判決による登記、では互いの専門性を遺憾なく発揮して連携することが可能です。

相互の理解を深め日本の法的サービスの質を向上させられたら良いなと思う次第です。

さて、現在、物権法改正を内容に含む民法・不動産登記法改正の審議が法務省内で行われています。

当初は来年の通常国会提出を目指すとされていましたが、年明けにようやく中間試案が完成するようです。パブリックコメントを実施したうえで、秋の臨時国会に提出したい考えです。試験との兼ね合いでは2022年以降に影響するのではないかと思われます。

しかし、相続法・債権法に関しては来年から新法での出題となります。12/4(水)は司法書士会館で債権法改正の実務研修を行いましたが、160名を超える実務家の先生方が来てくださいました。債権法の全面施行まで半年を切り、関心が高まっています。

Img_8590

受験生の皆さんも、しっかりと対策を講じていきましょう!

<<<坂本龍治講師による「認定考査対策講座」はこちら

<<<坂本龍治講師による「『民法改正』と『司法書士実務』」はこちら

伊藤塾司法書士試験科講師 坂本龍治

2019年12月 3日 (火)

2019年度合格者の新人研修が始まります!

Img20190703173341743906

2019年度合格者の新人研修が、本格的に始まる時期になりました。

東京司法書士会の新人研修は11月28日に始まり、合格者のおよそ3分の1、200人近くが受講しています。私も講師として参加しており、先日、相続の実務研修を実施しました。

戸籍の読み方など実務スキルを中心にみっちり3時間行ったのですが、合格者の皆さんは新しいステージでの新しい勉強に目を輝かせていました。

また、数年前に伊藤塾の講座を受講してくださっていた方と、数年ぶりに再会し、新人研修の現場で合格報告を受けるという嬉しい出来事もありました。

2020年合格を誓っている皆さんとも、是非、次のステージでお会いしたい!!
合格後の先でも待ってます!
頑張りましょう。

坂本龍治講師による「認定考査対策講座」はこちら

坂本龍治講師による「『民法改正』と『司法書士実務』」はこちら

伊藤塾専任講師 坂本龍治

2019年11月25日 (月)

認定考査に向けた勉強を開始しよう!

Img20190703173341743906

司法書士試験の最終合格発表をうけ
最終合格された方々は喜びに浸りつつも
研修に向けた手続きなどで
忙しい日々を過ごしていることと思います。

今後の司法書士としてのキャリアをどう積んでいこうか。

これまでにはなかった悩みが新たに生まれ
浮かれてばかりはいられないのが現実ですね。

こうした中、是非意識を向けてほしいのが
「認定考査」。
ご存じのとおり、認定考査を突破してはじめて
すべての試験が完了し、
認定司法書士としての幅広い活動が可能となります。

「特別研修が本格的にあるのは2月だから、
 それからでいいや」
なんて軽い気持ちで構えていて突破できるほど
甘いものではありません。

6月に実施される試験までの期間があまりに短く
要件事実の学習が習熟する前に試験を迎えることに
なってしまいますし、
仮に突破できたとして、付け焼刃で獲得した認定では
実際の訴訟で弁護士と対等に渡りあえるレベルになど
なりません。
弁護士になる方々が2~3年ロースクールに通い、
1年の司法修習を経てようやく訴訟の現場に出ることを
想像してみてください。

認定考査の学習において大切なことは、
まず何より、“早期に学修を開始すること”。
勉強に早すぎるということはありません。

伊藤塾では、すでに2回、認定考査を視野に入れた
イベントを実施していますが、
いよいよ講座が本格的にスタートします!

まずは「要件事実入門編」
つい先日、11月20日に開講しました(東京校)。

「要件事実」の「基本のき」を、
認定考査対策として学習を開始する
皆さんのためにお伝えする講座となっています。

是非、一緒に楽しみながら要件事実の学習をスタートさせましょう!

伊藤塾専任講師 坂本龍治

坂本龍治講師による「認定考査対策講座」はこちら

2019年11月15日 (金)

伊藤塾には、実務家視点の民法改正対策講座があります!

Img20190703173341743906
伊藤塾には、実務家視点の民法改正対策講座があります!

改正相続法はすでに一部施行されてしまったし
改正債権法も来年の4月1日に施行されてしまうのに、
まだ対応できていない。

そんな実務家や直近合格者のための講座です。

債権法の改正はそのボリュームの多さ(約200項目)、
社会に与える影響の大きさから
施行までの期間が3年近くとられ、
早2年半が経過しましたが、
実務家は忙しいのです。
また、直近合格者は
改正前の知識で司法書士試験が行われたことから
新法に手を出す余裕は全くなく、
試験が終わった現在でも
研修の手続きなどで余裕がないのが現実ではないでしょうか。

そこで登場したのが、実務家視点で行う講座
『「民法改正」と「司法書士実務」』です。
試験対策としての講座ではないため
改正論点の知識を確認するだけではなく
実務現場におけるポイントも解説していきます。
講座を担当する私、坂本龍治は2012年から東京司法書士会民法改正対策委員を
務めており、司法書士実務家としても活動しております。

用いるテキストは、立案担当者が解説をした
信頼のおける書籍です。
・『一問一答 新しい相続法』堂薗幹一郎・野口宣大 編著/商事法務
・『一問一答 民法(債権関係)改正 』筒井健夫・村松 秀樹 編著/商事法務

会社法改正や、
民法物権法改正・不動産登記法改正など、
司法書士実務に直接影響を及ぼす法改正が
今後も続くため、相続法・債権法で足踏みをしている
場合ではありません。
ぜひ、講座を有効活用していただき
忙しさの壁を打ち破ってください!

ご受講、お待ちしています!

伊藤塾司法書士試験科講師 坂本龍治

坂本龍治講師による「『民法改正』と『司法書士実務』」はこちら