この夏に留学予定の方は、留学先の学校が決定し、本格的に留学準備に取り掛かる頃だと思います。これから留学に向けた準備で忙しくなります。留学先が決まると、ビザの手続き、引越し手続き、航空券の手配、留学先での住居探し、携帯電話の契約、留学保険への加入、国民年金や国民健康、海外転出届や在留届の提出等の公的手続きなど、様々な手続きを進めていくことになります。以下では、留学に伴って行わなければならない主な手続きについて簡単にお話しします。
ビザの申請に必要な具体的な手続きの手順については学校からの指示の通りに進めていくことになりますが、簡単に概要を説明します。ビザの取得までは、①I-20の取得、②SEVIS費用の支払い、③大使館での面接、というプロセスを経ます。
①I-20
正式には、“Certificate of Eligibility”と呼ばれます。I-20は、アメリカ政府に認定されたアメリカの教育機関が発行する書類ですので、留学先の学校に発行してもらいます。当該学生がフルタイムで学校に入学すること及びアメリカに滞在するために必要な資金を有していることを証明したことを認証するものです。I-20を取得することによりビザの申請が可能となります。
②SEVIS
SEVISとは、Student and Exchange Visitor Information Systemの略で、米国国土安全保障省が留学生の情報を管理するインターネットベースのシステムです。留学生の情報のSEVISへの入力に関する手続きは学校側が行います。留学生自身は、SEVIS費用の支払いを、大使館での面接日の最低3営業日前までに済ませておく必要があります。
③大使館での面接
ビザの申請に必要な書類の準備、オンライン申請書の記入、申請料金やSEVIS費用の支払いをし、面接の予約を取ります。具体的な手続きについては、在日米国大使館・領事館のホームページで確認してください。
留学先への荷物の送付は、引越し業者の海外引越し用のサービスや日本郵便の国際小包あるいはEMSを利用する等の方法があります。引越し業者では、予算や用途に合わせた様々なパックプランも用意されています。ご自身の荷物の量や準備期間に合わせたサービスを見つけましょう。船便を利用する場合、現地に荷物が到着するまでに1ヶ月以上かかる場合がありますので、早めに各サービスを比較検討し、準備すると良いと思います。
留学先では、大学の学生寮に住む方もいれば、一般のアパートを契約して住む方もいます。通学の利便性、周辺の治安、家賃等の各種条件等を考慮しながら、自身のライフスタイルに合った住居を探さなくてはなりません。
学生寮には単身者用の学生寮のほか、家族向けの学生寮もあります。また、一人部屋、ルームメートとシェアして住む部屋など、学生寮にも様々な形態があります。学生寮に住むことを考えている方は、留学先の大学にどのような寮が用意されているか、また、各寮の申し込み開始時期などを早めに調べておきましょう。
一般のアパートを探す場合、渡米前にインターネットで調べて管理人と連絡を取る、学生や教員の住居について専門に扱う大学のオフィスに相談する、現地で情報誌で探す、などの方法があります。
渡米先で使用する携帯電話は、日本で使用している携帯電話をそのまま利用する方法、渡米してからアメリカの携帯電話会社で契約する方法、プリペイド式の携帯電話を利用する方法、渡米前に契約し、日本国内にいるうちに携帯電話を受け取る方法などがあります。
留学中に病気やケガをした場合、高額な医療費がかかることになりますし、事故等で多額の賠償金を支払うことになるような場合に備えて留学保険に加入する方が多いです。医療保険に関しては、学校から加入を義務付けられる場合があります。
- 海外転出届、在留届、国民年金、国民健康保険、住民税などの公的手続き
海外での滞在期間が1年を超える場合には住民票のある役所で海外転出届を提出する必要があります。また、海外での滞在期間が3ヶ月を超える場合には、滞在先の日本大使館あるいは総領事館に在留届を提出する必要があります。
海外転出届を提出すると、国民年金の加入義務がなくなります。その場合に任意加入制度の利用を希望するのであれば、その手続きをします。
海外転出届を提出すると、国民健康保険の支払い義務が免除されます。住民税についても課税対象から外れます。
他にも、渡米後に開設するアメリカの銀行口座への送金方法の確認等もしておくと良いと思います。留学が決まると、行わなければならない準備や手続きが本当に沢山あります。余裕を持って早めに準備を進めましょう。