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2017年11月

2017年11月28日 (火)

米国ロースクールの期末試験③:試験の受け方のコツ

今回は、期末試験の論文式試験の書き方のコツについてお話ししたいと思います。これは、あるJD卒業生によるアドバイスです。書き方は様々でしょうし、各自、各教授や学校から指導を受けるでしょうから、あくまでも一例として参考にしていただければと思います。

 

1. 1つの試験で複数の論文問題が出題された場合

 まず初めに全ての論文問題に目を通します。そのうち自分が最もできそうなものから手を付けます。

 

2. 問いに答える

 教授が聞いていることは何かということに最も注意を払うべきです。当たり前のことのようですが、問いに答えていない答案が頻繁に見られるそうです。問いに答えなければ点数にならないため、注意が必要です。

 

3. Analysis(事実認定、あてはめ)

  • Analysisが試験で最も大切で配点が高い部分です。
  • 事例問題(Fact pattern)の中に記載されている事実をできるだけたくさん拾って事実認定をするべきです。事実は理由があってそこに記載されているということを忘れないようにしましょう。
  • 事実を拾わなければ良い成績はつきません。
  • 事例問題は、2回は読むべきです。1回では読み落としが生じるためです。
  • 読みながらAnalysisに使う事実をハイライトし、各事実をどう使うのかメモしながら読んでいきましょう。
  • 複雑な事例の中で欠けている事実に気をつけることが必要です。もし何か欠けている(Analysisを完成させるために必要な事実が足りない)場合、場合分けして論じる必要が生じます。
  • 一文で使用する事実は1つか2つ程度です。一文の中で、事例の中の10個の事実をただ列挙したにすぎないというのでは、事実を使ってAnalysisしたことになりません。

 

4. 答案構成

  • 書き始める前に必ず答案構成をして、答案を整理することが必要です。
  • 1時間で解く問題であれば、5−10分くらいは答案構成に当てましょう。
  • 答案構成はあくまでも構成メモなので、完全な文にする必要はありません。
  • 重要な論点とそうでもない部分をきちんと見分けてメリハリを付けることが重要です。
  • パソコンでタイピングした答案をアップロードして提出する場合、ファイル上に残された答案構成にも、論点を拾い出すIssue spottingとして点数が振られます。そのため、答案構成メモは、答案そのものを作成するファイル上で 作成するとよいでしょう。
  • 各論点に関する記述はIRAC方式に従って構成し、書かなければなりません。

 

5. IRAC方式

IRACとは、Issue(問題提起)、 Rule(規範)、 Analysis(事実認定、あてはめ)、 Conclusion(結論)のことです。

  • Issueを書く際、なぜそれが問題になるのか(日本の論文試験で「問題の所在」と言われる部分)について書く必要はありません。例えば、過失の有無が問題となるという場合に、なぜ過失の有無が争点になるのかを論じる必要はなく、ただ表題にNegligenceと書いて、直後にRuleを書いてしまうということです。これは日本での答案の書き方と違うところです。
  • Ruleを書くときにも理由を書くことは要求されません。ここも日本の答案の書き方と違うところです。
  • Ruleは簡潔に書きます。いくつか要素がある場合には、番号をふるなどして列挙し、読みやすくします。

 

6. 形式

  • 一段落につき4−6文でまとめるとよいです。一段落を長くしすぎないようにします。
  • 段落と段落の間にはスペースを空けて見やすくします。
  • Headnoteを付けられるところには付けて、そこで何について書いているか分かりやすくするとよいでしょう。

 

7. その他

  • 断定的な書き方をしないようにします。例えば、 “Obviously” あるいは “Of course” などと書いた場合には、Analysisをしていないということです。
  • 時間配分に気を配り、最後まで書き上げましょう。
  • 複数の論文問題がある場合、全ての問題の答案構成を終わらせてから文章にする作業をする方が得点につながります。これは、前述の通り、答案を作成するファイルに答案構成を残せていればIssue spottingなどとして、答案構成自体に点数がつくためです。例えば3題の論文問題が出題されている場合に、1問目と2問目は完全に文章で解答したが3問目は白紙の状態というより、文章で完全に解答できたのは1問目だけだが、2問目、3問目まで答案構成でIssue spotting ができていることを示せている方が、総合点が高くなる可能性が高いからです。もっとも、各論文問題の配点が示されていて、比重が違う場合にはそれに応じて対応する必要があります。

2017年11月24日 (金)

米国ロースクールの期末試験②:試験の準備

今回は、米国ロースクールで学生たちが行っている、期末試験の準備の様子等についてお話ししたいと思います。試験の準備方法は各自の学習スタイルにより様々ですが、一例として参考になればと思います。

 

1. 授業ノート

 ロースクールの試験で良い成績を修めるためには、教授が授業中に話している内容をしっかり理解することが非常に重要です。あるJDの学生は、「教授の言ったことが全て」と言っていたほどです。そこで、授業中に教授の話したことを一語一句書き留めたノートがとれればベストです。あとで読み返してみると、教授の授業の構成が、ある視点に沿って整理されていることに気付けたり、教授の重視している点をクリアにしたりすることに役立つからです。しかし、英語が第一言語でない留学生にとって、それは非常に困難なことです。もしも可能であれば、英語を第一言語とするJDの学生などのノートを入手してみましょう。非常に参考になると思います。もっとも、授業の内容を一語一句書き留めたノートは、その量も膨大ですから、何度も読み返す時間はないでしょうし、試験直前に効率的に学習内容を見直すには不向きでしょう。そこで、Outlineの作成などが有効となります。

 

2. Outline

 Outlineは、各科目の学習内容を体系的にまとめたものです。試験直前になると、過去に誰かが作成したOutlineが学生間でやり取りされたりします。Outlineはもちろんはじめから自分で作成するのも良いですが、過去に同じ教授の同じ授業を受けた学生が作成したOutlineが手に入る場合には、それに手を加えて改良すると効率的です。同じ科目について複数のOutlineが手に入ることもあるでしょうが、それらを比較して、使用するOutlineを一つ選びましょう。一旦使用するOutlineを選んだら、それを徹底して使うことが大切です。複数のOutlineを使用するのは読む時間を増やすだけで効率を損ねることになるからです。

 実際に学生が作成したOutlineを見ると、45ページから50ページに渡るOutlineが多いようです。中には、10ページから15ページ程度の簡潔なOutlineを作成する学生もいます。このような簡潔なOutlineは、直前に科目全体をパッと見渡すのに効果的なツールです。どの程度詳細なOutlineを作成するかは各自の学習スタイルに合わせればよいでしょう。

 

3. Study group

 Study groupを作って友人と一緒に学習する時間を取る学生もいます。Study groupのスタイルは様々です。学期始め頃から5−6人のStudy groupを作って交代で担当部分のOutlineを作成し、それを共有しながら学習するようなスタイルもありますし、2人だけで、互いに授業内容を全て網羅できているか試験直前にまとめて確認するようなスタイルもあります。

 

4. 過去問

 やはり過去問が重要なのは言うまでもありません。同じ教授の過去問を手に入れて実際に書いてみましょう。学校が公式に提供している場合もありますし、なければ教授に過去問の配布を要請してみましょう。

 

5. Review session

 学校によっては、試験前一週間ほどは、通常授業のないReading periodを設けます。通常の授業はありませんが、各教授がReview sessionを開きます。 Review session では、教授が学期中の授業内容を体系立ててまとめてくれたり、Sample examや過去問の検討会が行われたり、あるいは教授がひたすら学生からの質問受けをしたりします。Review sessionを有効に活用するとよいでしょう。

2017年11月21日 (火)

米国ロースクールの期末試験①:試験の種類と試験中の様子

多くのロースクールの前期の期末試験は12月上旬から始まります。そのため、11月の今頃の時期になると、Exam periodなどといって、学生たちは本格的に期末試験の準備をします。そこで、このブログでは3回に渡り、米国ロースクールの期末試験について、その種類、試験の準備、受け方のコツ、試験中の様子などについてお話ししたいと思います。

 

試験の種類には、大きく分けて、In-class examとTake-home examがあります。そして、In-class examにもOpen-book examとClosed-book examがあります。

 

1. In-class exam

 多くのIn-class examは3−4時間に及ぶものが多いようです。学校によって試験に関する規則や雰囲気など異なると思いますが、試験時間が長いため、試験中にロースクール内のカフェにコーヒーを買いに出ることができたり、お菓子をつまみながら受けることを許可されていたりする場合もあります。また、朝早く始まる試験の場合には、試験前にベーグルなどの軽い朝食を提供する学校もあります。

 

 答案は、学生の判断で手書きでもタイピングでもよいとされている場合が多いですが、学生の多くは各自のラップトップを持ち込み、タイピングした答案を試験終了時にその場でアップロードして提出します。各自のラップトップ上で答案を作成する場合には、学校によっては、決められたソフトやファイル以外のものを開けないようにするソフトをダウンロードさせるようです。

 問題文が長く、問題数も多い論文問題の場合、英語を母国語としないLL.M.生にとっては、時間との戦いという側面も強くなります。 仮に時間切れになり、全ての問いに対して文章で答案を完成させることができなくなってしまった場合でも、答案構成メモがタイピングされていることで、論点を拾い出すIssue Spottingとしてその答案構成部分に点数がつくことがあります。そのため、答案をタイピングして作成する場合には、全ての問いについてまず一通り答案構成自体をタイピングして仕上げてしまうことにより、Issue spottingの点の取りこぼしを減らすことができるというメリットがあります。

 

(1)Closed-book exam

 教室で、決められた時間内に、何も参照せずに解答する試験です。

(2)Open-book exam

 教室で決められた時間内に解答する試験ですが、参照する資料を持ち込むことができる試験です。どんな資料の持ち込みが許可されるかは教授により異なります。自分で作成したOutlineなど、市販の参考書以外のもので、ハードコピーのもののみ持ち込み可とする教授もいれば、市販の参考書やパソコン内のデータの他、インターネットでの検索も可とする教授もいます。

 ただ、Open-book examといっても、実際には持ち込んだ資料をじっくり参照している時間はほとんどないのが現実です。ですので、Open-book examは、いざという時に参照する資料を横に置いておける試験というだけで、実際にはClosed-book examと同様の準備をしておくことが必要な試験だと考えておくとよいでしょう。

 

2. Take-home exam

 試験期間中であれば、いつ、どこで受けても良く、各学生が他の科目の試験のスケジュールとの兼ね合いで受験する日時を決めます。Take-home examには、In-class examとほとんど試験時間が変わらない4時間程度のものから、8時間あるいは24時間と長時間のものまで様々です。試験問題をダウンロードした瞬間から時間のカウントが始まり、時間内に答案をアップロードして提出します。参考書やノートなど様々な資料にアクセスし時間をかけて解答できる分、完成度の高い答案が求められると考えておく必要があります。