MPRE
1. MPREとは
MPRE (Multistate Professional Responsibility Examination)とは、NCBE (National Conference of Bar Examination)が実施している全米共通の法曹倫理試験です。この試験は司法試験 (Bar Exam)とは独立した別個の試験ですが、ほとんどの州で、弁護士登録の要件として、司法試験の合格とは別に、MPREで各州の司法試験委員会が定めた基準点を超えることが求められます。
2. MPREの受験時期と基準点—ニューヨーク州とカリフォルニア州
MPREは、Bar Exam受験前でも受けることができます。MPREで取得することが必要な基準点や、司法試験 (Bar Exam)との関係でいつその基準点を取得することが必要かという時期については、各州の司法試験委員会が定めています。
[ニューヨーク州]
基準点:85点
時期:Bar Exam 合格の前後3年以内
※ニューヨーク州司法試験委員会でのMPREに関するルールはこちらをご覧ください。
[カリフォルニア州]
基準点:86点
時期:Bar Examとの関係では制限はありません。
※カリフォルニア州司法試験委員会でのMPREに関するルールはこちらをご覧ください。
3. MPREの形式
2時間で60問の四択式試験です。設問は事例問題となっており、各事例問題に2分で解答することになります。実際に採点されるのは60問のうち50問ですが、どれが採点されない設問かはわからないため、全問解答しなければなりません。
4. MPREの実施時期と受験料
MPREは、8月、11月、3月の年3回行われます。早めに受験申し込みをする(Regular Registration)と受験料は95ドルですが、遅くなる(Late Registration)と190ドルになります。今年の3月の受験を考えられている方は、2月1日までに申し込むと95ドルで受験できます。
今年の試験日と申し込み期限は以下の通りです。
試験日 | Regular Registration | Late registration |
3月24日 | 2月1日 | 2月8日 |
8月11日 | 6月21日 | 6月28日 |
11月10日 | 9月20日 | 9月27日 |
※必ず最新情報を確認するようにしてください。NCBEのMPRE受験申し込みに関する情報はこちらをご覧ください。
5. 試験会場の様子
前述の通り、事例問題1題あたり2分で解かなければいけない試験で、英語を母国語としない学生にとっては時間との戦いという側面も持ちます。しかし、英語を母国語とする学生は問題を解くのが非常に早く、解答を終えると、試験終了前に提出して次々に会場から退出していきます。試験開始後40−50分頃から受験生が退出し始め、そこから最後までなんとなく落ち着かない雰囲気の中で試験を受けることになります。
また、不正行為防止の対策も厳しくなされています。鞄を足元に置くことは禁止し、会場内の一箇所にまとめて置かせる対策がとられます。その他、会場によっては、首に巻くスカーフやショールを禁止したり、フード付きのパーカーやスエットを禁止したりするところもあります。フード付きの上着を着ている受験生がそれを脱ぐように言われ、空調の効いた会場で寒い思いをしながら試験を受けることになったということもあります。全ての会場でフード付きの服を禁止しているというわけではないようですが、寒さ対策の上着は、念のため、フードの付いていないものを用意しておくとよいかもしれません。
次回は、MPRE対策についてお話ししたいと思います。